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東京グリンツィング シェフブログ

フレンチレストランのシェフが紹介する季節の料理と食材

骨付き仔羊のロースト ナバラン風煮込みのカネロニを添えて

2007年03月17日 | メインディッシュ

本日は、先日変わりました春のメニューからの一皿をご紹介します。

骨付き仔羊のロースト ナバラン風煮込みのカネロニを添えてです。

冬の濃厚なソースをあわせた皿や、煮込み料理を中心にしたメニューから、軽く香りの良い肉汁のソースで、シンプルに焼いたお肉を食べていただく料理に変わっていきます。

そこで今回は、春の食材の仔羊をこの時期らしく調理してみました。

柔らかく脂ののった骨付きの背肉をシンプルにローストした物に、味わいの濃い肩肉をトマトと白ワイン、香味野菜と共にじっくりと煮込んだナバラン風の煮込みを、パスタ生地で包みパルメザンチーズをかけてオーブンで焼いたカネロニを添えています。

同時に背肉のローストと肩肉の煮込みの2種類の料理を味わえる、お得な一皿です。

ソースは仔羊の骨とスジから煮出した肉汁に、香草の微塵切りと上質なオリーブオイルを加えた物です。

付け合せは春らしく緑の鮮やかな空豆と、香りの良いフランス産の春のキノコ ジロールをソテーして添えています。

綺麗なロゼ(バラ色)にローストされた仔羊の断面は、見ているだけで食欲をそそります。

味わいも、青々しい香草の香りと香ばしく焼けた仔羊の脂の香りの相性が良く、ボリュームたっぷりですがサッパリと食べていただけると思います。

 

2種類の料理を盛り合わせるためには、それなりに手間も時間もかかります。

ソースを仕込み、肩肉を煮込み、パスタ生地を作り、背肉を焼き、野菜を準備する等、この他にもこの一皿を作るためには色々な作業があります。

もちろんこの一皿だけでなく、他にも沢山の種類の料理を準備し、作らなくてはいけません。

正直に言いますと、もっと簡単な物や手間のかからない料理で良いのではないかと思う時もあります。

しかしそう思うたびに、それで何がお客様に伝わるのだろう?と悩みます。

そして結局は、手間を惜しまずに作ることでしか、美味しさや感動は伝わらないことに気づきます。

自分達が大変な分だけ、お客様に喜んでもらいたいのです。

 


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