“原子力明るい未来のエネルギー”原発誘致に頼った県行政、町行政(2011.4.25)

2011-04-25 22:14:58 | Weblog

*〝原子力の明るい未来のエネルギー”(双葉町)

 311大震災大津波は自然災害、天災です。“つながろう!東北”の気持ちはワタシにもありますが、福島第一原発事故は人災です。今や想定を超えた・・というのは通用しません。世間はもう完全に人災と断定しています。だからやりきれません。

 311から間がない頃、NHKのニュースのような番組に、双葉町の看板というかゲートに、原発と一緒にいこうとの町の決意を表した映像がよく登場していました。

町民の気持ちだから、このブログにその写真を載せたいと思って、テレビ見ながらデジカメを用意していたのですが、320日頃から全然見なくなりました。

 ひょっとして、<今となっては、ふさわしくない、まずい>の気持ちがNHKに働いたのかもしれません。

 でも、その看板は、町と町民の姿勢をわかりやすく示した写真です、百聞は一見にしかず、です。

 こういう時のネット頼みです。いくつか出てきました。

*“原子力正しい理解で豊かなくらし”

*〝原子力明るい未来のエネルギー”

 福島第一原子力発電所の1,2,3.4号機は大熊町に、5,6号機が双葉町にあります。この種のゲートは、双葉町ばかりのようです。

 

 原発を持ってこようとしたのは、1960年代初め、福島県です。その原発を、双葉町と大熊町の建設することをすすめたのは、町民でも町でもない、もっと上位の力・機関でしょうが、両町議会は、全会一致で決定しています。

 1960年代は、あちこちの海を埋め立ててコンビナート作りが真っ盛りの時期です。すでに原発計画があったのです。高度経済成長戦略に乗り遅れた福島県といえるかもしれません。

 従って、最近の全国の市町村で起きている“まちおこし”とは、ちょっと違うようです。

 今、全国的に、高齢化、税収不足から、まちに活力を持たせるため、企業誘致や大型商業施設誘致合戦です。それでも、本質は同じでしょう。原発誘致です。県行政も、町行政も、原発誘致に成功したといえるでしょう。

 全国の原発は、過疎地にあります。過疎地は、地域振興に原発に頼ったのでしょう、頼らざるをえなかったのでしょう。

 たしかに、県も市町村も国からの多額の特別交付金がでます。地方税の税源にもなるでしょう。豊かな町になったでしょう。福島県や佐賀県では、原子力発電所の稼働にかかる県税として“核燃料税”も果たしていると報道されています。これは、ある意味、危険リスクの代償の性格もあったでしょう。

 

 その町あるいは福島県にしてみれば、原発誘致は失敗失政といえるように思うのですが、今、原発事故になってさえも、そう簡単には言えないのでしょう。誘致から50年もたっているのです。 

*“地球にやさしいエネルギー原子力、人にやさしい大熊町”(大熊町) 

*“原子力郷土の発展豊かな未来”と掲げてあります(双葉町)、今となっては、空しいスローガンです。いつまでも取り壊すことなく“記念物”として保存されるでしょう。

 原子力発電は国策です。いつの間にか国策になっていました。国民の意思であったのかどうかは、疑わしいですが、国策だったのです。

 

 【おまけ】 

*日経ビジネスの広告、日本経済新聞2011年4月25日朝刊5面

*東電の罪と罰、原発の歴史は「ウソ」と「ごまかし」の連続。週刊誌ではあるが、日経ビジネス(4月25日号)です。ここまで、大胆な見出しでいいのかなあ

*事故前には、このような記事、安全性を疑う記事には、電気事業連合会が徹底的に抗議書を送りつけてきたようです。それは「報道統制」を思わせたといいます。その抗議の恐れがなくなったのかもしれません。
*今、原発が安全だと思っている人は誰もいないでしょう。

 

【おまけー2】

*雑誌「世界」(岩波書店)は一貫して、原発に警告してきました。最新の5月号も、すぐに買ってしっかり読みました。ここでは、事故前の1月号に載っている、福島原発を誘致した“双葉町”についてのルポルタージュを紹介します。
*タイトルは、「原発頼みは一炊の夢かー福島県双葉町が陥った財政難」、岩波書店は、事故後にネットに無料公開を始めました。
http://www.iwanami.co.jp/sekai/2011/01/pdf/skm1101-3.pdf

 


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4 コメント

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Unknown (Mauinokaoi)
2011-05-02 02:50:51
アメリカでは原則、原発は地震のある場所には造らない、近くには人は住まないです。
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Unknown (f(Mauinokaoiさん))
2011-05-03 00:06:05
大震災と大津波の被害が、原発事故でかき消された感じですね。
政官財で、原発安全で突っ走って、それに対する意見を徹底的に排除したようですね。
(f)
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双葉町の苦悩 (とししゅん)
2011-10-27 15:57:16
岩波の一文はつい最近別なところで読みました。
交付金をあてにせず、町の本当の意味の再生を願いながら、ずるずると交付金目当てに引きずられていく、悲しい町政が描かれていました。

こんな現実を生みだしたのが我々大人の責任です。
原発立地自治体だけの責任ではありません。
ともに歩みたいと思います。
が、しかし、玄海原発にゴーサインを出した佐賀県の古川知事、泊原発3号基を3・11以降に稼働させた、北海道高橋知事、福島第1にプルサーマルを導入させた現佐藤知事などは許しません。人殺し人間たちです。
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どこのドイツ (ガーゴイル)
2021-01-20 13:07:32
福島第一原発が建設されたのは本当は1980年である。
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