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横道にそれる

先日NHKで灘の橋本先生の授業の様子が紹介されていました。
ごらんになりましたでしょうか。

名門校に名物教師あり

これは私が塾の仕事を始めたころ、良く聞かされた話です。単に受験勉強を教えるのではなく、学問に対する基礎を作る、ということが中等教育、高等教育の目的と考えれば、1冊の文庫本、しかも200ページのものを3年もかけて読むということに、象徴的なものを感じます。

話はどんどん横道にそれる。百人一首の話がでれば、みんなで百人一首をやり、十干十二支の話が出れば、昔の暦に話が及ぶ。

横道にそれることをいとわない。そして事の本質を追求していくことの楽しさを子どもたちに教えていく。

灘ですから、当然東大対策が話題になるのですが、中学3年生まではじっくりこうやって現代文を読み、古文は徒然草を同じようにじっくり読む。

高3で大学の入試問題を黙々と解くのですが、このころになると、自然子どもたちには読解力もつき、また「疑問」を解き明かすノウハウも身についているので、自ら考え、自ら学ぶことができるようになっている。

日比谷を抜いた、というのは小手先の問題ではなく、本当の学力とは何かを考えた結果といえるでしょう。

振り返って中学受験の場合でいえば、ことの根幹はあまり変わらない。

(1)まず基礎
漢字を覚え、文章を読み、計算をする。その力が十分でなければ小手先の対策はあまり意味がない。

(2)興味を持つ
歴史を学ぶ、生物を学ぶ。これはどうなっているのだろうか?と疑問に思い、それを解決する。

(3)解き上げる喜びを経験する
算数の問題でも、じっくり考え、それを解き上げていく。

決して量を追わない。心に余裕を持って、勉強の楽しさを実感する、ということが子どもの勉強に対する気持ちをより積極的にすることになるでしょう。

「今の中学受験指導法は、じっくり勉強する余裕が一切ない分、結局中学に入ってやりなおすことになるのです。」

と昔、ある名物先生が言われたことを思い出しました。

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