昨日のおまじないが効いたのか、昨日は日経平均、NYとも急反発しました。
宮沢賢治畏るべし、です(笑)
ただし金融と不動産セクターだけは蚊帳の外で続落という状況です。
なかでも悲惨なのがJ-Reit。
ついに日本レジデンシャル投資法人 は予想利回り55.75%になってしまいました。
つまり市場は「2年はもたない」と思っているということですね。
日本レジデンシャル投資法人の格付け見直しについて
(平成20年10月24日 日本レジデンシャル投資法人・パシフィックレジデンシャル株式会社)
本日、本投資法人の格付け機関であるムーディーズ・ジャパン株式会社より、本投資法人の格付けをBaa3に引き下げた上で更なる引き下げの方向で見直しをする旨の発表がなされました。これは、本投資法人が資産の運用を委託するパシフィックレジデンシャル株式会社の主要な株主であるパシフィックホールディングス株式会社の業況や信用力が今後の本投資法人の財務運営にストレスがかかる可能性があるとのムーディーズの見方を反映したものです。
(中略)
資産運用会社は、パシフィックホールディングスの業況が本投資法人の運用および諸契約に対して大きな影響を及ぼすことはないと考えております。本日現在、パシフィックホールディングスと本投資法人との間には、金銭債権債務の関係がなく、パシフィックホールディングス固有の問題は本投資法人の運営に直接支障をきたすものではございません。
と火消しに躍起になっています。
しかし親会社の信用力以前に本体にも問題がありそうです。
資産運用報告書を見ると、平成19年9月27日にみなとみらいにある「パシフィックロイヤルコートみなとみらい アーバンタワー」という物件を117億円で取得する契約を結んでいて、まだ引渡しを受けておらず、「平成20 年11 月末日を越えない日までに本投資法人が売主と別途合意する日に取得する予定です。」とされています。
(さらに、この売主は「特定目的会社PDみなとみらい」となっていておそらくパシフィックホールディングス関係のSPCだと思うので、「パシフィックホールディングスと本投資法人との間には、金銭債権債務の関係はなく」というのも微妙な書きぶりといえます。)
大型物件を先物買いして決済ができない、というパターンは先日破綻したニューシティ・レジデンス投資法人と同じですね。
さらに平成20年11月28日返済期限の20億円の借入金があります。
本来だったら資産規模から考えると借り換えは容易な金額でしょうが、これも当初三井住友銀行が20億融資したものを全国信用協同組合連合会に10億、北洋銀行に5億売り抜け譲渡しているので、これらの会社のリファイナンスは期待薄そうですし、今さら火中の栗を拾いに行く金融機関があるか、というところも問題です。
市場も2年どころかあと一ヶ月が勝負と見て売られている、ということなのかもしれません。
では日本レジデンシャル投資法人はどうすればいいかというと、やはりニューシティ同様民事再生、というのが一番いいように思います。 そうすればみなとみらいの売買契約も解除して違約金もとばせますので。
でも、今回ニューシティと違うのは、売買相手がパシフィックホールディングスの(おそらく)出資する会社であり、投資法人のいわゆるスポンサーで、かつ運用会社(パシフィックレジデンシャル)の親会社あることです。
上のリリースのように金銭債権債務の関係はないとはいうものの、民事再生の申し立ては売主であるSPCやひいては(おそらく出資者であろう)パシフィックホールディングスにも影響を与えます。(というわけでパシフィックホールディングスの株価もこんな感じです。)
投資法人の執行役員も、もとはパシフィックホールディングス・グループとして雇われたのでしょうが、親が子に弓を引くか、躊躇して投資法人をデフォルトさせれば個人の責任を問われるという厳しい立場に立たされたわけです。
海の藻屑となってしまうは誰なのでしょうか。
はたまた奇跡の大逆転のシナリオはあるのでしょうか。