山鳩のロースト その内臓のソース

本日は、ジビエ料理を食べたいと言うお客様の為に作りました一皿をご紹介します。

山鳩のロースト その内臓のソースです。

フランス産の野生の山鳩は、飼育の物に比べ脂分は少ないですが、その分血の香りも濃く、身質も繊細でとても軟らかくて、本当に美味しい食材です。

今回は一羽丸ごとの山鳩を、たっぷりのバターと共に低温のオーブンを使い、綺麗なロゼ(バラ色)にローストしています。

せっかくの要望でしたので、たっぷりの量を味わっていただきました。

付け合せにはフランス産のマロンのピューレを添えて、風味の強いソースとバランスをとっています。

内臓を付けたまま数日間熟成させた山鳩も、ジビエらしい野生的な風味がでてきて美味しいと思いますが、この一皿はフランスから届いたばかりの新鮮な状態の物を使い、その内臓をソースに加えて仕上げています。

新鮮な内臓だからこそ出来る仕立て方です。

内臓入りのソースと聞くといかにも癖の有る物のようですが、その独特の味わいがソースに加わると、普通のソースとは一味違った素晴らしい味わいに変わります。

このソースのベースは、山鳩の骨を炒めた後にコニャックと赤ワインを入れて煮詰めた所に、ジビエのダシを加えて煮出します。更に豚の血、生クリーム、バター、黒コショウを加えています。

ここまででも十分に濃厚で美味しいですが、そこに軽くソテーして微塵切りにした山鳩の内臓を入れますので、とても手間のかかる贅沢なソースになります。

作り方としてはとても古典的な物ですが、山鳩の骨からダシを取りその内臓で仕上げるこのソースを、今の自分には一番自然な形に感じます。

メインの食材を同じ食材の風味のソースで食べる。

このようなクラシックでしっかりとしたソースを作ると、あらためてフランス料理の素晴らしさと奥の深さに嬉しくなります。

最近になって気づき始めましたが、「新しい物や自分らしい創作は、しっかりとした基礎や基本の上に成り立つ」と言う事です。

自分らしさとは急に気づく物ではなく、毎日の小さな積み重ねによって見えてくる物ではないのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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シュトーレン

本日は、クリスマスの為に作りましたデザートをご紹介します。

シュトーレンです。

シュトーレンはドイツ、オーストリア地方のクリスマスケーキです。

フランスでもクリスマス前になると売られていましたので、何回か食べる事が出来ました。、ドライフルーツと洋酒、スパイスの風味がとても良くて、美味しかった記憶が有ります。

作ってすぐに食べるお菓子ではなく、数日間の熟成後に美味しくなる所がこのお菓子の魅力です。すぐに食べたい気持ちを我慢してクリスマスまで待つ時間も、この時期の楽しみの一つです。

シュトーレンにも作り方や入る食材によって様々な物がありますが、今回グリンツィングで作りましたのは、オーソドックスなマジパンを中に入れた形です。

バターのたっぷり入った生地に、洋酒に漬けたドライフルーツとスパイス、マジパンを入れてじっくりとオーブンで焼き、更に溶かしバターをたっぷりと塗った上にシナモンシュガーをまぶしてから、仕上げに粉糖を振って完成です。

付け合せには、蜂蜜のアイスクリームを添えています。

真っ白で独特な形から、キリストの揺り籠を模した等の幾つかの説があります。

日本のクリスマスケーキと言いますと、イチゴと生クリームを使った華やかで、いかにもおめでたい感じのするものですが、同じクリスマスケーキでも国が違うとこうまで違う物かとびっくりします。

日本のクリスマスケーキにも意味や由来は有ると思いますので、調べてみたいと思っています。

味わいその物は素朴ですが、その中にお酒やフルーツ、スパイス等の特別な贅沢を楽しむ気持ち、シュトーレンのお菓子の存在の意味や保存できる等の生活の知恵に、ヨーロッパの文化や人々の日々の生活を感じました。

今回は、この様なクラシックなお菓子の存在の意味と美味しさが一致している事に、とても感動しました。

 

 

 

 

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バニラアイスクリームのクロケット仕立て 温かいチョコレートスープ添え 

本日は、香り高いデザートの一皿をご紹介します。

バニラアイスクリームのクロケット仕立て 温かいチョコレートスープ添えです。

クロケットとは、フランス語でコロッケの意味です。

今回は冷たいバニラアイスクリームに、バターで炒めたパン粉やアーモンドパウダー、カソナード、シナモンパウダーをまぶしてクロケットに見立てています。

見た目はコロッケですが、油で揚げていませんので熱くはありません。

その代わりに下に敷いていますチョコレートスープは、熱々の状態にした物をハンドミキサーにかけて泡立ています。

チョコレートスープは、ココアパウダーで作ったチョコレートソースとバニラ入りのアングレーズソースを混ぜて生クリーム、牛乳でのばした物を鍋に入れて火にかけ、最後にコニャックをたっぷりと加えて仕上げています。

コニャックの香りが効いた温かいチョコレートスープに、冷たいバニラアイスクリームを溶かしながら味わっていただきます。

バニラアイスクリームにまぶしたパン粉にも、シナモンやアーモンドの香りが付いていますので、とてもチョコレートとの相性が良いと思います。

実を言いますとこのデザートは、自分のオリジナルでは無く20代前半の時に働いていたレストランで、その時のシェフに教えていただいた一皿なのです。

久しぶりに作ってみましたが、とても遊び心のある良い料理だと改めて感じました。

何年かの修行を経て自分もシェフになり、自分の料理を考えなければいけない立場になりました。

以前は気づかなかった料理の難しさを毎日実感しています。

なかなか簡単には出来ません。

しかし今は、明日またチャレンジ出来る事に感謝しています。

 

 

 

 

 

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フォワグラのポワレ セップ茸のリゾット添え

本日は、ボリュームたっぷりの前菜をご紹介します。

フォワグラのポワレ セップ茸のリゾット添えです。

グリンツィングではフォワグラ料理として、冷製のテリーヌとしてお出しする事が多いのですが、カリッとフライパンで焼いたフォワグラもお客様に人気がありますので、季節によってはメニューに載せる時期がありますし、ご要望が有りましたらお出ししています。

フォワグラはフランス産の鴨の物を使っています。

鵞鳥のフォワグラに比べ脂の溶ける融点が低いため、周りはカリッと香ばしく焼けますが、中のほうはトロッととろける様になりますので、個人的には鴨の方が美味しいと思っています。

今回は付け合せに、香り高くボリュームもあるセップ茸のリゾットを添えています。

焼いたフォワグラに合わせる付け合せも色々有りますが、日本人の好みとしてお米を使いますと、とても喜ばれます。

ソースも甘い感じの物が多いですので、和食で言うとタレの様で、ご飯との組み合わせもどこかどんぶり仕立てといった所です。

その様な意味も有って日本人のお客様には、馴染みやすく分かりやすい味のため人気が有ると思います。

甘めのソースとして今回は、コニャックとポルト酒、マデラ酒にフォンドヴォーを加えたリッチな味わいの物にしてみました。

香ばしく濃厚なフォワグラとアルデンテの歯ごたえでセップ茸の食感も楽しいリゾット、たっぷりのお酒を使った香り高いソース、想像しただけで美味しさが伝わると思います。

シンプルですが、食べて単純に美味しい一皿をイメージして作っています。

個人的な考えですが、きっと沢山の方に喜んでいただける料理ではないでしょうか?

この一皿が本当に自分らしい物であるかは本人にも分かりませんが、今出来る事としてこの様な形になっていると思います。

この職業を選んだ最初の理由「沢山の人に喜んでもらいたい」という気持ちを持ち続けて、これからも頑張りたいです。

 

 

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骨付き猪肉のパン包み焼き 

本日は、国産のジビエの一皿をご紹介します。

骨付き猪肉のパン包み焼きです。

グリンツィングでは、京都 丹波産の雌の猪を使っています。

フランス料理でジビエと言いますと、ヨーロッパ産、フランス産の青首鴨や森鳩、山鶉、野ウサギなどの、いかにも特別な食材のイメージが有りますが、最近は国産のジビエも多く使われています。

丹波産の猪の他にも、北海道の蝦夷鹿、新潟の真鴨など沢山の種類と産地があります。

フランス産のジビエに比べますと輸送に時間が掛からないため、とても新鮮な状態でお店に届きます。

その様に状態が良いので、野生と言っても獣臭さはほとんど無く、味わいも穏やかな物が多いです。

毎年グリンツィングでは、半頭分の猪や鹿を仕入れています。

11月には仔鹿、12月には猪が届きました。

 

半頭を仕入れる事で、肩肉、背肉、バラ肉、腿肉等の色々な部位を使う事が出来るので、料理人として勉強になります。

そして、どの様に仕立てるかを考える時間も、仕事の楽しさの一つです。

今回は、骨付きの背肉の部位を使ってパン包み焼きにしてみました。

脂がのり味わいもしっかりとした背肉を、ライ麦粉を使ったパン生地で包んで蒸し焼きにすると、ライ麦の素朴な香りを付けながらしっとりと軟らかく焼き上げる事が出来ます。

ソースは猪の骨とスジから作った肉汁に、タイムで香りを付けています。そして付け合わせには、数種類の茸を添えています。

茸を一緒に盛ることで、猪がいる山をイメージしてみました。

良質で味わい深いお肉ですので、その味が分かりやすい様にシンプルに仕立てています。

野生の動物ですから同じ猪でも、毎回大きさや肉質、味わいが違います。

まだまだその違いを楽しむレベルには達していませんが、少しずつ経験を重ねることで自分らしいジビエ料理が出来たら嬉しいです。

 

 

 

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