17日、インド南部チェンナイ沖で行われた海上保安庁とインド沿岸警備隊による連携訓練(森浩撮影)
海上保安庁とインド沿岸警備隊が連携した海賊対応訓練が17日、インド南部チェンナイ沖で行われた。訓練には初めてスリランカ、モルディブもオブザーバーとして参加。安倍晋三首相が推進する「自由で開かれたインド太平洋戦略」でシーレーン(海上交通路)の安全確保が重要性を増す中、「過去最大規模」(海保)の対海賊訓練となった
インド太平洋戦略の重要地点であるインド洋は、中東と日本をつなぐ重要な運送ルートであり、航行の安全確保が必要不可欠だ。インド洋では中国が存在感を増しているが、日印だけではなく中国と関係が深い2国がオブザーバーとして参加した意義も大きい
訓練で海保の巡視船「つがる」のほか、インド側から9隻が参加。海賊に乗っ取られて通信不通となったクルーズ船が海上で発見されて救出に向かうという設定で行われ、情報収集から人命救助までの手順が確認された
首脳同士の絆の深さもあって過去最高とされる日印関係だが、海上保安当局のつながりも深い。1999年に日本企業が運航していた船舶アロンドラ・レインボー号が海賊に船体ごと奪われた事件で、インド沿岸警備隊が船舶を発見して以来、相互交流が始まっている。訓練後に海保の中島敏長官は「両国の強い絆によって開かれた訓練だが、オブザーバーの参加でより範囲が拡大した。インド太平洋地域の安定につながると考えている」と話した
産経新聞
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