つれづれ写真ノート

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ニコンファンミーティング で D850 を試す

2017年09月16日 | カメラ

ニコンが東京と大阪で実施した、初の「FAN MEETING 2017」(東京 8/26 ・ 27、大阪 9/2 ・ 3 )。

創立100周年を記念したニコンファン向けイベント。注目を集めているフルサイズ一眼レフ新製品「D850 」(9 月8 日発売)が体験できることもあり、東京では入場するのに最高2 時間待ちになったとか。

9 月3 日、大阪会場の堂島リバーフォーラム ホールへ行ってきました。「D850 」を実写して、データ持ち帰りもできました。

 

ニコン「FAN MEETING 2017」大阪会場。

 

ステージスケジュール。

おなじみの阿部さんをはじめ、「Df 」を開発した後藤フェローが、ニコンと宇宙とのかかわりについて講演。

 

熱気あふれる会場内。

 

現行製品のラインナップ。

 

100周年関連製品が目を引きます。D5 (左)とD500 の100 周年記念モデル。

 

こちらはレンズのセット。F2.8ズーム  トリプルレンズセット100周年記念モデル。

メタリックグレー塗装が渋い味わい。

 

歴代の名機をピンバッチにした「ピンバッチコレクション」。

 

クリスタルクリエーション ニコン I 型。

 

限定生産された希少モデルの展示コーナーがありました。こうしてみると金ピカのニコンが過去何回か製造されているんですね。

右手前は、金メッキ、革張りの豪華な「Nikon FA ゴールド+ 50mm F1.4(1984 年)」。第一回カメラグランプリでの大賞受賞記念モデル。

 

左手前は 「Nikon S3 2000 年記念モデル Nikkor-S 50mm F1.4(2000年)」。

1958年に発売された銘機ニコンS3を、ミレニアム記念に復刻したもの。

 

Nikon F など、往年の製品とカタログのコーナー。アーカイブされたデジタルカタログをタブレット端末で閲覧できるということで、紙のカタログではないようです。

 

Nikon F の分解・清掃デモコーナー。まさに歴史的名機ですが、ここまでいくと、マニアックかな~ 

 

特別展示「ニコンのスペースカメラ」。NASA(米航空宇宙局)と開発、国際宇宙ステーションで使われたカメラの数々。

 

左は宇宙でカメラを覆う「サーマルブランケット」。右はD 4 。

 

ステージでは、後藤フェローがニコンのスペースカメラについて講演。

NASA での現在の主力機はD4 系で、撮影枚数は140万枚。D5 も53 台を納入したそうです。宇宙開発でのニコンの貢献を強調。ほとんど知られていないメカの特殊仕様について、とても詳しく、ユーモアも交えながら解説していました。

 

ニコン製カメラがとらえた宇宙飛行士の画像。

 

D850 を触ってみた

さて、お目当てのD850 製品説明・相談カウンターへ。タッチ操作が自在にできるチルト式液晶が、なんといっても便利。

 

バッテリーパックを装着してもらい、9コマ/秒の連写を試してみました。

「いい音でしょう」と言われたとおり、耳ざわりでない、快い連写音。まるでD ひとケタ機のような、高速連写特化モデルに近い感触。

それでいて4575万画素という高画素でバンバン撮れるわけですから… 凄いですね。

 

相談員によると、D850 お勧め新機能は「サイレント撮影」(シャッター音が全く聞こえない)と、狭い範囲にピントを合わせやすい「ピンポイントAF 」とのこと。

 

気になっていた、もうひとつの新機能「フォーカスシフト撮影」について、写真家のセミナーでも取り上げられていたので、相談員に聞いてみました。

風景やマクロ撮影などで、手前から奥までバシ―ッとピントが合った、パンフォーカスの写真にできる「深度合成」。D850 では、その素材を「フォーカスシフト撮影」で作成できます(撮影位置から無限遠までピントを自動的にずらした画像を最大300 コマ)。

しかし実際に深度合成写真を作製するには『他社製ソフトが必要』(ニコンのカタログなど)となっています。

『他社製ソフト』とは、たとえば何なのか?

相談員によると、Photoshop だそうです。

あとで調べてみると、Photoshop CS4以降に搭載された機能「レイヤーを自動合成」でできることが分かりました。

 

オリンパスOM-D E-M1 、TG-4、 TG-5や、パナソニックのGX7 MarkII には、カメラ内で「深度合成」する機能があります。OM-D E-M1 の「深度合成」はファームウエアのアップデートで後から付加されたものなので、ニコンの場合も後日のファームウエアのアップデートのさい、カメラ内「深度合成」機能を加えることも可能なのではないでしょうか…

相談員には確かめませんでしたが、これから買おうとしているユーザーは、希望を持っていてもいいかも(あくまで個人的な予想)。

 

過去のフィルム資産がたくさんある人にとって役立ちそうな「ネガフィルムデジタイズ」のやり方を見せてもらいました。60mm マクロにアダプターを取り付け、ネガフィルムをセット。

 

ライブビューで見ると、ネガカラ―のままの色ですが…

 

ボタンを押すとポジに変換、デジタル画像として記録されます。

これは、驚きでした。面白いですね~ 

 

モデル撮影を体験

次はモデル撮影へ。

河野英喜さんの「D850 モデル撮影ワークショップ」に参加しました。

(「FAN MEETING 2017」では、D850 による撮影データ持ち帰りが、「モデル撮影体験のみOK」となっていました。)

 

みずから「ニコンD810 のヘビーユーザーです」という河野英喜さんのワークショップ。

 

D850 の特長であるAF エリアの横への広がり、AF 位置を自在に変えられるサブセレクター、四隅まで広く見えるファインダーなどについて解説しながら、それらを使ったモデル撮影のコツを解説。

作例の写真は、ニコンのカタログのために撮影されたものでした。

 

モデル撮影タイム。

参加者はみんな自前のニコン一眼レフで撮影していましたが、私はソニーRX100で(笑)。

 

(念のため、D850 による実写画像ではありません)

 

ワークショップのあと、D850 を使ったモデル撮影が始まりました。

人気のコーナーなので、かなりの行列。

 

撮影体験に使われた機材。

ポートレート向きの85 mm F1.4G を付けたD850 。このほか、105 mm 、24-70 mm 付きなど数台の中から選んで使えました。欲を言えば、モデルをアップにできる200mm ぐらいのレンズが欲しかった…

 

D850 実写画像

D850 での実写画像です。レンズ AF-S NIKKOR 85mm F1.4G、画質JPEG、1/50秒、F3.5、ISO 400、露出モード:P(オート)、ホワイトバランス:オート、ピクチャーコントロール:ポートレート

 ← クリックで大きめの画像になります。

 

撮影データは最初の画像と同じ。

 

レンズ AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8E ED VR、画質JPEG、1/40秒、F3.2、ISO 400、露出モード:P(オート)、ホワイトバランス:オート、ピクチャーコントロール:ポートレート

 ← クリックで大きめの画像になります。

 

レンズ AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8E ED VR、画質JPEG、1/50秒、F3.2、ISO 400、
露出モード:P(オート)、ホワイトバランス:オート、ピクチャーコントロール:ポートレート

 

レンズ AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8E ED VR、画質JPEG、1/60秒、F4、ISO 400、
露出モード:P(オート)、ホワイトバランス:オート、ピクチャーコントロール:ポートレート

(約1/4に大幅トリミング。さすが高画素機、A4 ぐらいには使えそうです。)

 

画像はいずれも、トリミングはしていますが、無修正です。

ここで、カメラに慣れた人なら撮影データを見て「なぜ、絞りを開放にして、もっとシャッタースピードを上げないの?」と思われるかもしれません。

その通りですよね。

でも、撮影体験の時間があまりにも短過ぎ(2 分ぐらい…)、あわてて露出モードをオートのまま撮ってしまったというのが実情。おかげで、スローシャッターの、ブレた画像を量産してしまいました。高画素機はブレやすいといわれているのに、です。

4575 万画素は、ブレやピンボケを絶対に許してくれません。等倍表示すると、バレバレ。この点がD850 のシビアなところ。使ってみて実感しました。

 

河野英喜さんの作品(左の2 枚)などの大判プリント展示。

シャープな部分はすごくシャープで、ボケた部分は美しい。撮影データを見ながら勉強しました(ニコンのパンフレットにデータが載っています)。

 

星野佑佳さんのステージ「D850 で撮る風景写真」。

ND フィルターを使わず、ISO 64 にして水の流れを表現したという作例(絞り優先オート F8、1/1.3 秒)。きれいです。

ISO感度ボタンが右に設けられたので、右手だけでISO を変えられ操作性がアップしたと話していました。

このセミナーで分かったことが一つ。新しくホワイトバランスに追加された「自然光オート」は、一日中、ホワイトバランスを気にせず撮影できるモード。朝、日中、夕方とこまめに設定を変える必要がない、いわば“面倒臭がり屋”にぴったりの設定なんですね。

タッチパネルもそうですが、高機能ばかりでなく使いやすさに配慮されたカメラだと思いました。

 

4K 動画のデモンストレーションも。

 

このほか、愛用のカメラを持った自分の写真をプロカメラマンに撮ってもらえる「プロフィールフォトコーナー」、ニコンに関するコアな問題に応える「クイズグランプリ」が人気を集めていました。

 

2 階の超望遠レンズ体験コーナー。

D850 に500 mmレンズ(たぶんAF-S NIKKOR 500mm f/4E FL ED VR)を付けて撮影。

拡大すると、ステージの司会者の衣装の質感までくっきり。すごいですねェ~

良いレンズ。100万円近くするそうですが。

 

ファンミーティングショップ。ここだけの限定グッズ。

 

Tシャツ各種 2000 円。

 

完売商品が次々。100周年ロゴ入りSD カードケース(4000円)は各色すべて売り切れ。

 

ニコンファンの想いを伝えるメッセージコーナー。

 

ボードに貼られたメッセージ。

「100周年おめでとう」「NIKON 最高」「いいカメラ いいレンズ ニコン!!」「ファンミーティング 良すぎ!!」…

 ニコン、愛されているんだなァ と思いながら会場を後にしました。

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9/16  訂正

 肝心のタイトルが「D810 」になっていました。「D850 」に訂正しました。何というミス!私としたことが…

 ニコンとファンの皆さま、申し訳ありません。

 おわびに、実写画像と関連記事を追加しました。

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撮影カメラ   ソニーRX100(D850 実写画像除く)

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関連記事

 ・『Nikon D850の高感度をリサイズ・他社機で比較する【実機レビュー】 』(とるなら~写真道楽道中記~)

 ・『濃密! ニコン創立100周年記念ファンミーティング - D850の撮影体験も』(マイナビニュース)

 ・『発表直後の「D850」も初お目見え! ニコンファンミーティング初日レポート』(CAPAカメラネット)

 ・『ニコン100周年ファンミーティングに1900人 大阪』(産経WEST)(動画あり)



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