ひまわり博士のウンチク

読書・映画・沖縄・脱原発・その他世の中のこと

訃報 木下順二/実相寺昭雄

2006年11月30日 | ニュース
 今朝新聞で、僕にとって印象深い二人の人が亡くなったことを知りました。

Kino 木下順二さんは僕が新劇に関わっていたころ憧れの人で、さまざまな舞台を見る度に、その台詞の美しさに感動したものです。
 とくに山本安英(やまもとやすえ)さんの名演で名高い『夕鶴』は公演の度に見に行きました。
 『夕鶴』という作品は、民話の「鶴の恩返し」を舞台化したもので、最初「ぶどうの会」として、解散後は「山本安英の会」としてたびたび上演され、その公演回数は千回をこえるといわれます。

1_4
2_5

 写真上は「つう」の山本安英と「与ひょう」の桑山正一。下は「つう」と子どもたち。ともに木下順二著作集第1巻に掲載のもの。

Photo_104 ベストメンバーで録音された『夕鶴』のLPはまさに家宝。つう役の山本安英さんも、与ひょうの桑山正一さんもすでに故人です。
 桑山正一さんとは一度テレビで共演したことがあって、そのときの傑作な逸話がありますが、訃報の記事に入れることではないのでまたの機会に。

1_5 未来社発行の『木下順二作品集』はリアルタイムで購入したものですが、今は絶版のようです。

 「沖縄」「子午線の祀り」などなど、心に残る作品が多数あります。
 岩波文庫の4冊が比較的手軽に入手できます。
 『夕鶴・彦一話 他二編 木下順二戯曲選(2)』『子午線の祀り・沖縄 他一編』『風浪・蛙昇天 他一編 木下順二戯曲選(1)』『オットーと呼ばれる日本人 他一編』。




Photo_105 実相寺昭雄さんは、実はウルトラマンの監督としてではなく、新宿アートシアターで上演された『無常』で知り、翌年の『曼陀羅』でファンになりました。
 この2作品の印象があまりにも強烈だったので、その後の作品はなんとなく物足りなくて、そのまま見なくなってしまいました。
 京極夏彦原作の『姑獲鳥の夏』も実相寺さんの監督作品。すでに本を読んでから見に行ったせいかあんまり印象に残っていません。
 しかし、このさい『無常』『曼陀羅』とともにもう一度見ようかと思います。
 『無常』のラストシーンで、ヒロインが子どもといっしょに階段を上っていくシーン、『曼陀羅』ではなぜだか主人公が旅立つときに書店で岩波文庫の『万葉集』二冊をさっと抜き取って買って行くシーンが眼に焼き付いています。
 『無常』と『曼陀羅』のアートシアターのパンフレットを所蔵していたはずで、探したものの見つからず。もし見つかったらここに追加で掲載します。印象的なワンシーンのスティルも掲載されていたはずなので。

 しかし実相寺さん、69歳はちょっとせっかちだなあ。僕の父親が死んだ年と同じだ。 合掌

◆あなたの原稿を本にします◆
詳しくは
こちら
または直接メールで galapyio@sepia.ocn.ne.jp まで



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。