功夫電影専科

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『ローグ アサシン』

2015-02-08 23:33:39 | 李連杰(ジェット・リー)
「ローグ アサシン」
原題:War/Rogue Assassin
中文題:玩命對戰/搏激戰
製作:2007年

●FBI捜査官のジェイソン・ステイサムテリー・チェンは、捜査の過程で伝説的な殺し屋“ローグ”と接触。一度は射殺したかに見えたが、生きていた“ローグ”によってテリーとその家族が皆殺しにされてしまう。
それから3年後、ヤクザ街のクラブ襲撃事件で再び“ローグ”の存在が浮上した。復讐の鬼と化したジェイソンは、仲間たちと共に“ローグ”=李連杰(ジェット・リー)を追うこととなる。
 一方、街ではアメリカ進出を企む石橋凌率いるヤクザと、尊龍(ジョン・ローン)が指揮するトライアッドとの抗争が激化していた。2つの組織は馬の彫像を巡って対立しており、李連杰は尊龍のもとで黙々と任務をこなしていく。
ところが彼は2つの組織を潰し合うよう仕向け、まず最初にトライアッドを撃破。返す刀で自分の本当の雇い主だったヤクザも崩壊させた。“ローグ”の意外すぎる正体が明かされる中、ついに戦いは最終局面を迎える…!

 本作は『ザ・ワン』で直接対決の機会を逃した李連杰とジェイソンが、6年越しのガチンコ勝負を実現させた注目の一品です。ただし巷での評判はあまり宜しくなく、実際の作品も粗の多いものとなっていました。
まず日本にまつわる描写が例によってトンチキだし、ストーリー自体もあってないようなもの。“ローグ”の正体も色々と無理がありますが(そもそも検死の時点でバレるんじゃ…)、個人的には許容範囲内でした。
 しかし問題なのがオチとそこに至るまでの展開で、決着が付く前にダラダラとエピローグ的なシーンを見せられるため、肝心のラストバトルが蛇足に見えてしまっています。
そのラストバトルにしても、終わり方があまりにも呆気なさすぎて釈然としません。せめてラストバトル→エピローグ→最後に走り去る映像でENDという順番なら、描写が足りなくても形にはなったと思うのですが…。

 期待していた格闘シーンも非常に少なく、ジェイソンに至っては立ち回るのが後半からという焦らしっぷり。対する李連杰もあまり闘わず、銃撃戦ばかりが続くので非常にヤキモキさせられます。
本格的な見どころはクライマックスからですが、李連杰VSケイン・コスギは速攻で終わってしまうし、肝心の李連杰VSジェイソンも徒手格闘が少ないので中途半端な印象を受けました(日本刀を使った李連杰VS石橋だけはそれなりに良し)。
 また、いかにも強そうだったデヴォン青木が一向に動かず、肉弾戦が得意と言っていたジェイソンの相棒が何の見せ場もなく死ぬなど、アクションシーンでも描写の不徹底ぶりが見受けられます。
キャストや人物造形など、素材は良いのにそれを生かせなかった作品の典型。のちに李連杰とジェイソンは『エクスペンダブル』で再共演し、見事なアクションと存在感を発揮していましたが、もう一度だけ2人が戦う作品を見てみたいですね。

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