アスリート 未来にむかって走る

「日常のすべてが被写体だ。必要なことは好奇心と想像力」をテーマに綴っていきます。

こんな医師に出会いたい (^_^.)

2008年12月18日 | Weblog

がんの治療は手術、放射線、化学療法ですが、心のケアも重要なファクターであると最近重要視されはじめました。

この心のケアについてT大の腫瘍内科医師がすばらしい発言をしていました。

「がん難民をほんとうに救うには、患者さんにむやみに治療を提供するのではなく、人間にとって死は避けられないということを、まず納得してもらわなくてはなりません。医師が患者さんの心に寄り添って一緒に不安を受け止め、生老病死の現実と医学の限界を踏まえ、患者さんが荒海の中を自力で泳ぐのを、ささやかにサポートすることが必要だと思います。希望、安心、幸福・・・・こういったものこそ医療の本質です。
ですから私は、仮に有効な治療法がなくなっても、患者さんを突き放すつもりはありません。がんになるとどうしても、病気や治療のことしか考えてはいけないと狭い考えに陥りがちです。そのため、もう有効な治療がないと医師に言われると、患者さんは絶望してしまいます。しかし、よく考えれば、病気や治療はあくまでも人生の一部にすぎず、他にも楽しみがあるはずです。患者さんにそれを探してもらい、医師である私は、そんな患者さんを最後まで看取りたいと願っています」

このような考え方の医師に出会ったら幸せだと思います。さらに、

「これまでたくさんの患者さんの最期を看取ってきました。死を不幸と決めつけてしまえば何も残りませんが、幸せな最期というものはやはりあると思います。それを背負うのは患者さんとその家族ですが、それを少しでもサポートするのがわれわれ医師の仕事だと思っています」

とまで言い切るのがすごい。

がん患者とその家族の心のケアに携わる者の基本姿勢として、医療関係者ばかりでなく私のような精神対話士も心にとめておきたい発言ですね。