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戦法

少々ややこしい場合の数を授業で解いてもらっていた時のこと。

A君は、最初から数え上げる作戦に出ました。

場合分けすると10通りあり、それをさらに書き出していくと、結構な数になることは傍目で見てもわかったが、とにかくどんどんやっていく。

B君は、問題をじっと睨んでいる。ときどき、いくつか書いてはみるが、先に進まない。

結局、A君は最後まで解き上げ、B君は答えを得ることができず、制限時間が終わりました。

B君は何を考えていたのか、といえば「絶対に書き出す以外に方法があるはずだ」ということ。

手数としては途方もない数になることは見えている。だから何か考え方があるはずだ、と。

しかし、結局制限時間内には解くことができずに終わりました。

A君とB君とどちらが良いか。

私は圧倒的にB君に軍配を上げます。

確かに入試ではA君の方が良いかもしれません。点数をとるために。しかし、もしかすると他の問題を解く時間もなくなってしまうかもしれないのです。これは1問の勝負だから、A君が正解を出せたことが評価されがちなのですが、実は入試は総点で決まるのだから、いざとなれば捨ててしまっでも問題ではない。むしろ、うまく解く方法がないかを考えた方が良いのです。

まして、今のところは塾で勉強をしているわけですから、失敗しても、できなくても問題ではない。むしろ、最初から「何か解法があるはずだ」という前提をあきらめてしまうことは危険だと思います。

毎月テストがあるし、点数をとる、ということが重要ではあるのだけれど、しかし、目先の点数に眼を奪われて本当に考える力がついていないとすれば、それは危険なことです。

解説をしたとき、明らかにB君の方がよくわかっていました。

「なるほど、その手があったのか!」

きっと、彼は次はその手を使えるでしょう。A君はまた書き出す戦法に出てしまうかもしれませんが。


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