一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

春画展

2015-12-26 | うろうろ歩き
永春文庫で開催の春画展に。

せっかくなら事前に勉強しようと「美術手帖」10月号の春画特集を買ったのですが、忘年会シーズンでなかなか読む暇がなく、また、パッと見のインパクトがあるので通勤電車の中で読むわけにもいかず、結局読み終わったのが12月も下旬になってしまいました。


大行列。



最終日のためもあるのだろうが、行列の横に仮設トイレがあったので、期間中ずっと人気だったことがうかがわれる。

展示会場が狭いので、入場制限しているのも行列の理由の一つだろう。




展示は、解説も充実していて、絵師ごとの特徴や時代による装丁やモチーフの変遷もわかりやすい。

基本は性器と交合の様子をきっちり描く、ということのようで、多くが現実的には無理があるであろう体位で描かれてる。
また性器も女性器は精緻に、男性器は誇張されて描かれているのも共通の特徴。

そして詞書も面白く、特に北斎は擬音語の使い方が秀逸で、まさにエロの王道を行っているし、現在のエロ漫画(劇画)に脈々と受け継がれているように思う。
実際、床にくしゃくしゃになったチリ紙が散らばっていたりと(この当時は貴重品ではなかったのだろうか?)妙に親近感を持つものも多かった。


この展覧会は、大英博物館で特集されたのを受け、本家の日本でも後れを取るなと企画されたものの、多くの美術館で断られ、永春文庫(細川家に伝わる歴史資料や美術品を展示する博物館)が引き受けたという経緯らしい。

この手のものは「藝術だ!」と大手を振って表通りを闊歩するよりも、裏路地でこそっと見せながらお上もそこには片目をつぶる、というバランスがいいと思うので、今回の展示は場所も含めてよかったのではないか。


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