一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

内向きの競争意識

2004-12-23 | あきなひ
7時半に目覚ましをかけたが、辺りはまだ暗い。
しかし街は動き出しているようで、下の通りをバスが走る音が聞こえる。

8時半ごろ2階のホールで朝食。
ホールの壁面・天井は一面に装飾が施されていて重厚感たっぷり(写真はそのホールの壁面から天井にかけてのもの)。

コンチネンタル・ブレックファストと思いきや、ソーセージ、ハム、チーズ各種にスクランブルエッグなどもあり、フルーツも充実している。
ここ2食は機内食だったせいもあり、とてもうれしい。

ホールが広い割りに朝食をとっている人が少ないのでちょいと寂しい。これは寝坊したせいなのか、オフシーズンで宿泊客が少ないせいなのか?

日本人客が結構多い。クリスマスシーズンに旅行に出かけるのは日本人くらいなのだろうか。

ところで日本人客と廊下ですれちがった時に「おはようございます」と挨拶をすると、ちょっと怪訝な顔をされる。

昔から日本人は海外旅行の旅先で日本人に会うのを嫌うような感じがする。

わざわざ海外まで来て日本人に会いたくない、という気分もわからないではないが、まったく会わないというのは自家用機で行くとかホテルを貸切にでもしない限り無理な相談だ。
これは「私はあなたのような観光客丸出しの人とは違うのよ」ということなのか

こっちは別に馴れ馴れしくつきまとおう、とか友達になってくれというわけではないので、挨拶くらい返してくれたっていいと思うのだが・・・
どうも日本人同士には微妙な距離感があるような気がする。



「日本人同士の距離感」ということでいきなり話は変わるが、日系の華僑の人の話では、中国でビジネスをしていても日本企業は日本企業間の競争とかどうも内向きのことに関心が行くらしい。
「商売をどう成功させるか」よりも「どう日本のやり方で仕事ができるか」を優先させてしまう。
それでたとえば「日本語の話せる中国人」を雇うことを優先し、日本で中華料理屋で皿洗いをしていたような、ビジネス経験のない、単なる調子のいい人間を雇って痛い目にあったりする。

一方で、ビジネスの関係なのに日中戦争や靖国神社の話を中国人相手に始めてしまい、関係を悪化させる人も多いとか。
そんなのは百も承知だろうに、日本人には中国に行くと日本を代表して戦後問題を議論したがる人が多いらしい。
しかし当然のことながらその日本人は日本政府の代表でもないし、中国側もビジネスをしにきているだけで、たとえそれが役人だとしても(だとすればなおさら)政府の外交政策についてコメントできるわけがなくい。
結局そこで壁ができてしまう。

華僑氏曰く、中国人や中国に進出している他の外国人と渡り合うためには、当たり前だが「中国においてどういうビジネス(平たく言えば金儲け)をするのか」を中心に考えていかないといけない。そもそも中国人はタフネゴシエーターだし、アメリカ人もgreedyななかで、日本人同士の足の引っ張り合いをしている暇はない、とのこと。


また話は変わるけど、不況下で「成果主義賃金体系」を導入した企業が増えているが、なかなかはうまくいかない、という話をきく。
これもそもそもの導入の動機が、年功序列主義を排して、賃金原資を維持しながら成果をあげた従業員により多く配分することで組織のモチベーションを上げ、生産性を向上させようとういうものだった。
ところがよく考えてみると、原資=総額が変わらないのであれば結局従業員間の賃金変動はゼロサムゲームになるので、外部に向けて成果を上げるよりは内部で足の引っ張り合いをして自分のポジションを上げたほうが効率的だ、ということがわかる。
なので、現状の成果主義体系は「ボクは、ワタシはこんなによくやりました」という幼稚園児の発表会のような内部で褒めてもらうための競争をもたらしているだけなのではないだろうか?


話がとりとめもなくなってしまいましたが、内輪同士でつまんないライバル心を燃やすよりは、協力して外から何を得てくるかが大事だよね、という話でした。
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