同じ年頃の相棒と、猫との暮しです。 今のところ自立して生きて80代に入りました。

好きなこと。花や野菜を育てる、時々ウォーキングとスケッチ。
読書は好き。もっぱら寝る前と、夜中に目が覚めたときです。

ゴーヤさんこの夏も有難う

2012年08月25日 | 緑、花

気がつくと8月もあと少しです。ヴェランダのゴーヤも朝夕に水やりをしないと
気息奄々です。夕べの水やり時には青かった実が今朝はこの通り。でも夏の猛暑
に大きなコップ一杯のゴーヤジュースで元気で過ごせた気がします。
この頃の実は少し小ぶりになっているので2本使うこともありますが熟れすぎた
実はとても甘くなるのでバナナと牛乳とでオレンジジュースのような色と味です。
8月の初めごろだったか収穫できない日が2日あったきりでこのときは市販の実
を買いました。小さな花が咲き、小さな実が出来、むくむくと成長し収穫する。
茂った緑の葉は天井まで伸びて涼やかに日差しを遮ってくれる。
虫もつかず、病気にもならず、だから農薬いらず、こんなありがたい野菜はあり
ません。ゴーヤさん9月の半ばまで頑張ってね。

この夏、すっかりブログやホームページにご無沙汰してしまいました。
30号の絵を描くことに夢中になっていたこと。油絵のように塗り重ねて重く
なった絵はとても展示できるような絵ではなくなってがっかりしました。
展覧会に出さなくてはいけないからその時だけ必死になる。こんなことで自分
の絵が描けるはずがありませんものね。来週から天王寺と京都で2つの団体展
に2枚ずつ出品します。この暑さの最中、見に行ってといえないのが残念。

左膝が痛くなり7月の終りから近くに出来た整形外科に行きました。階段の上り
下りはなんでもないのに座って立ち上がる時に痛い。筋力が落ちた結果らしいので
少しずつ脚の筋力をつけていきます。

最近読んだ本の中で心を揺さぶられたのは「ふふふふ」井上ひさしさんのエッセイ
です。この頃はそろそろ体調を崩しておられたのではと思います。
「自分はもうじき去りゆくけれど日本人よこれでいいの?」という潔い覚悟をこめた
私たちへの遺言のように読めて仕方が無かった。
ぜひ手元に置きたい一冊だと思いました。



絵に関係した2冊の本

2012年08月12日 | 読書

暑くて眠れないので夜中に寝転んで本を読みふける日が多い。

この作品は直木賞を逃して最近話題になった。
「楽園のカンヴァス」原田マハ著
日曜画家といわれたアンリ・ルソーの作品「夢」は有名だがこれに類似した「夢をみた」という
3m×2mの作品が現存するという物語。この作品は何とピカソの作品のキャンヴァスの上に描
かれているのではという謎まで出ている。
アンリ・ルソーという画家の私生活にふみこんでとても面白かった。
私も絵を描いたり鑑賞したりするのが好きなので興味深く読んだ。
あまり時を置かずもう一つ絵の世界を揺るがした本を読んだ。

「偽りの来歴」―20世紀最大の絵画詐欺事件
レニー・ソールズベリー/アリー・スジョ著   中山ゆかり訳
この並外れた詐欺師の裁判が確定したのが1999年。ロンドンで実際に起きた事件をアメリカの
作家(夫妻)が丁寧に取材している。
詐欺師ドゥリューが純朴な画家マイアットと組んで名画を次々に複製し履歴をコピーし、新しい
履歴を作成する。画商や一流のギャラリー、サザビーズなどのオークション、修道院、V&A
(ヴィクトリア&アルバート美術館)ICA(現代美術研究所)など公的な団体まで彼の天才的
な詐欺に次々に引っかかっていく。

パリッとした服装、押し出しのいい物腰、何よりも人を煙に巻く弁舌、一流の詐称履歴、寄付や饗
応などによって美術界に蜘蛛の巣を張り巡らしていく。
美術館には絵画や彫刻のほかにアーカイブといった美術の文書や記録を専門に扱う分野がある。
ロンドンの公的なテートギャラリーの厳しい検閲を苦も無く分け入るドゥリューというこの詐欺師。
それにしても多方面にわたってかなりまめな男、ジョン・ドゥリューという詐欺師の生態。
その男の手足となって絵を描かされた人のいい画家の人間像も魅力的だ。
画壇、画商、といった魑魅魍魎の構造があるからこうしたドラマが生まれるのだろう。