アルカトラズからの脱出
cast >> Clint Eastwood, Patrick McGoohan, Roberts Blossom, Jack Thibeau, Fred Ward, Paul Benjamin, Larry Hankin, Bruce M. Fischer, Frank Ronzio, Danny Glover, Carl Lumbly ...
producer / director >>Don Siegel（108min）
サンフランシスコ湾内にある "アルカトラズ島" を舞台に、脱獄不可能といわれた刑務所から「873日」をかけた脱獄を事実に基づいて描いた秀作 ーーー。Ｊ・キャンベル・ブルースの実録小説を、リチャード・タッグル（ "TIGHTROPE" ）が脚色。"Dirty Harry" などの名コンビ、ドン・シーゲル監督 × クリント・イーストウッド作品。
1960年１月18日の深夜、一人の囚人フランク・モリス（Ｃ・イーストウッド filmography ）が "脱獄不可能" といわれる "アルカトラズ島刑務所" へ送り込まれた。問題囚ばかりが収容されているこの刑務所は、冷酷な所長ウォーデン（パトリック・マクグーハン "A Time To Kill" "BRAVEHEART" ）の下で厳重な警備体制がとられており、誰一人として脱獄に成功した者はいない。万が一脱出に成功しても、周囲にはサンフランシスコ湾が横たわっている。 潮の流れが早く冷水のため、泳ぎきるのは不可能に近い。知能指数が極めて高い新入りモリスは、所長に目をつけられ警告を受ける。ある日モリスは食堂で、別の刑務所で一緒だったアングリン兄弟（フレッド・ウォード "The Right Stuff" "The Player" とジャック・チボー "Sudden Impact" ）と出会う。彼らも何度か脱獄を試みたため、アルカトラズに送られてきたのだ。２人の顔見知りに出会ったモリスは、密かにあたためてきた脱獄の計画を実行に移すのだが・・・・・。
食堂で最初にモリスが言葉を交わした、ネズミをペットにしているリトマスをフランク・ロンジオ、図書館の係員をしている黒人イングリッシュをポール・ベンジャミン（← 渋い！ "Across 110th Street" "HOODLUM" "Do The Right Thing" ）、絵を描くのが趣味のドクをロバーツ・ブロッサム（ "Always" "The Quick And The Dead" ）、ウルフをブルース・Ｍ・フィッシャー、話し好きのチャーリーをラリー・ハンキンらが演じている。
シンプルに観せる作品で、ムダなく脱獄までのプロセスを丹念に描写。台詞が洒落ていて、しかも遊び心も忘れない。派手さはないけれどハラハラさせられる演出に、Ｄ・シーゲル（← '91年に他界）の確かな手腕を味わえる作品 ーーー。なにしろ映画人としてあらゆる面でイーストウッドの “師” で、この人と出逢わなければ、その後のイーストウッド作品は生まれなかったかもしれないんですから。彼らが “最後の良き師弟関係” と呼ばれるのも納得です。
ーーー ところで、先日の「森田一義さん」から漫画家「赤塚不二夫さん」への弔辞には感動しました。"私もあなたの数多くの作品のひとつです" ・・・あのふたりの関係に、これ以上のコトバは思いつきません（感涙）。
