春日部市立図書館から“宇宙エレベーター”という本を借りっぱなしです。
読もうと思いながら、進まない。もう返さなければいけない。期限はすぎています。
この“宇宙エレベーター”は、“こうして僕らは宇宙とつながる”とサブタイトルがついています。著者はアニリール・セルカン。東京大学大学院の助手さんです。
“宇宙エレベーター”というタイトルを見ただけで借りたのです。
SF界の巨匠という書き方は好きではないですが、“2001年宇宙の旅”を書いた、アーサー・C・クラークが、1979年に書いた“楽園の泉”(The Fountain of Paradise)を思い出したのです。
赤道上空に静止させた通信衛星の3個があれば、地球上すべての場所から通信ができるという提案を、1942年に発表し、通信衛星の基本原理を発明した人とされている。その提案から、30年たって実現し、今や、世界の通信は、衛星の通信・放送利用なしには考えられません。
1970年代後半は、私自身が、仕事(!)で通信衛星の利用を追っていた頃でもあったのです。アーサー・クラークの新作“楽園の泉”を、SF(サイエンス・フィクション;空想科学小説)というより、未来学者の提言・予言のように読んだのです。
アーサー・クラークは、赤道直下近くのセイロン島に居住しています。そのセイロン島(スリランカ)の高い山の上の寺院の塔を天に伸ばしていく話なのです。そして静止衛星と地上をつなぎ自由に行き来する“宇宙エレベーター、軌道エレベーター”になるのです。
・・・・・よくわかりませんでした。読みきったとも思っていません。
しかし、ひっかかる言葉にはなったのは確かでしょう。
それから、24,5年後、再び宇宙エレベーターの本に出会ったのです。
ただし、サブタイトルの“こうして僕らは宇宙とつながる”という思想・ビジョンをわかりやすく述べたとしています。宇宙エレベーターを解説したものではありません。ただ、著者がNASAの宇宙エレベーターのプロジェクトに関わっていること、そのプロジェクトは、2062年建設開始を目指していることを知りました。それでもまだまだ、SF世界のような気がしています。
この本の内容もまた、よくわからなかったし、若者(1973年生まれ)の自由な発想であったのでしょうが、共鳴するものは、あまりありません。もう図書館に返してしまおうと思っています。
【おまけ】
*アーサー・クラークの静止通信衛星の原理を提案した、Wireless World 1942年10月号 EXTRA-TERRESTRIAL RELAYSから、基本原理の図を引用しておきます。 これは、理解できます。