この『人間はなぜ人間か:新しい人類の地平から』は、日本福祉大学(当時)の江原昭善さんが人類学について書いたものです。1998年に、雄山閣出版から出版されました。
本書の内容は、以下のように、全5部24章からなります。
第Ⅰ部.「人間」概念確立の足取り
第1章.「人間」をどう把握するか
第2章.ギリシャの人間観
第3章.ソクラテス、プラトンの思想をめぐって:人間のアレテ
第4章.ユダヤ教・キリスト教が人間観に及ぼした重要な影響
第5章.ルネッサンス期の社会的個人
第6章.人間観をめぐる啓蒙思想とロマン主義との対立
第7章.大航海時代と諸大陸の発見による「人類」概念の芽生え
第Ⅱ部.「人類」の概念が登場する
第8章.生物分類学による「人類」概念の確立
第9章.ダーウィンの進化論と人間
第10章.人類の近代的概念の確立
第11章.ダーウィニズム以後の人種論議
第12章.文化とパーソナリティ論
第Ⅲ部.自然人類学による「人間」の概念の拡大
第13章.化石資料に裏付けられた人類起源論
第14章.霊長類学の誕生と人間観の変化
第15章.哲学的人間学の新しい課題
第16章.生物進化のパターン
第17章.知の源流を求めて
第18章.アナゲネシスから見た人類進化
第19章.ハビリスに人間性の萌芽(ヒューマニゼーション)を見る
第Ⅳ部.「人間」を掘り下げる
第20章.観念の形成
第21章.論理階型とダブル・バインド
第22章.人間の生や死は文化現象
第Ⅴ部.現代人を取り巻く状況と未来への展望
第23章.「環境」問題を考え直す
第24章.人間観の新しい地平
本書は、比較解剖学・人類進化学・霊長類学を研究してきた、著者・江原昭善さんが幅広い分野から「人間」について考察したものです。