365の短歌っぽいブログ 少しの笑いをリズムにのせて

少しの笑いをリズムにのせた365このお話

30 カントリーロード by bicycle

2015年08月28日 | 日記
赤ちゃんが
産声をあげる数時間前

妊婦さんと
その息子さんたちとで
「耳をすませば」
をみました
中学生の甘酸っぱい初恋物語と
主人公の歌声が
彼らの心をくすぐります

カントリーロードを
あやふやながらに口ずさみ、
「好きだー!!だって!
恥ずかしいばい!」
と満面の笑み

なんてまっすぐな子達なんだ
魅力的な彼らのおかげで
楽しいひとときでした


出産も一段落した数日後
お世話になっている家を一度離れ
阿蘇の旅に出ることに

雨の予報もなんのその
チャリにまたがり
旅にでる

やるときはやる、
女ばい


チャリで峠を越えていると
想像以上の雨が襲ってきました

びちょびちょになりながらも
ペダルをこいで
どーにかこーにか
使われていないバス停を発見
雨宿りすることに

やむのを祈りながら
カントリーロードを口ずさむ

まるで遭難した冬の山小屋で歌うような
むなしい空間がそこにはあった

もう帰りてぇ
歌詞がやたらと身に染みる


1時間も経った頃
「これ使うかー」
軽トラに乗った見知らぬおじさんが
話しかけてきました

おじさんは
自転車と途方にくれる私をみて
カッパを持ってきてくれたのです!

「返さなくていいったい」
と3度唱えて去りました

沁みるのは
わさびがつんと
きただけと
霞む荷台に
いいわけひとつ


ありがとう
本当にありがとう

照代……

これから使う予定だったのか
マジックで名前が書いていた

あなたの分までしっかり着ます

それから張り切り
ペダルこぐこぐ
カントリーロードをエンジンにして

やるときはやる、
女ったい


またね!

29 うまれる

2015年08月24日 | 日記
熊本にきた一番の目的
それは「出産」というものに
立ち会えるチャンスが巡ってきたから

これって凄いことだなー

初めて会ったのにも関わらず
「自宅出産するから来たかったら来てもいいよ」
と言ってくれる方に出会ったのです

お腹も器も大きな
妊婦さん

その言葉を鵜呑みし
北海道からのこのこ行きましたよ
予定日はあっても
いつ産まれるかもわからぬ
状態だったので
2週間お世話になることにしました
勝手にね!

体の割に
態度が大きい
自分です


予定日の一週間前のある日
妊婦さんにとって
ほんのひとときの
優雅な時間を一緒に過ごしました

温泉へ行ったり
湧水巡りをしたり
カフェランチしたり

壮大な青い空と緑色に染まる稲穂が
私たちを温かく包んでくれていた

その帰宅途中
突如激しい雨風と落雷に襲われ
鉄道沿いの古びた駅舎で
2人で呆然と
全てが灰色に染まる情景を
ただひたすらに見つめていた

見つめていたら
確信してきた

雷鳴と
産声重なる
雨宿り
穂揺れる里に
咲く日もうすぐ


「マチャアキですよ!!この風景は!!
元気な子が絶対今日産まれるはずだ!」
と叫ばずにはいられなかった

だってあのシーンが……
あのシーンが思い起こさずには
いられない!!
古びた記憶からよみがえった産まれるシーン

改めて映像みたら超失礼


しかし予感は的中
その日に陣痛が始まって
本当に愛らしい
三蔵法師のような
ツルリとした赤子様と
対面することができました

あの瞬間の輝きを
言葉では現せないな
けっして

南の大地らしく
陽気な温かさと雄大さをもつご家族
貴重な時間を共有させてくれた
皆さんに心から感謝します

いつか成長した君にも
ありがとうを伝えられたらいいな

またね!

28 初九州 ~やさしさに包まれたなら~

2015年08月05日 | 日記
8月
今年の夏は九州は熊本へ!


降りたとたんに
ムワッとした空気に
包み込まれました

プラス
九州の方たちの人間身のある温もりにも
包まれました

なんだろう
愛しくて懐かしい
この感じ
それがかえって
泣きそうになる
この感じ

バックミュージックは
ユーミンに決定

お世話になってる南阿蘇村の家では
鍵かけて寝ないし
子供はその辺で気ままに
立ちション
定時を告げる
たどたどしい
市民アナウンス

もう自分の生活環境には
ないものだと実感するから
こみあげてくるものが
あるのかもしれないなぁ


沸き上がる
この感情を
スポンジで
そっときゅうしゅう
漏れることなく


忘れられない日々になる
きっと
体にしみつけて
北の地へ運んで帰れますように

またね!