量子コンピューター、巻き返しへ本腰 NECや富士通

2018年01月22日 03時27分46秒 | Weblog

計算速度が現在のコンピューターをはるかに上回る「量子コンピューター」の研究開発を日本企業が本格化させる。NECは「頭脳」にあたる基礎回路を2018年度中に開発し、23年度にも実用化する。富士通は関連技術に3年間で500億円を投じる。日本勢は基礎研究では先行したが、商用化では遅れている。政府は18年度から大学などの研究支援を強化する方針で、産官学の連携により巻き返す

量子コンピューターは電子などの物理現象を利用し、スーパーコンピューターが数千年かけて解く問題を一瞬で処理できる。人工知能(AI)の能力を飛躍的に高め、DNA分析や自動運転車の効率的な走行ルート選定など新たな価値を生み出すことが期待されている

NECが開発する「量子アニーリング」方式は、膨大な選択肢から最適な答えを導き出す計算を得意とする。18年度中に基礎回路を作り、23年度までに数十億円を投じて実機を開発する

計算能力を示す「量子ビット」は2000~3000量子ビットで、数百都市での時間ごとの最適な交通ルートをすぐに導き出せる。同じ方式で先行するカナダのDウエーブ・システムズの技術は2000量子ビット程度。NECは「同じ量子ビット数でも性能が高くなる」としている。産官学の連携を進め10年以内に1万量子ビットを目指す

富士通は量子コンピューターの関連技術に20年度までに500億円を投じる。研究が盛んなカナダ・トロント大学に人員を派遣するなど基礎研究を進める。量子コンピューター向けソフトを手掛けるカナダの1Qビット(バンクーバー市)と資本提携し利用企業を開拓する

量子コンピューターではDウエーブや米IBMなどが商用化しており、試験導入する日本企業もでてきている。NECなどは20年以上前から量子コンピューターの研究開発を手がけてきたが、実用化では海外勢に先行を許している

巻き返しに向け、NTTは光の量子現象を活用した量子コンピューターの試作機を17年11月から無償公開した。現在4000量子ビットの性能を今後10万量子ビットに高めていく方針だ

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