今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

フロリダ旅行

2010-03-19 02:16:08 | その他
今回の休暇は、2週間フルに使ってのフロリダ旅行

旅程

  • 16日 Flight to Orlando
  • 17日 ケネディ宇宙センター
  • 18 - 19日 エバーグレーズ国立公園
  • 20 マイアミ市内観光 (予定)
  • 21 - 28日 西カリビアンクルーズ (ハイチ、ジャマイカ、ケイマン諸島、メキシコ・コズメル)
  • 28 - 29日 ユニバーサルスタジオ / オーランド市内観光 (予定)
  • 30日 Flight back to Ann Arbor

実はフロリダ旅行と言っても、1週間のカリブクルーズがメインです


オーランドの港から出航なので、その前後にフロリダも観光としました


日本でもたれるクルーズのリッチなイメージと違い


カリブクルーズは以外と安価です


crouise.comというサイトで検索すると分かりますが


安価なものは1週間で300ドル台からあります(食事なども勿論込み)


私たちは吟味の結果、評判の良いRoyalcaribbean社の西カリブ78日を選びました


ちなみに船はFreedom of the Seas号で


昨年 Oasis of the Seasという姉妹船ができるまでは、世界最大だったクルーズ船です


フロリダまでの足を、車にするか飛行機にするか直前まで迷っていましたので


エアチケットを買ったのは数日前


出発当日に確保されていたのは

  • クルーズ船のチケット
  • クルーズ船に乗るまで5日間のレンタカー
  • 2泊分の宿泊(オーランド市内)    のみ


フロリダでの観光内容、その後の宿泊地は当初未定で、現地についてから適宜確保です


学生の頃にフロリダ旅行をした時は、宿、交通手段の確保でずいぶん苦労しましたが


今はネットであっという間に解決です


ほとんどのチケットはexpedia.comのサイトを中心に買っていますが


tripadvisorのサイトで宿の評判を確認したり


他のサイトでさらに格安チケットを手に入れたりします


特にオーランドはネット、レンタカーを駆使すればおいしく旅行できます


オトクな宿泊プランが数日前に出たりしますので


レンタカーで足さえ確保すれば、郊外に格安(家族3人で一泊30ドル台)で泊まるか、高級ホテルに割安で泊まることも可能


またレンタカー代も安く、エコノミーカーが保険、税金込み1日30ドル台で借りられます


以上より、宿泊先にwirelessアクセスが有ることさえ気をつければ


あとは、持参した携帯カーナビを使って目的地まっしぐらです


久々の当たり当直

2010-03-08 14:07:05 | 家庭医療

アパート前の残雪です

この数日、急激に温かくなってきました

気温が摂氏10度にもなる日は暑いです

半袖で歩いている人もいます

そしてこれが24時間ぶりのまともな食事



日本から送ってもらった、博多ラーメンに

ありあわせの牛ミンチのニンニク炒め、チンゲンサイ、わかめ、半熟たまご

紅ショウガとごまを浮かべて出来上がり

海外で欲しくなるのはおいしいラーメン


日曜日は朝から24時間当直でした

といっても午前中アテンディングと回診してからは

新規入院と、入院患者さんの急変対応なので

日本で言うところの休日回診当番と24時間待機

当直時に急変や重症が多く「つく」人はこちらではblack cloudと呼んでいますが

私は経験上、その逆のwhite cloud (これもおそらく内輪の造語)

私がいるとサービスが落ち着くので、まわりから喜ばれます

ところが昨日は、回診をすませて一旦家に帰り昼食をとったあと

夕方、新規入院で呼びもどされてから

比較的重傷者の入院が重なりました

最初は救急から「急性膵炎」と受けた30台の男性

アルコールは飲まず、全く既往歴もない、薬、ドラッグとも無縁な男性

数日の腹痛で来院ですが、CTで膵尾部周囲に炎症像があるも

アミラーゼ、リパーゼ上昇は無し、血糖は300台

電話で申し送りを受けた時はなんとなく「おかしい」と思っていたのですが

患者さんと話をして、新たな所見が二つ

  •  1ヶ月まえから多飲、多尿、10kgの体重減少
  •  同じく数週間前から全身に発疹

HbA1Cを出してみると案の定 13以上

膵炎後の血糖上昇ではなく

DMの発症が先のようで

尿ケトン、代謝性アシドーシスの所見などから軽症のDKA

発疹は赤みが少ないので目立たないのですが

よく見ると水泡状のものから、痂皮化したものまで頭皮内も含めて点在し

赤みが少ないこと以外はまるで水痘のようです

本人は幼少期に水疱瘡に罹患した記憶が有り

まあそれでも二度目の水疱瘡も無くはないし

水痘のcomplicationで膵炎も稀ながらあるようです

結局

  • 腹痛(急性膵炎)
  • 糖尿病、DKA
  • 発疹(水痘?)

この三つのからみが??の状況で

ICUに入院してもらい

膵炎としてNPO
DKAの治療をしつつ
水痘疑いでdroplet precaution、ゾビラックス投与、翌日IDコンサルト

さらに興味深いのが

総コレステロール600台後半、トリグリセリド3000台

Diabetic Lipemiaです

それによる二次的な膵炎発症でしょうか?

などと考えているうちに

救急から連絡が入り

「入院です。3人お願いします。」

「1人は服薬で挿管しています。あと2人もICUに入れた方が良いかも。」

「こっちは1人なんだから、重症3人いっぺんに渡すなよ!」と呪いながら走り回っていると

アテンディングが件のDKAに興味を持って再来院

アテンディングは朝の回診をすませたあとは、帰宅して再来院することはめったにありません

よほど重症患者でも

患者さんの状態に興味を持ったのと、たまたまフットワークの軽い若手アテンディング(プログラムディレクター)だったので来てくれました

結局ICUには2人しか入らず

他の2人は落ち着いたので一般病床管理となりましたが

ICUの2人の管理で断続的に時間をとられ

睡眠を殆ど取れず翌朝帰宅

前日の夕食は全くとっていなかったのですが

食べた直後に寝るとGERDが悪化するので

朝食をとらずそのまま就寝

昼過ぎに起きて、24時間ぶりのまともな食事、ラーメンを堪能

今はそんな月曜の昼下がりです

今晩から4連続で午後7時入りの夜勤です

やはり老体には応えます

CNSローテーション~ナイトシフト

2010-03-03 13:15:38 | 家庭医療
3月の前半はCNS

CNSとはChelsea Night Seniorの略

チェルシー病院家庭医病棟の夜勤(ナイトシフト)です

以前も書きましたが、ナイトシフトはmole(もぐら)と呼ばれます

太陽をみることがほとんど無いからです

ただでさえ日照時間の少ないミシガンの冬にmoleはつらいのですが

家庭医病棟が大学病院、市中病院二つにあり、お産病棟も独自に運営しているため

レジデント2、3年目は年間ある程度のmoleをこなさなくてはいけません

ちなみに2年目の私には大学のmoleが2週間 x 2、チェルシーのmoleが2週間 x 1回まわってきます

2週間のmole生活が終われば、2週間のバカンス(カリブクルーズ予定)が待っていますので

耐え忍ぶのみです

ちなみに1週間のスケジュールは

  • 日曜日 7AM-7AM (24時間)
  • 月-木  7PM-7AM (12時間)
  • そして金曜日朝当直あけ午前中が外来
  • 土曜日いっぱい休み

大学の病棟ナイトシフトは本当につらいですが

実はチェルシーのナイトは以外と楽(多分)

というより当たり外れが有ります

一晩での入院は平均1-2人なので運がよいと新規入院ゼロの夜も有ります

そして入院患者さんがICUに入っておらず安定していれば

病院に必ずしもいなくても良いことになっています(大学病院は病院張り付きが必須)

つまり同僚からのサインアウト(引き継ぎ)も電話

救急からの入院受け入れ、入院時指示も電話でOK

入院中の患者さんについても、大学病院と比べると看護士さんが自立しているので、よほどのことでないと呼ばれません

もちろん救急からの入院受け入れに関しては

救急の先生の診たてとサインアウト(引き継ぎ)をどれくらい信用するか

患者さんがどれだけ安定しているかによります

落としどころとしては、

病状が安定している真夜中の入院は、とりあえず電話で指示をしておいて

明け方早めに病院入りし、患者さんを自分でみてから指示のmodifyと入院時カルテのdictationをすませて、7時に引き継ぎ

いずれにせよ、本人の自信度によって家で仕事を済ませられます

こうしたルールは、実践的な意味で設定されています

つまり将来、田舎で病棟を受け持つ家庭医ともなれば

夜中に入院患者さんが入っても、翌朝に外来があることを考えれば

患者さんの病状次第で、必ずしも夜中に病院入りすることが得策とは限りません

そうした将来の診療パターンに備えるという意味で、大学病院以外の地域市中病院に病棟を持っていることは

レジデントのトレーニングとして大きなメリットとなっています

ガラパゴス旅行

2010-03-02 00:25:13 | その他
今月後半には次のバカンスが待っているというタイミングで

前回のバカンス、昨年11月の「ガラパゴス旅行」について書きます

家族全員で「過去最高の旅行」と口を揃えた旅で

うまく伝えようと思っているうちに、なんとなく書きそびれてしまいました

とりあえず「お金はかかったけれども、良かったのでその価値はある」ということが伝えたいので

とにかく書きます、坦々と


ガラパゴスといえばダーウィンと進化論

ゾウガメ、陸イグアナと海イグアナ

赤道直下のエクアドルに有り

直行便はありませんので、エクアドルのキト( or グアヤキル)経由になります

日本から来ると、アメリカ国内で乗り換え、さらにキト1泊ですので

片道で2-3日の大旅程です

ですから「アメリカ在住のうちに絶対に行きたい」となった訳です

昨年ガラパゴスに行った友人(けいじゅファミリークリニックの吉岡先生)から

ガラパゴスの話を聞きながらスライドを延々と見せられて以来という話もあります


私たちの旅程は全8泊9日

キト3泊、ガラパゴスクルーズ船3泊、ガラパゴスの島に1泊、グアヤキル1泊でした

キトはエクアドルの首都で標高2850mにあります

赤道記念碑や歴史的建造物も多く、博物館も含め、観光するものがたくさん有ります

内部が全面金箔のサグラリオ教会は圧巻でした


ガラパゴス諸島の観光はクルーズ船に宿泊するか、島に宿泊して観光することになります

私たちはサンタクルス号というクルーズ船に乗りました

島には様々な動物と雄大な自然


海イグアナ、赤色は海藻の色


クルーズ船のデッキの上から島の絶壁を前に



ガラパゴスで良かったこと
  • ペンギンと泳いだ- これができるのは世界中でここだけだそうな
  • 無数のウミガメに囲まれて泳いた
  • アシカと泳いた
  • 幸運にもシャチと遭遇し、ゴムボートでわずか5mの距離を並走した
  • クジラにも遭遇
  • 船上からの星空が圧巻
  • 船上で刺身を堪能


島のホテル(フィンチベイホテル)


リクガメ