365の短歌っぽいブログ 少しの笑いをリズムにのせて

少しの笑いをリズムにのせた365このお話

19 あん

2015年05月31日 | 日記
公開初日映画を見ました

樹木希林主演「あん」

希林さんは
言葉にユーモアと程よい毒があるから
見てると偽りがないと感じます

あんな風に年を重ねたいなぁ


映画入ってびっくり
客席白髪率高っ

上映前のコマーシャルの時間帯が
こんな静寂に包まれたのは
「おくりびと」以来

暗くなったら
ペチャクチャしないのだな
というか
喋ることに力を使わない
これが年を重ねた大人スタイル



映画は
何かを背負った目で黙々と働くどら焼屋の店主と
自然や食物の声にも耳を傾ける
徳江さん
そしてそのどら焼屋で起こるひとときを
切り取った映画です

いるよな、こんなこという婆さん
と笑う部分も結構あるのだけど
その樹木希林演じる徳江さんの魅力が
なんと愛しいことか
それが伝わる人には
かなり胸に響くものがあります

そしてこの映画
映画館でみると
日常の自然がとても綺麗
太陽の光や木の息吹きに
透明感があります

あまりテレビに出ない彼女が
最近頻繁に番宣してる意味を
映画をみて悟りました

春風を
背中に背負い
くだり道
濾(こ)せない想い
ふと、しあんする

話の冒頭は
こんな感じで始まります
ぜひ今の若い人にも見てもらいたいな


エンドロール終了後
映画館からでる
階段でのもたつき
半端ねぇ
動作は焦らずゆっくりと
これが年を重ねた大人スタイル



またね!
























18 NEW上司

2015年05月28日 | 日記
職場の上司が代わりました
ハキハキしたスポーツマンタイプで
とても綺麗好きな方です

生理整頓当たり前
なんと机にも除菌シートが!!


豚小屋と言われたことのある
我が部屋をみたら
びっくりするだろうなぁ


そして独り言も
ダイナミックにガッツリ言います

「ということは?」
とか
「ふぁー、そうか、そうだったんだな!!」
とか

私はラジオとして楽しんでいたけれど
他の人にとっては騒音だったようです


上の方から注意されたようで
いきなり静かになったラジオ上司


しかし
独り言がなくなると今度は


「ぐはあっ……かはぁっ!!

ごふぇっ!!!」


…………

タン
絡みやすくなったみたい
喋れなくなった皺寄せが
ここにきてしまったようです

内臓までもが出そうな
必死な咳き込み



こっちの方がえらい耳障りなんだが?



静けさを
切り裂く上司の
ししおどし
喉につかえた
思いを悟る


やられたらやり返す
例のドラマを思い出した


土下座して
喉の除菌してもらうしかないな



またね!









17 ジジ殺し

2015年05月21日 | 日記
バスでよく会うじいさんがいる

顔にあるでっかいおできのせいで
イボじいさんと呼ばれている


顔をみれば会釈をする仲になり

ある日は
とうきびをくれたり
またあるときは
メロンをくれたり


笑顔一つで
貢がせる
これが
「ジジ殺し」

日本酒みたいな
称号
いただきました

たぐいまれなる
才能を兼ね備えている
自分



昨日車内でまたイボじいさんに
おいでおいで
されました

「片方だけど、これやるよ」



貢ぎ物
それで自分の
価値測る
そんな私を
知るよしもなく




イヤリングの付属品

私の価値
こんなちっぽけじゃない
断じて

のみ込みましたよ
「どこで拾ったの?」って……

いつまでも差し出す
震える右手
受けとらんと
こっちが殺られる気がした

ヨン様ばりのとろけた笑顔で
受けとりましたが
残念ながら
使うこと二度とないなぁ

本当にすみません

宝箱という名の
ゴミ箱に
フライアウェイ
するしかなさそうです

気持ちだけ受けとるって
日本語
実行


またね!

16 しりとり

2015年05月13日 | 日記
小学1年生と「しりとり」をした

「る」から始まったのだが、1年生にとって「る」の壁は高い


「る・る・る・る… うー…」
しかめ面で考える少年の姿がかわいい

「るー…あ!ルイが動いた はい次!た だよ」


…ルイってなに?何世の人?
そして、しりとりの常識を覆す文章パス渡し

永遠に終われないだろうが


1年生でもきちんとしりとりをできるようになれ
私は首を横に振った


その後、なんとか彼は「るー!!カレーのルー!!」
と「る」返し

「はい、私の番ね。ルール 次また る だよ」
「@¥%&$#!!!!」
彼は発狂しました

つぶらな瞳と光った鼻水
なんてからかいがいのある子なんだ

「しょうがないなぁ。じゃあ留守番電話の わ!」と言うと
「えー!わ?わ・わ・わ…」


しばらくぶつぶつぶつぶつ言いながら考えた後
「忘れた!のた!」

このはなたれ小僧!
何も学んでいないじゃないか

固有名詞という言葉を理解させるのって難しいものだ

「だからね、そういう言葉はダメなの
 物の名前じゃないと」

というと

「わ・わ・わ…うー…」



「わ…忘れ去られた宿題。はい、次 い だよ!」



かっこいい形容詞つけよった


気づくと
元気よく
「いちご!」
と答えてしまっていた私がいました



はなたれた
君の言葉におどろいて
緩める口と
しりとりルール

またやろうね!

15 気持ち、わかるよ

2015年05月13日 | 日記
「もう6年生でランドセル背負ってるの私しかいない」
少し切なく女の子は言った

今の時代
犬までおしゃれに気を遣う始末
大きな背中に鈍く光るランドセルは
確かに少し浮いてみえる

気持ち、わかるよ


小学生の頃
アディダスのスリーラインジャージが
学校で大流行してる時

すそがゴム絞りのジャージ着てた
手足の袖口が
ゴムでしまって痒かったな……


みんなが上下に分かれた
スノーボーダータイプのスキーウェアを着てる時

ウエスト周りすぼまった
つなぎのスキーウェアでした
一回りも離れた
兄のおさがりだったなんて
誰にも言えなかった……


欲しい物
言えばこれある
じゃないのと
出たおさがりに
テンションさがり


物持ちがいいのは
大切に扱ってる証拠

大人になったら
この切ない経験が
きっと誰かを思いやることに
役に立つ日がくるからね
今の私のように……


そう心で呟き
微笑んだ


途端、
「前のランドセルはぶん投げたら
壊れてさー!」



まさかの2代目ランドセル!!


この子
裕福じゃん……と
仲間意識は
脆くも崩れ去った

同情したから
お金くれ!


またね!