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溶解度のポイント

溶解度はポイントがあります。

というのは、実は最初濃度を習っているときは、食塩水の重さを考える。

食塩水の濃度というのは食塩水の中に含まれる食塩の重さの割合をいいます。

したがって 食塩水の濃度=食塩の重さ/(水の重さ+食塩の重さ)×100(%)

という計算で習うのです。ところが溶解度はこう考えない。

100gの水に何g溶ける、という表示をします。

例えば100gの水に25gのホウ酸が溶ける。ということは濃度は?

25%ではありません。

そう、25/(100+25)×100=20%になっていないといけない。濃度と溶解度はここが違うのです。これがごちゃごちゃになる。濃度と一緒にしてしまう。

だから間違うわけで、そこがしっかり理解できていれば、溶解度はそれほど難しくはないはずです。

温度による溶解度の違いも、水の重さと溶質の重さを温度ごとに理解できていればいいことになります。

例題をひとつ。

ホウ酸は20℃、100gの水に4.9g、80℃、100gの水に23.5g 溶けることがわかっています。これについて次の問いに答えなさい。
(1)300gの水を80℃にしてホウ酸を溶けるだけ溶かした後、これを20℃にすると何gのホウ酸が溶け残りますか。
(2)80℃の飽和ホウ酸水溶液247gから水を50g蒸発させた後、20℃にすると何gのホウ酸が溶け残りますか。

(1)100g、80℃の水に23.5g溶けるのであれば、水が300gになればその3倍溶けることになります。したがって23.5×3=70.5g溶けたことになります。さて、これを20℃にしても水が300gあることには変わりがないので、20℃の場合は100gで4.9gですから300gであれば4.9×3=14.7g溶けることになります。したがってその差が溶け残ることになりますから、70.5-14.7=55.8gが答えです。
                       (答え)55.8g
(2)80℃の場合、飽和水溶液は100gの水に対して23.5g溶けますから全体は100+23.5=123.5gになります。247÷123.5=2よりちょうど2倍ですから、水は100×2=200gあり、ホウ酸は247-200=47gということになります。水を50g蒸発させたのだから、残りは200-50=150gになります。20℃では100gにつき、4.9g溶けるのだから、4.9×1.5=7.35g溶けます。したがってその差が溶け残るので、47-7.35=39.65gが答えです。       (答え)39.65g


「映像教材、これでわかる水溶液」(田中貴)


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