今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

帰国しています・三重で家庭医をしています

2012-09-06 22:08:46 | 家庭医療

ながらく更新していませんでしたが、2011年の7月に帰国し

 

三重県津市で家庭医として働いています

 

三重大学家庭医療研修プログラムとみえ医療福祉生活協同組合の指導医として研修医や医学生の教育にも携わっています

 

現在の職場のホームページと、ブログもありますので興味のある方は下記へどうぞ

 

http://www.tsucoop.jp/takachaya-cl/index.html

 

 

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リーダーシップ:Leadership in Academic Medicine: Faculty Development Institute

2011-02-24 22:20:20 | Faculty Development

今日は一日Faculty Development のセッションでした

 

ミシガン大の家庭医療科では全5回シリーズのFDセッションがあります

 

近隣の指導医とフェローが主な対象者ですが、3年目のレジデントも希望者は無料で参加できます

 

一般参加だと数千ドルとられるそうです

 

これまでは

第1回 Classroom Teaching Skills and Principles of Adult Learning

第2回 Clinical Teaching Skills

第3回 Administrative Skills

 

 

今日は第4回の   Leadership in Academic Medicineのセッションでした

 

私の好きなトピックで、日本でもHANDSでリーダーシップのセッションを受けましたが

 

今日はまた違った切り口でSmall Group Activity も多く、practicalでした

 

 

ここから先は、自分自身への覚え書きです

 

1. Leadership; The Institutional Perspective

  Leadership requires

           A focus on purpose  何故?何が目的?を常に問いかける

           A bias for results

           A knowledge of systems

           A commitment to innovation

 

2. The Transition From Physician to Physician Manager

 

    Physician                                       Physician Manager

    Professional Identitiy                   Organizational Identity

    Value Decetralizaiton                   Value Centralization

     and Autonomy                               and Uniformity

     Individual Perspective                 System Perspecitve

     Influence Through                       Govern Through

        Professional Expertise                 Organizational Position

        and Personal Power                     and Formal Authority


3. Managing in Professional Organization: The Context for the Challenges

     医師などのprofessional 集団は組織への帰属が薄い

  Professional Values:

  • Specialized expertise
  • Personal Autonomy
  • Professional identity and commitment
  • Ethical service
  • Self-governance

 

     Medical Center はThree systemsからなる(Industryとは対象的)

  Task/Administration   vs  Governance  vs   Professional Identity

 

 

4.  Conflict: A Process to be Managed

  Thomas-Kilman conflict Mode Instrument

    Avoiding/Accommodating/Compromising/Collaborating/Competing

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米国医学生による家庭医不要論

2011-02-06 23:07:57 | 家庭医療

大層な、タイトルを書きましたが

 

実はミシガン大の1人の医学生が、ふと口にした何気ない一言を、私が頭の中で増幅させただけです

 

 

ある日、クリニックで実習中の医学生と隣同士の席に座りました

 

診療の合間のわずかな時間で

 

「はじめまして◯◯です」

 

「やあ、元気?レジデントの◯◯です」

 

「僕は日本から来たんだけど、日本ではまだ家庭医がメジャーじゃなくて。ニーズはあるからこちらでトレーニングして、日本での普及に一役買いたいんだ」

 

などと話すと、医学生の彼が曰く

 

「へえ~、それはアメリカと逆ですね。アメリカでは家庭医のニーズはどんどん減っているというのに。家庭医の仕事は、どんどんナースプラクティショナー(NP)とかにとってかわられているから。」

 

「はあ?」と思ったのですが

 

彼を指導する立場でもなく、診療の合間のわずか1、2分だったので

 

ムキになって反論することもせず、それ以上に話を深める事も無く終わったのですが、ずっと頭に引っかかっていました

 

件の医学生は、バリバリの専門医志向で

 

彼の分析に私は全く同意するつもりはありませんが

 

表面的なレベルでは、彼の言っている背景も確かに理解できます

 

 

アメリカの医療現場では、何でもかんでも、分業がすすんでいます

 

それもこれも、「高額な医療費を押さえるため」です

 

すなわち、一番人件費の高い医者の仕事を「純粋に医者しかできない事」に集約させることが徹底されています

 

心臓外科の手術が良い例です

 

バイパス手術では、開胸、グラフト採取、術後管理などは人件費の安いPA(Physician Assistant)に任せて、術者である外科医は肝の部分だけに集中します

 

そうする事によって、外科医は一日に何件も手術をこなします

 

こうして考えると、家庭医の仕事には「絶対に医者じゃなければダメ?」という質問に対して

 

「う~ん、そうでもないけど」・・・という内容が結構含まれています

 

事実、アメリカの地域では半径数十キロにわたって医師が1人もおらず

 

PAが遠隔地の医師の指導のもと(という建前で)、実質上地域の健康を守っている事もあります

 

 

確かに、高度な専門手術での分業はメリットが大きいでしょうし

 

家庭医の場でも、必要に迫られての分業はあります

 

ただ、分業がすすんで「家庭医はいらなくなる」とか「ニーズが減る」という考えには全く同意できません

 

分業がすすむからこそ、

 

1人の患者さんのケアをコーディネートする医者、地域のケアをコーディネートする医者が必要で

 

それが家庭医という仕事なのです

 

今やっている仕事、業務の内容が、10年、20年後も全く同じであるとは思いませんし

 

必要に応じて、変化をしていかなければいけませんが

 

分業化の世の中だからこそ、その弊害をカバーするジェネラルなマインドの医者が、ますます必要なのです

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大学に家庭医療科があることの意義

2011-01-24 00:41:24 | 家庭医療

今年のミシガン大医学生のうち、家庭医療科にすすむのは15-7名とみられています

 

一学年が170人ですので、1割弱

 

これを多いととるか、少ないととるか

 

実は、例年と比べて今年はかなり多いようです

 

家庭医療科選択者が一桁台の年も有るようですので、今年はアテンディング達も喜んでいます

 

全米の医学部の中には3割近くの学生が、家庭医療科を選択する学校もありますが

 

ミシガン大学は一般的に、プライマリケアよりもいわゆる「臓器専門科」優位の学校です

 

ミシガン大学の家庭医療科は、全米の医学部で最も多くの指導医陣を擁し

 

医学生からの実習評価では10年以上にわたり、専門科の中で一番の評価をされています

 

指導医の先生方も、chairのシュウェンク先生を始め、尊敬できる方々が大勢いらっしゃいます

 

それでもやっぱり、多くの医学生は臓器専門医の道を選ぶのです

 

確かに専門医の質がおしなべて高く、他科にも尊敬できる先生方が大勢いらっしゃるのでしょう

 

それでもやっぱり「収入」という要素が否めません

 

プライマリケア医の給料は、放射線科、眼科、心臓外科などの高給取りの先生方の数分の一ですから

 

 

まあ、それは置いておくとして

 

「大学、大学病院、医学部に家庭医療科が存在する事の意義」です

 

家庭医療科を進路の選択肢として選んでもらうということは、勿論、大きいです

 

また、大学という事でリサーチも大きいでしょう

 

でもそれ以上に大きいのが、プライマリケア医と専門医がどのようにかかわり合っているか

 

臓器専門医を選択した彼ら医学生が、将来、どのようにプライマリケア医とかかわっていくか

 

臓器専門医として、信頼できるプライマリケア医がいるのだということを知っておいてもらう事

 

そういうことが大事なのです

 

勿論、「プライマリケア」ですから主戦場は地域,クリニックでなければいけません

 

ミシガン大も大学に病棟を運営していますが

 

あくまでもメインの所属は郊外に5つあるクリニックです

 

日本の大学でも、家庭医療科は大学病院の外にあるクリニックを主戦場とし

 

臓器専門医とうまくかかわり合いながら

 

医学生のロールモデルとなる

 

それが大学に置ける家庭医療科の使命だと感じています

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Ground Round: Health-care associated pneumonia (医療ケア関連肺炎)

2011-01-20 21:57:09 | 教育
今月のsports medicineローテーションでは大きなイベントがあります


水曜のカンファレンスでのGround roundの担当です


テーマは全くのフリーで家庭医療科の指導医、レジデント、医学生の総勢100名あまりに対して40分のレクチャーをします


これまでもM&M(mortality & morbidity)で同じ人達相手に計4回プレゼンをしていますので


場数としては踏んでいるのですが


M&Mはあくまでも決まったフォーマットの中での発表で


多少自分の色を出す程度で、割と気楽です


ところがこのGround Roundは、フリーのテーマで大勢にプレゼンをする唯一の機会で


ある意味レジデンシ−の中でも3年目としての集大成とも言えますので、ヘタはうてません


テーマがフリーなのが結構くせ者で、相当悩みました


最近の同僚のトピックをあげてみると


  • wilderness medicine(アウトドアスポーツ医学)
  • chronic orchialgia(睾丸痛)
  • (主にアフリカ系)女性の割礼
  • 医学生が何故家庭医を選択しないか?
  • 肥満の治療
  • タイでの選択研修報告
  • アフリカ系女性特有の頭髪問題       などなど


結構、個性あふれるトピックが多いのです


私は次の3つの軸でトピックを考えてみました


  1. 自分が得意な話題 日本とアメリカの医療制度比較、循環器系のトピック、EBM関係
  2. 自分が知りたい話題 産科、スポーツ医学系のトピック
  3. オーディエンスが知りたいであろう話題 外来系のcommonな話題のアップデート


結局1、2、3の折衷という事で


Healthcare-associated pneumonia(医療ケア関連肺炎)の治療について話す事にしました


つまり

1. 内科系の話題なのでまあまあ得意

2. HCAPの抗生剤選択には、日頃から疑問を持っており、2005年のガイドラインには納得できない点があった

3. 肺炎なので割とcommon

内科系の入院を担当しない指導医もいるが少なくともレジデントは皆が興味を持てるはず


ということでHCAPについて話す事にしました


題目は 'Diagnosis & Treatment of Healthcare-associated Pneumonia ~ Beyond the guideline'


beyond the guidelineとは自分でもハードルを上げたなと思いましたが


「ガイドライン通りに治療をしていたら、おかしなこともある」ということを伝えたかったのでこのような題にしました


詳細についてはscribdにアップしましたのでご参照ください


かいつまんで要点だけを抜き出します


HCAPは2005年の下記ガイドラインで導入された概念です


American Thoracic Society; Infectious Diseases Society of  America. "Guidelines for the management of  adults with hospital-acquired, ventilator-associated, and healthcare-associatedpneumonia". Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2005: 171 (4)

 

HCAPの定義は以下です

 

HCAP: 入院中ではないが下記の一つ以上を満たす状況で発生した肺炎:

  • Hospitalization in an acute care hospital for 2 or more days in 90 days
  • Residence in a nursing home or long-term care facility in the last 90 days
  • Receiving outpt iv therapy (antibiotcs/chemo) within 30 days
  • Receiving home wound care within 30 days
  • Attending a hospital or hemodialysis clinic in 30 days
  • ( Family member with MDR pathogen )
 

HCAPはCommunity Acquired pneumoniaよりも予後が悪く、耐性菌が多いというデータに基づいて

Hospital acquired pneumoniaやventilator-associated pneumoniaと同様のスペクトラムでとらえようという考えです


ガイドラインを額面通りに受け取ると、HCAPと診断された瞬間に下記の3剤併用両方が推奨されます

 


緑膿菌をカバーするセフェムやカルバペネム

+/-

緑膿菌をカバーするもう一種類(ニューキノロンなど)

+/-

MRSAをカバーするバンコマイシンかLinezolid

 


例えば「割と元気だけど、介護が必要な老人ホーム入所者」は自動的にHCAPになりますが


額面通りの治療はどうみてもやりすぎだと思いましたので

 

ガイドラインの引用文献を含めて、様々な文献を考察してみましたが


私が達した結論は

 

HCAPであっても耐性菌の可能性が低い群は、CAPと同様に治療してもOK


そして、下記のリスクファクターを持つものは、耐性菌を考慮した抗生剤選択が望ましい

  1. Severe illness
  2. Antibiotic therapy in 6 month
  3. Poor functional status as defined by activities of daily living score
  4. Hospitalization in the past 90 days
  5. Immune suppression

 


この場合、先述のように3剤併用を要検討ですが


緑膿菌の2重カバーについては、必ずしも必要であるとするデータばかりでなく


MRSAのカバーも、「疑った時のみ」ということになりますので


実際はCefepimeやpiperacillin/tazobactamの単剤でもOKと解釈しています

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今月はsports medicineローテ

2011-01-18 18:36:14 | 家庭医療

遅ればせながら,明けましておめでとうございます

 

久しぶりの更新です

 

数ヶ月更新していなくても、結構な人数の方にアクセスして頂いているようで恐縮です


情報発信が、Facebook→Twitterと移行して


ブログの更新がどうしても滞ってしまうのですが


Twitterはどうしても、その場で情報を垂れ流し気味で、あとから見直すのも大変です

 

Facebookはもう少しまとまっていますが、日本の友人,アメリカの友人半々が対象で

 

情報発信がクローズド気味です

 

自分の中でもある程度まとめてとどめておいたうえで、不特定多数に発信したい場合は、やはりブログが良いかもしれません


ということで今回は久しぶりに現状報告


今月はSMO2というローテーションです


Sports Medicine Orthopedics の2回目ローテーションを略してSMO2です


ローテーション中は、5人いるsports medicineの指導医のうち3人の外来にそれぞれ半日ずつつきます

 

家庭医系のsports medicine医はオペをしませんので関節注射、リハ、シーネ固定,薬物治療などを主に行い

 

オペ適応になれば整形外科医に回します

 

クリニックで働いていますので、超急性期の外傷が少ないというセレクションバイアスがかかりますが

 

整形外科医に回される患者さんは意外と少なく、1割程度でしょうか?

 

その他は,家庭医のスポーツ整形外来で診療が完結します

 

肩、腕、手、腰、膝,足のオンラインモジュールで復習をしながら

 

日々,遭遇する患者さんのケアをしていきますが

 

どうしても疾患頻度に偏りが有り、肩,膝の患者さんが多くなります

 

ローテーション中は、他にも週1日は地域病院の整形外科グループの外来につきます


ここでのポイントは、あくまで外来につくのであって、オペ室には入りません

 

コンサルテーション後の患者さんがどのような経過を辿るかを知る,貴重な体験です

 

Rotator Cuff Injuryのオペではsupraspinatusの損傷が9割以上を占めるなど

 

外科系外来じゃないと実感できないことがみえてきます

 

今月はこれらsports medicineがらみの外来が週に計5コマ

 

他は1コマが水曜午前のカンファレンス

 

残り4コマが自分のクリニックでの外来です

 

私はうち1コマが日本人クリニックでの診療になります

 

週の半分はsports medicineの患者さんを診ながらも

 

日本人クリニックでは妊婦さんのグループけんしんをやったり

 

お産で呼ばれたり、新生児、小児の健診

 

月に1回はいつものnursing home visit(長期療養型老人施設の診療)など

 

バラエティーにとんだ日々です


そしてこのSMO2のもう一つの大きなイベントがGround Roundでのトークです

 

Ground Roundでの発表については次回書きたいと思います

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10月はElective

2010-10-02 08:56:33 | 家庭医療
10月はElective(自由選択)です

もともとは、Away Electiveを静岡でやる予定でしたが

予算の関係でrejectされてしまったので、半ばいじけながら

Ann Arbor周辺での研修を計画しました

テーマは外来関係で「これまでの研修で自分に足りないもの」


このまま卒業すると心もとない分野がどこかをまず考えると

1. OB/GYN エコーとIUDなどの手技
2. 小児科
3. 手技(皮膚系)
4. Sports Medicine

ということで上記の1-3を今回のelectiveでカバーしました

月から金まで週10コマの半日

うち3コマがチェルシーの外来、1コマが日本人クリニックの外来

そして水曜午前のカンファレンス

残りの5つを自由に使えます

一コマはリサーチ

シニアプロジェクト2つと、個人的にグラントをとったリサーチの計3つを少しでもすすめる必要があります

そして一般小児科外来が一コマ、Developmental & Behavioral Pediatrics外来が一コマ

あとは大学のPAC(perinatal assessment center)でのOBエコーと、若者向けの無料クリニックでのOB/GYNを組み合わせて週一こま

そして外来手技のクリニックが一こまです


PACについて少し書きます

アメリカでは通常、家庭医であれ産婦人科であれ、妊婦けんしんでルーチンのエコーをとりません

Trimesterごとに1回とれば充分と判断されており

平均的には、初期にdatingを主な目的として1回

中期以降にFetal Anatomic Surveyを1回ルーチンにとります

勿論、問題が有ればエコーをしますが、順調であれば診察ごと毎回はしません

そのかわりFetal Anatomic Surveyはかなり厳密に行われており

相当なトレーニングを積んだ技師や産婦人科医が、AIUM(American Institute of Ultrasound in Medicine) Practice Guidelineに基づいて

かなり細かくみています


ということで初日はそのFetal Anatomic Surveyにつきましたが

相当の細かさに驚きました(30分から1時間かけます)

多くの家庭医がfetal anatomic surveyには手を出さず(自分でやる先生もいますが)、大学のPACに外注しています

このような診療パターンが日本で可能かどうか

ちょっと考えさせられました

次のPAC研修は、BPPとAFIをひたすら習得するのが目的です
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久しぶりの名古屋

2010-08-31 15:56:28 | 教育
8/30 月曜日は大阪の領事館でビザ更新手続きを行った後,名古屋に立ち寄りました 

所用をすませ、古巣の名古屋大学医学部 総合診療部に挨拶に伺い 

ついでにミシガンでの研修医教育についてスピーチをしてきました

内輪の簡単なものかと思っていましたが

知らないうちに,大学院の基盤医学特論の講義という,だいそれたものになっていました

テーマは「総合診療医の育成 ミシガン大学家庭医研修プログラム」(scribd)

自分が受けている教育を8つのポイントにまとめてみました

  1. オリエンテーションの充実
  2. 水曜カンファレンス
  3. Standard of Careの強調
  4. 相互評価の徹底
  5. メンタルケア
  6. Webの活用
  7. シニアプロジェクト
  8. レジデント主導による研修の改善


相互評価の徹底では,実際に指導医評価のまとめ例を提示して

その指導医が翌年いかに変わり 

その指導医に対する評価が大幅に改善したという例を提示しましたが

Web上での一般公開のためScribdでは割愛させて頂きました


古巣の皆が大変元気そうで、励みになりました


研修医室にある,各研修医の大量の蔵書を見て


アメリカの研修医があまり本を買わない and 読まないのと

対象的だと思いました
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一時帰国

2010-08-31 14:47:22 | Weblog
8月27日から10日間の予定で一時帰国しています

静岡家庭医養成プログラムが主催する

第一回静岡家庭医療学 医学生・研修医セミナー


でスピーチをするということで呼んで頂きました

1ヶ月ほど前に急遽決まったことなのですが

幸いローテーションで他のレジデントに迷惑をかけること無く

勤務調整することができました

21回医学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナーが終わって間も無いという日程と

宣伝不足も相まって、申し込み者が当初少なかったようですが

結局8名の医学生が集まり、無事開催されました

私は「アメリカでの家庭医研修」(scribd リンク)ということで

ミシガン大学での家庭医研修の内容について話をさせて頂きました



会自体は2日間で家庭医を紹介しようとうことで、割と駆け足だったのですが

まずまず盛況だったように思います

地元、静岡テレビの取材が来ていましたが、どのような放送になるか楽しみです
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MSSローテーション

2010-08-29 12:20:55 | 家庭医療
すっかり情報発信がTwitterとFacebookにかたよってしまい、ブログの更新がひさしぶりになってしまいました

今月はMSSローテーションです

MSS
とはMedical Subspecialtyの略です 

要するに他科の外来をいくつか回るという外来ローテーションです

スケジュールは以下の通り 

             午前                午後            夜間

月曜日  神経内科外来         家庭医外来 
火曜日  内分泌内科外来       循環器内科外来 
水曜日  カンファレンス       眼科外来 
    FMB (お産当直) 
木曜日  直明け休み 
金曜日  耳鼻科外来      家庭医外来 

そして各外来の簡単な説明です

神経内科外来 

グループ診療をしている開業神経内科医につきます 

パーキンソン、頭痛、不眠、脳梗塞後遺症、認知症、
MSなどの患者さんを診ます 

大変ゆっくりとしたペースの診療です 

日米の違いを垣間みることができ興味深い経験でした 


内分泌内科外来 

チェルシーのクリニックに、週
1回来てくれている大学内分泌の先生につきます 

糖尿病、甲状腺疾患が主 

インスリン注射の部位を必ずチェックするなど 

家庭医指導医とは普段話題に上らない注意点がためになります 


循環器内科外来 

昔循環器をやっていたので医学的にはあまり学びがありませんが

日米の違いを垣間みることができて、良い経験になりました  


眼科外来 

大学の先生ですが、眼科センターではなく市内のサテライトクリニックでの診療です 

その意味では眼科医の
common diseaseを多く診ることができました

眼瞼炎の患者さんが多いのが割と大きな発見でした 


耳鼻科外来 

大学の耳鼻科外来なので正直
common diseaseではありません 

主につくのが頭頸部癌担当の先生 

他に耳を専門とする先生にもついたのでそれなりにバリエーションがありましたが 

正直、大学病院外でローテーションしたいところです 

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EBMの実践と医療の標準化

2010-07-26 10:16:58 | 医療ネタその他
最近Twitter、Facebookで話題になり、かつ同僚レジデントとも話題になったことです

同僚曰く
「ミシガン大家庭医で診る患者さんが、誰に診てもらっているかに関係なく殆ど同じパターンの治療を受けていることに驚いた」

例えば糖尿病でのメトフォルミン、心不全でのメトプロロール、降圧剤としてのハイドロクロロサイアザイド

確かにアテンディング、レジデント含め100人以上がケアする患者さん達の治療内容が

極めて統一されているのは以前から感じていました

例えば、入院した患者さんの薬をレビューする時に

「何じゃこの薬?」とか「どうしてこれを服用していないんだ?」と思う事が殆どありません

逆に、疑問に思って患者さんに問いただしてもはっきりしない場合は

過去のカルテをさかのぼると、「なるほど」というイベントが記載してあり納得することが多いのです

思い返せば、日本で診療していた時はこのような「統一感」を感じることはあまりありませんでした

こうした「医療の標準化」を達成するための仕掛けは日々の診療の中にたくさん埋もれています

例えば
  • ミシガン大で作成されているガイドライン
  • レクチャーなどによる最新知識のアップデート
  • pay for performanceに対するクリニックごとの取り組み
  • 入院オーダーのセット化

そして一番大きいのがCieloシステムです

Cielo systemを簡単に説明すると、

「患者さんのプロファイル(年齢、性別、プロブレムリストなど)から自動で作成されるリマインダー」でしょうか

患者さんが外来を受診すると、医師はその患者さんの診療に関連するリマインダーの一覧用紙を渡されます

ここに含まれる情報は
  1. 年齢、性別
  2. 主治医
  3. がん検診
  4. 予防接種、喫煙
  5. 慢性疾患のプロブレムリスト
  6. 急性疾患のプロブレムのリスト
  7. 慢性疾患に関してカバーするべき診療内容  などです

例えば65歳男性で糖尿病の患者さんでは

1年以内の便潜血によるがん検診もしくは10年以内の大腸内視鏡をしていなければ「大腸がん検診」のリマインダーが出ます

ちなみに前立腺がん検診に関しては

「前立腺がん検診について話題に出すこと」というリマインダーが出ます

「前立腺がん検診をすすめる」ではありません

そしてこのリマインダーに対して、自分がどのようなアクションをとったかチェックマークをつけて提出する必要があります

糖尿病では眼科受診もありますが

受診ごとに測定される血圧から自動的に

「血圧の厳格なコントロール」というリマインダーが出ます

これは「2型糖尿病の管理では、血糖管理よりも厳格な血圧コントロールが一番重要である」という知見をもとにセットされたリマインダーです

こうして患者さんの受診ごとに用紙を渡されますが

この用紙は指定の回収ボックスに毎日提出します

そして毎月、医師ごとにこの用紙の提出率、必要なアクションがどれだけとられているかという率が一覧になってメールでフィードバックされます

こうした様々な投資によって、自動的に「標準」が刷り込まれていくのですが

こうしたガイドライン、プロトコールの背景にあるエビデンスを理解し

自分の患者さんのnarrativeとすりあわせる真のEBM

Artの部分も重要です

その部分は日々の外来プリセプティングなどで議論されるのですが

現在のレジデント教育では、エビデンスの解釈という点が少し弱いかと感じています

レジデンシーはじめにあるBlock monthでかなりEBMについてのセッションがありますが

普段は月に1回のJournal Clubがメインです

Journal Clubなどを通じてのやりとりからは、各レジデントがどの程度個々の論文やガイドラインを理解しているかには疑問を感じています

例えばLR(尤度比)、RR(relative risk)、ARR(Absolute Risk Reduction)など

もしかしてあんまり分かっていない?意識していない?と思われる同僚もいます

昨年まではEBMのメッカMcmaster大学出身のアテンディングがいて熱心にレジデント教育をしていたのですが

その先生が栄転で辞めてからは、Journal Clubが形骸化している感じがします

自分の得意分野なのでなんとかしたい気はあるのですが、既にシニアプロジェクトを2つ抱えているので

とりあえず二の足を踏んでいます
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夏の西海岸旅行

2010-07-23 21:46:49 | その他
7月の前半は休暇でした

これまでの2年間,休暇は夏以外に入っていたため

旅行先はフロリダ、カリブ,ガラパゴスなど南国を選ばざるを得ませんでした

今回は夏の休暇を希望して,夏に行きたいアメリカの観光地を巡りました

大まかなスケジュールは以下の通り 

  • 6/30 サン・フランシスコ 
  • 7/1-3 ヨセミテ国立公園
  • 7/4-5  サン・フランシスコ観光 
  • 7/5-11 グランドサークル(ザイオン、ブライスキャニオン、レイクパウエル/アンテロープキャニオン、モニュメントバレー、グランドキャニオン)
  • 7/11-14 ラスベガス 


ヨセミテ国立公園


医学生の時に巡った場所とほとんど同じコースを,今回もレンタカーで巡ったのですが

違いは学生のときは友達とテント生活でファーストフードのハシゴだったのが

今回は家族同伴なので,きちんとした宿に泊まり,美味しいものを食べた事です

といっても我が家のポリシーとして、食事には金をかけても宿は安宿で節約なので 

夕食代が宿代の3-4倍という日も多々ありました

全体を通して印象深かった点は

1. 日本人が減った


医学生のときと比べて明らかに日本人が少ないように感じました


というよりアジア人が大抵は中国人


次いで韓国人


はやり経済状況の変遷でしょうか?


ちなみに,ラスベガスのルイヴィトンで20人ほどいた客が全員アジア人なのには笑いました



2. 食事に見る格差社会


アメリカでも金さえ出せば、とても美味しいものが食べられます


普段は外食で美味しいと感じる事が少ないアメリカ


日本のように「そこそこの金を出せばおいしいものにありつける」という事はありません


美味しいものを食べるには、相当の額を出す必要があります


それでもラスベガスは競争が激しいので、一流のレストランの料理が比較的安価で食べられます


ということでラスベガスでは奮発しておいしいものを堪能しました


せっかくなのでいったお店の紹介です


Bouchon

The Venetian Resort-Hotel-Casinoにあるフレンチ
「洗練」という表現がぴったり

いただいたのは

オードブル:オニオンスープ、エスカルゴ、 サーモンのリエット

メイン:ローストチキンとトラウト 

トラウトは素材の味を活かして、アメリカ生活でベストの魚料理

同じホテル内にあるベーカリーのパンも最高


Nobhill Tavern 

MGM Grand Hotel & Casinoにあります

メニューはフレンチと似ていますが,「アメリカン」な味付けです

おいしいのですがBouchonのような「洗練」よりはアメリカ人好みにしっかり味付けという感じ


続いてラスベガスで人気を二分するビュッフェ2箇所


'Le Village Buffet'  in Paris

前評判が高くかなり並んだのですが,正直期待はずれ

肉、カニはイマイチ、魚料理はバリエーションが少ない


Bellagio  'The Buffet'

こちらは当たり 

2種類あるbeefのうち神戸ビーフはイマイチもプレミアムアンガスは絶品

魚料理も多数有り、デザートの味も洗練



3. やはり自然は変わらない


公園の設備等は,久しぶりに行くと結構変わっていましたが


雄大な自然は全く変わらず出迎えてくれました


ヨセミテ国立公園


高いところからの景色が一番




レイクパウエル: アンテロープキャニオン 

意外と見過ごされ勝ちなのが,レイクパウエルのほとり,Pageという町の近くにあるAntelope canyon

Upper Antelope Canyonと Lower Antelope Canyonがありますが,Lowerの方がきれいでした


写真のような,幻想的な狭い峡谷を歩けます




グランドキャニオン 

夕日と朝日は見逃せません 

朝は4時台に起床し朝日を見て、宿に帰って2度寝しました

朝のグランドキャニオン


そして夕方

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ナイトシフトと勤務時間の問題

2010-07-20 08:26:01 | 臨床留学
6月で上級生は卒業し,新しいインターンがやってきました

そして私はいよいよレジデンシ-最終学年です

7月の前半の休暇については,後日書きますが 

今回は7月後半の勤務についてです

この2週間は,再びチェルシー病院での夜勤です

日曜日は24時間勤務で,それ以外の月から木曜日までは午後7時から翌朝7時までの12時間勤務です

金曜日午前の当直あけに半日の外来が入る以外は,当直あけに即帰宅できます

結果的に日~金と5日連続で夜勤となりますが

チェルシー病院の夜勤は、一睡もできないということは滅多になく

平均して2~4時間ぐらいは眠れます

通常は,夜勤明けに家で午前中いっぱい眠れば体調も整いますので 

午後7時の出勤までの半日はのんびり過ごせます

またチェルシー病院の夜勤は,入院患者がICUにいなければ家から電話で引き継ぎをして 

新規入院で病院に呼ばれるまでは,家で過ごすこともできます

私はしませんが,真夜中の入院では

家にいたまま救急から電話で引き継ぎを受け,入院の指示も看護士に電話ですませ 

翌朝少し早めに来院し患者さんを診て,ノートをディクテーションするということも許されています

ちなみに今月の夜勤シフトは 

出勤前の夕方にテニスをするという生活パターンにしていますので,逆に体調が良かったりします

日本の環境からみれば,かなり恵まれた状況ですが

アメリカ のレジデントは,来年度からさらに勤務状況が楽になります

1週間の最大勤務時間の80時間は変わりませんが

なんとインターン(1年目のレジ デント)の最大連続勤務時間が,30時間から16時間に短縮されます 

つまり,これまでは朝7時から翌日の午後1時までという勤務が可能だったのが,

16時間では朝7時から最長でも当日の夜11時までの勤務となってしまいます

完全シフト制にしないと夜の勤務を回せないことに なり

レジデンシ-プログラムの研修カリキュラムにも大きな影響を与えます

イギリスなどのヨーロッパでは,研修医の週の勤務時間の上限は48時間になっていますので

上には上というか,下には下がありますが

日本も,指導医の勤務時間がせめてこちらのレジデントなみまで改善されることを望みます
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procedure 外来

2010-06-20 00:13:14 | 家庭医療
FPOローテーションのコアであるprocedure(手技)外来は

木曜と金曜の午前にあります

各クリニックでは、レジデントの教育のために、予約の外来手技を週1回の決められたコマになるべく集中させます

その外来はアテンディングとレジデントがマンツーマンで診療を担当します

手技の種類は以下が主です
  • 皮膚生検(shave biopsy, punch biopsy, excision biopsy)
  • 皮膚病変切除(皮脂嚢胞、皮膚がん、懸垂繊維腫など)
  • 液体窒素による寒冷療法(AK, wartなど)
  • 産科エコー
  • 精管切除
  • 陥入爪切除
  • ステロイドの関節注射

多くの手技が皮膚絡みですので

皮膚科外来の研修と同時期にできているのは大変ためになります

さすがに精管切除術は、日本で続けることは無いと思いますが

陥入爪切除術、関節注射などはしっかりマスターしたいところです

ちなみに、婦人科がらみの外来手技(コルポスコープ、子宮内避妊具の装着など)は、Women's Healthのローテーションのときに研修することになります


研修の方略として、精管切除術と皮膚生検はそれぞれオンラインモジュールがあり、また必須の課題論文も10ほど指定されています

課題論文のうち二つは、手技外来を担当する2人のアテンディングがそれぞれ書いたものですので

彼らと働く直前にこれを読んでおくのは「必須」です

Essentials of Skin Laceration Repair<o:p></o:p>
Management of the Ingrown Toenail
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皮膚科外来

2010-06-18 23:45:10 | 家庭医療
ミシガン大家庭医が運営する5つのクリニックのうちの一つ

Dexter Family Practiceで、皮膚科の先生が週に数回、非常勤として皮膚科外来を開いています

FPOローテーションでは、この皮膚科外来に週2コマつきます

うち1コマは皮膚科レジデントが2人いますので、自分は完全に指導医のshadowingです

もう1コマは皮膚科レジデントが1人なので、自分も単独で診療をしてpreceptingしてもらうかたちです

遭遇している疾患で目立つのは以下です
 
  • 皮膚がんチェック
  • 脂漏性角化症( seborrheic keratosis: SK )と日光角化症(Actinic keratosis : AK)
  • 乾癬
  • 有棘細胞(扁平上皮)癌(SCC)
  • 基底細胞癌(BCC)
  • メラノーマ
  • ニキビ
  • 酒さ(Rosacea)
  • アトピー性皮膚炎
 
Dexterが白人のコミュニティーなことも関係しているのでしょうが

患者さんは殆ど白人で

皮膚がんチェックが圧倒的に大多数を占めます

SK, AKの鑑別とBCC, SCC, menalomaの診断

そしてサンスクリーンの徹底と、月一回の全身皮膚セルフチェックの指導がひたすら続きます

さすがにSK, AK, BCC, SCC, melanomaは見た目でかなり判断がつくようになってきました

これを日本へ帰国後、日本人の患者さんの診療にどのように活かすかが課題ですが・・・
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