奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2034)

2022-03-19 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「省略の詩学~俳句のかたち(外山滋比古著・中公文庫2010刊/1979省略の文学&2006俳句の詩学の文庫化)」を読んだ。外山滋比古(とやましげひこ1923~2020)氏は、東京文理科大学(英文科)卒、同大学特別研究生修了、文学博士。研究社嘱託/東京教育大学助教授/お茶の水女子大学(名誉)教授/昭和女子大学教授を務めた。-------

この本「省略の詩学」の目次は次の通り。“切字断章/省略の文学/切字論”、“季語について/俳句と点描主義/添削の思想/F氏との一時/俳句とイロニイ/俳句の神髄/俳句の横顔/俳句の流行”、“切字/結ぶ/あいまい/モンタージュ/点描/心象の写生/借景/季語/奇想/削る/ロジック/残像/第四人称/屈折/転調”--------

この本「省略の詩学」裏表紙の抜き刷り文は次の通り。世界で一番短い詩/俳句。日本独特の短詩型文学における、主として切字の考察を通して日本語の豊かさを実証し、省略の詩学としての魅力をも解明する日本語論の先駆的名著。-------

外山滋比古氏は、研究社の雑誌“英語青年”の編集長を10年務めた後、大学に教職のポストを得て学究生活に入った。不思議なことに、英文科卒で英語を専門としながらも、余技でお書きなって多くのファンを魅了した著作は、英語学ではなくて、寧ろ日本語学と云えるものばかりであった。この本「省略の詩学」もその一冊である。英語を研究すれば、比較文学的に日本語の性格がとてもよく浮かび上がるものであるようだ。余談だが、第2次大戦中に敵性語扱いを受けて英語研究で苦労なさったことが原因とも考えられるし、戦後日本の受験英語が日本人の英語習得に役立たなかったこととも通じるのかも知れないと思った。

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