功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『ロミオ・マスト・ダイ』

2013-05-12 23:56:04 | 李連杰(ジェット・リー)
「ロミオ・マスト・ダイ」
原題:Romeo Must Die
製作:2000年

●物語はNYで中国系マフィアのボスの息子、ジョン・キット・リーが殺されたことから始まる。この犯人不明の一件が発端となり、対立する中国系マフィアと黒人ギャングは一触即発の状況に陥っていた。
一方、ジョンの兄弟で元警官の李連杰(ジェット・リー)は、報告を聞いて香港の刑務所を脱獄。密かに単独で真相解明に乗り出した。調査の過程で、彼は黒人ギャングのボスの娘・アリーヤと接触する。彼女は気さくな李連杰に惹かれていくが、2つの勢力は日に日に緊張を増すばかりだ。
そんな中、李連杰はジョンの遺した謎の住所録を見つけ、抗争事件の裏側に隠された巨大な陰謀の存在に気付いていく。果たして、引き裂かれた2人の男女の運命は?そして見えざる敵との戦いの行方は…!?

 本作はアンジェイ・バートコウィアク監督によるDMX3部作の第1弾、そして李連杰がハリウッドで主演した初の映画です。DMX3部作といっても、本作におけるDMXは単なる脇役でしかなく(しかも死ぬ)、実質的に李連杰の1人舞台となっています。
物語はロミオとジュリエット的な悲恋を主軸にしていますが、組織と恋の板ばさみになって苦悩するシーンなどは殆ど無く、せっかくの恋愛要素を生かし切れていません。同じDMX3部作の『DENGEKI 電撃』ほど露骨ではないですが、誰が裏切り者なのかもバレバレだったりします(笑
 ただ今回はアクション演出が(アンジェイ監督にしては)普通であり、全編に渡って力強い功夫ファイトが展開されていました。少しワイヤーやCGで飾りすぎな気もしますが、個人的には許容範囲内。王盛(ラッセル・ウォン)、葉芳華(フランソワーズ・イップ)らとの対決も一件の価値ありと言えます。
全体の感想としては、ストーリーもアクションも新鮮味が無く、ラブストーリーも中途半端。良くも悪くも平均的なアクション映画の域から脱していない凡作と言えるでしょう。ラストバトルは『電撃』『ブラック・ダイヤモンド』よりスッキリしていますが、こちらも飛び抜けて良い出来では無かったですね。

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