外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

スイス中央銀行が久しぶりにスイス高をけん制

2014-06-19 19:09:42 |    -スイスF

 確か昨夜も同じニュースを見た気がしますが、本日のロイターWEBニュースによれば、スイス中銀(SNB)のジョルダン総裁は、スイス高に対して懸念を示した旨の報道がありました。

実は2011年夏に遡りますが、スイスフランが急騰した際、SNBは1.2000という対ユーロのレートを明示した上で、スイスフラン高に対して無制限介入を宣言した経緯があります。その時の安値の1.0090前後から約2か月間で本当に1.2470前後の高値に持ち上げました。

それ以降、幾度か中央銀行に挑む動きがあったものの、ことごとく跳ね返され、以降のユーロスイスは半ば管理通貨制度下に置かれたようなものとなり、トレードペアから外れていました。

下のチャートは日足ですが、

 このところそこそこ上下に動いているようにも見えますが、日足にも関わらず価格の補助目盛は1つが10ポイントというスケールになっており、4月の最大値幅で100ポイント強という状態です。

今回のニュースによれば特に対ユーロで高いとの言葉は見受けられず、それが対ドルを指しているのかも判りません。ただ、中東の地政学リスクを背景に、ここ数日ですがスイス高に推移しており、事前に釘を刺してきた可能性も否めません。今回の発言?で、依然としてユーロスイスでは下値を支える意思があることが判り、介入プレイを楽しむのであれば1.2000近辺は買いということになります。

問題なのは、対ユーロで下支えることになると、スイス高に合わせてユーロの買い介入となります。特に今日の上昇は非常に疑惑が残る展開ですが、利下げを行ったばかりでユーロ安の圧力が掛かる中、スイス高に合わせてどこまでユーロを買えるのかは、非常に疑問です。勿論、ユーロ売りスイス売りで均衡を保つことも可能ではありますが、今度はリスク回避のスイス買いと戦わざるを得ないことになり、どちらもなかなか大変な作業に見えます。

最後に1.2000を示した月足を掲載致して置きますが、



もしスイス高が本格化した場合、ユーロ高という矛盾の前に、1.2000が決壊する可能性も無いとは言えません。最終的には日銀が勝利しましたが、つい先日まで日銀がドル買い介入をしても円高が止まらない時期が相当長かったことを思い出します。

 


Forex:ユーロスイス相場-マーケットレビュー2

2012-01-05 20:56:07 |    -スイスF

こんばんは、ForexTVジャパンの浅野です。

先ほど、FXフラッシュ1930の制作を終えました。ところで、マーケットレビューのブログ版ですが、お昼時点でのコメントを回想しながら書いていますので

少し時間感覚がずれていますが、毎回こんな内容でお送りしていることを、お伝えする意味合いもあり、宜しければ次回から番組をご覧いただけるとありがたく思います。
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では早速ユーロスイス相場ですが、日足チャートを掲載しています。



水平に引いた緑の2本線のうち下の線は、SNBが限界としている水準1.2000を示しています。このペアはSNBが水準を設定して以来、もはやトレーディング通貨としては機能していません。

現状は、ユーロの対ドル下落が強く、ドルスイスでのドル買いが追い付かない格好となり、上値が重く推移しています。10月初旬と11月初旬の下値に迫る状況ですが、万が一ここを割り込んだ場合、1.2000が次の下値目標となります。その場合にはSNBも黙ってはいないと思いますが、リスク回避行動が進んだ場合、結局は1.2000を試さざるを得ない展開も十分想定されます。

今後、ドルスイスがユーロの下落をカバーできるかどうかが焦点となりそうです。

では、次に債券と株を見てみましょう。
(続く)
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ForexTVジャパン
浅野





ユーロドル、域内の足並みの悪さを懸念-浅野の閃きFXテクニカル

2011-01-18 16:13:38 |    -スイスF

こんにちは、ForexTVジャパンの浅野です。

昨日の為替市場は米国が休場にもかかわらず、海外時間の中盤にかけて材料に事欠かない様子でした。

アイルランド中銀はもはやECBから借り入れを受けられない状態であるとか、格付け機関による格下げ報道、あるいは欧州委員筋からは支援プログラムの枠を拡大すべきとの発言がある一方で、不要論がドイツを中心とした複数の加盟国から噴出するなど、材料の悪さでユーロ売りが進んだというより、その足並みの乱れに対する懸念が強いようにも見えました。

一方米国はこれまで、中国との軍事協力を推進させたり、人民元の切り上げ状況を歓迎するなど、米中対立が軟化するように見えていた矢先、米中会談を前に中国筋からはドルの単一機軸通貨制度に危機感を表すコメントなどが出てきました。

確かに、バラまきを超えた領域で流動性を供給しているアメリカの金融政策は、中国のみならず全世界の脅威になっており、インフレ抑制に躍起になっている中国としては、いくら引き締めてもそれを中和するように海外からドルが流れ込んでは、身も蓋もない部分は理解できそうです。

幸い?米国市場は休場だったため、ユーロ売りだけが目立つ展開ですが、ドルの単一機軸に対する懸念は特に目新しい内容ではない分、一見ドル売りに見える材料も実は反応が薄いのかもしれません。

今日の閃きFXテクニカルは、そんなユーロドルドル相場を分析してみました。
よろしければごらんください。
http://bcove.me/npdb89c6


スイスフランが対ドル対円でピークの兆し-浅野の閃きFXテクニカル【ブログ版】

2010-12-16 16:34:04 |    -スイスF

こんにちは、ForexTVジャパンの浅野です。

久しぶりにアップデートした昨日のブログでは、最後にスイスフランの動きから、世界的にはリスク回避の動きが強まりつつある想定をしました。

米国債券価格が下落を続け、利回りが上昇するにつれ、ドル金利も上昇傾向が継続する中で、ドルスイスは下落を継続してきました。




つまり、金利高よりドル売りが勝っていたことになります。しかし、昨日はさすがに為替市場全体でドル買いが強まったため、対ドルでは前日の下げを概ね取り戻す上昇、対円ではスパイクトップを作り、ともにリバーサル・パターンを作った格好です。

メジャーな対円ペアはこのところ底堅いものの、狭いレンジで上下する中、スイス円は12月に入って83.09の安値から昨日の87.57まで4.40円近く、ほぼ一方的に上昇してきました。




スイス円での円安が、他の対円通貨で底堅かった一因になっていたと思いますが、その力をもってしてもドル円は84円台中盤で上値を抑えられていました。

スイス買いの動きは、特に対ユーロで強く、ユーロスイスとドルスイスとの比較においても、ユーロの方がドルより弱かったことが裏付けられています。

もし、スイス相場が暫く反転すると仮定した場合、スイス円からの円売りの圧力が一つ減ることが予想でき、各クロス円の下値は以前より硬さを失なう可能性があります。また、ドルスイスはドル買いに傾くことから、ユーロやポンドで進んでいたスイス買いがドル買いへシフトする可能性があります。だとすれば、ドル円は円高へと傾斜し、比較的底堅かったユーロドルやポンドドルもドル買い下落することで、クロス円の下落が強まる可能性が出ています。

下落していたユーロスイスやポンドスイスが単純に巻き戻されるだけなら、ユーロドル、ポンドドルの上昇になるのですが、このままドル金利の高止まりが継続すれば、そのままで終わるとは思えません。増してや、ユーロ圏の財政懸念が依然としてくすぶっており、スイスにシフトしていた資金がドルへシフトすると考えた方が自然に思います。

ForexTVジャパン
浅野 敏郎


追跡!930レポートをアップしました-YouTubeはメンテナンスで、暫くアップ不可

2010-10-12 15:50:14 |    -スイスF
ForexTVジャパンの浅野です。

先ほど、IMM残高分析と追跡!プロスティックス930レポートの番組2本をアップしました。
だた、今日はYouTubeがメンテナンスに入っており、現状はアップできない状況です。回復し次第、こちらにもアップしておきますので、いつもYouTubeをご利用の方或いは携帯動画をご利用の方は、暫くForexTVジャパンのWEBサイトの動画ニュースでごらんください。

さて、先週までは強いドル売り相場が継続しました。スイスフランも円同様に、対ドルでは強い通貨高になっています。
ユーロもここ3週間ちょっとで、ユーロ高が進みましたが、ユーロ円相場はユーロ高と、ユーロを軸に考えると、円安が進む局面もありました。通貨高は円だけではないことは周知の事実であり、割安なクロス円での円高余地はまだありそうです。

ProSticks930レポートでは、一時的に、ユーロ円上昇、ポンド円下落といった想定をする局面がありました。確かに不可能な流れではありませんが、非常に一時的な動きだと思い、個人的にはあまり賛成できなかったのですが、ここへ来て、ユーロ円は下落見通しに転じてきました。これで、メジャーなクロス円は下をみることで一致したことから、新たな円高バイアスがかかる懸念が出てきたように思います。

ForexTVジャパン
浅野 敏郎