今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

STEP2CKの結果~OASIS trickはもはや使えない

2008-01-06 00:55:12 | USMLE
「Your Score Report is Available」というメールが来ました

試験が終わってからちょうど1ヶ月目です

実はこの数日、インタビューの為に渡米直前だというのに「落ちたのでは・・・そんなはずない、いや・・・」とやきもきしていました

落ちていたら再受験しても間に合わないので、渡米してインタビュー受けても無意味ですから・・・

ある情報では、STEP2CKの結果が試験後3週ほどで出るとありました

試験を受けたのが12月4日

そのため私はOASIS Trickと呼ばれる方法でこの1週間、毎日試験の結果を確認していました

OASIS Trickとは?

ECFMGのホームページからOASISというシステムを使って、オンラインでUSMLEの試験を申し込むことができます

Interactive Web Application (IWA)というボタンをクリックして、誘導されるがままに試験の種類を選択します

もしSTEP2CKに合格していると、STEP2CKを申し込むボタンをクリックしても
「あなたはこの試験に合格したので申し込めません」
と出ます

つまり、「試験の申し込みプロセスがブロックされることから、合格を知る」

これがOASIS Trickと呼ばれるもので、郵送で結果が送られてくるより数日早く合格を知ることができます(できました)

STEP1の時は実際にこの方法で合格を早く知ったのですが、今回はSTEP2CKの試験申し込みプロセスが普通に作動してしまうのです

「え・・・、落ちたの?」

疑心暗鬼になりながら毎日ECFMGにアクセスしていました

ところが今日、メールを受けてアクセスしてみると、オンライン上に合否の発表と、点数まで表示するPDFファイルが載せてあるではないですか

結果は、無事合格でした 

目標以上の点数でした

どうやら、STEP2CK(おそらくSTEP1も)の合否発表もオンライン上ですることに変更になったようです

ちなみに、合格を知ったあと再度OASIS Trickを試してみると、まだSTEP2CKの申し込みが作動します

システムが変わったのでしょう

オンラインで即時の発表となりましたので、いずれにせよOASIS Trick自体の意味がなくなりました

自分がOASISにTrickされた一週間でした 

USMLE STEP2CKの準備2 USMLEWORLDを使いこなす

2007-12-15 02:01:54 | USMLE
STEP1ではKaplanのQBankを使いましたが

STEP2CKはUSMLE WORLDのQBank を使いました

理由は、評判が良かったからです

日本人のブログ、留学紹介本やUSMLE受験者用サイトのprep4usmleUSMLE Forumでも勧められていました

そして何よりも安い!

Kaplanの半額ぐらいです

STEP1のKaplanではQBankの契約をケチって1ヶ月にしたら、きついスケジュールでえらい目に遭いました

なので今回はリッチに2ヶ月契約

といってもその間、3週間ほど渡米してミシガン、オレゴンを回ったり、STEP2CSを受けていました

その間ちょっとはすすめられると思っていましたが、全然そんな余裕はなく、

結局、契約期間内に全て終えるのは無理でした

それでも大丈夫

なんとUSMLE WORLDは1週間単位で、延長できるのです


さて、本題の使い勝手です

KAPLANのQBankでは、資料の印刷や、コピーペーストをできないようにプログラミングされていましたが、

(windowsでいうところの)スクリーンキャプチャーというコマンドを使ってPDFファイルとして保存することができました

MACでは同じ機能はスクリーンショットといって、Shift」キー、「Command」キー、「4」キーを同時に押せばできます


ところが・・・

USMLE WORLDのQbankはスクリーンショットができません!

やろうとすると、「今度このような不正行為を行うと契約解除します」という内容の警告が出ます

そして最大の難点は、USMLE WORLDの画面がデスクトップの前面に陣取ってどかないこと

例えば、復習をしながらオンライン上で辞書や、画像、Uptodateをみたりという行為が全くできないのです

後ろが全然見えません

仕方が無いので、パソコンを二つ並べて、一つはUSMLE WORLD用、一つは辞書やその他の調べもの用と使い分けるしかありません

パソコンが二つある自宅ではそれで良いですが、出先ではもう無理!

ところがMACで先日 LEOPARDが発売になり、一つのパソコンでUSMLE WORLDとオンライン検索を同時に使えるようになりました

それはSpaces機能を使うのです

SpacesでUSMLE WORLDとオンライン検索を別々の画面に設定すれば、何とか同時に使えます

ただし、USMLE WORLDが立ち上がっている間は、USMLE WORLDと関係のないソフト上でも文字のコピーペーストができません

長い病名でも、検索するときはいちいち一語一句打ち込みなおす必要があります


STEP2CKではKaplanのQbankはやりませんでしたが、お金の余裕があればそちらの方が、多少の使い勝手が良いかもしれません

ただ問題は相対的に簡単らしいです

フォーラムで99点を取っている人の書き込みをみると、大多数の人たちがKaplanとUSMLE Worldの両方をやっているらしいです

高得点を目指す人は、

Qbook→Kaplan Qbank→USMLE World Qbank

のパターンをお勧めします

私も時間があれば、絶対そうしていたと思います

スケジューリングの失敗にちょっと後悔です

カプランのSTEP2CS 5日コース

2007-12-12 00:13:43 | USMLE
STEP2CSの本番直前に、カプランのSTEP2CS 5日コースを受けました

カプランのPalo Alto校が主催するコースを受けてから、2日後にロサンゼルス会場で試験です

移動に1日かけて、直前1日はのんびり過ごして

間隔はちょうど良かったです

名古屋カプラン校がつぶれたらしい、ということもありSTEP1、STEP2CKはどこにも通いませんでした

が、さすがにSTEP2CSはカプランを受けました

日本人のほぼ全員がカプランを受けているとのこと

高いお金を払っても、落ちて再渡米するよりはまし

参加者は全部で15名

内訳は多彩です

日本人2人、中国人1人、韓国人1人、クェート人1人、ドイツ人1人、パナマ人1人、イタリア人1人、シリア人2人、ルーマニア人1人、インド4人

やっぱりインド人が多いです

ただし、インド人でもビザの状況は様々

アメリカ人と結婚していたり、まだ本国にいてビザはとっていない人や、インド人と言っても米国のグリーンカードを持っていたり・・・

日本人の2人とはっきり違うのは、皆がアメリカに永住して、医師として良い生活を確立したいという人ばかりという事です

帰国する気はさらさらないとのこと

皆それぞれに道を切り開こうと必死で、若手講師(エルサドルバドル出身の外科医)に、どうやったら外科のレジデントのポジションをとれるか等を食いつくように質問をしていました。


本題のカプランのコースについては、カプランとの契約がありますので詳しくかけないですが

受けてよかったかと聞かれると、「良かった」です

特に精神衛生上

何が待ち受けていて、何をするべきかを、徹底して叩き込まれます

「STEP2CSは患者さんの診察ではなく、点取りゲームなんだ」

「It's a play!」

SPも演じているんだから、受験者も演じなさいということです

カプランのコースを受けなくても受かっていたかもしれませんが、パニックになってハマっていたかも知れません

わざわざ海外に行って受ける試験なので、受け直すリスクを考えると、カプランへの投資は絶対に買いだと思います

またシリア人と仲良くなって地中海料理を食べにいったり、クェート人とベトナム料理を食べにいったり、ドイツ人と中華を食べにいったり

Palo Alto校の会場があるmountain viewはおいしいレストランが多く、エンジョイできました



STEP2CSの試験

2007-12-11 23:32:04 | USMLE
STEP2CKの試験が終わった次の夜、ECFMGから

「Your Score Report is Available」というメールが入っていました

STEP2CSの結果が出たらしい

結果が出るまで1~2ヶ月といっていました

今は混んでいる時期なので2ヶ月をみていましたが、まだ試験後40日目位

ちょっと意表をつかれました

ドキドキしながらサイトにアクセスしました



結果は一言 「PASS」


これだけ??



点数はおろか、何の解説もありません

下には ICE/PASS, CIS/PASS, SEP/PASS

落ちていれば、詳細な解説と点数がもらえるらしいのですが・・・

ICEとはIntegrated Clinical Encounter

CISとはCommunication and Interpersonal Skills

SEPとはSpoken English Proficiency

それぞれの項目が60%できていないと通りません

多少つたなくとも普通にコミュニケーションがとれれば、CISとSEPは殆どの人が95から100%とれるらしいです

問題はICEです、落ちる人は殆どこれで落ちるそうです

ICEはHistory, Physical, Noteつまり,病歴,身体診察,カルテ記載の合計で決まります

病歴と身体診察は,SPが点数を決めます

何かを上手にできたかではなく,それをやったかどうか?です

例えば、呼吸音を聞いたかどうか?

「I'm going to listen to your breathing sounds」

宣言をして,胸壁に聴診器を当てて,

「Breathe in, out」

それを左右,4カ所で繰り返します

「Your breathing sounds are fine」

実際の音はほとんど聞いていません

いちいちわざとらしく宣言をしないと,SPがやったことを認識しない場合もあります

「はい,これから手を洗いますよ~」

「今,あなたのお腹をみています。特に皮膚の変色や手術の跡は無いようですね~」

空々しいですが,役者のように医者役の台詞を淡々とこなしましょう

誰かが言っていましたが「点取りゲーム」そのものです

Noteも順番はある程度ごちゃごちゃでも,話した事,診察した事をもれなく箇条書きにします

とにかく,たくさんの事に言及している方が得なのです


そしてこういったコツを教えてくれたのがカプランの合宿です

カプランに参加していなくても合格したかもれませんが,

もし生まれ変わって同じ試験を受けるとしてもまたカプランに参加します

お高いですけど,再渡米するよりはましです

いや~とりあえず安心しました 


PS. 受験するならロス会場がお勧め
 
 比較的新しい会場で、空港のすぐ近く

 噂ではロス会場のSPが一番やさしいとか・・・あくまで噂です

STEP2CK本番中にオラがやってきた

2007-12-05 00:13:15 | USMLE
それは、残り30分のところで突然やってきました

小さなミスはありながらも、何とか1時間のセッションを7つ時間内に終えて、さあいよいよ最後

ちょうど半分終えて時計をみると、良いペース

さすがに疲労困憊で、頭も何となくボーッとしてきました

試験会場は、暖房がよく効いており、上はTシャツ一枚になって試験をしていたのですが、

暑い!

汗が止まりません

ますます頭にモヤがかかってきました

「さっきジュースで糖分補充したのに、長時間頭を使ったせいで低血糖か?」

と最初は思ったものの、

手足は汗ぐっしょり、シャツをあおいでも滝のような汗が・・・

だるくて座っているのもつらく、

手足の感覚もにぶくなってきました

自分で頸動脈を押さえても、脈も特別速くありません

時計に目をやりながら、なんとか最後まで・・・

「低血糖?インスリノーマ?気を失ってしまうのでは?、渡米前にそんな病気に・・・」

集中力は完全にそがれ、字面を追っても全く頭に入らず

仕方が無いのでキーワードだけおって、答えようとするも案の定さっぱり

「何でもいいから、クリックしよう」

絶望的になりながら、永遠に思える時間が過ぎて

ふと時計に目をやると残り8分で5問

「間に合いそうだ・・・」

気がつくと、感覚が元に戻っています


こっ、これは・・・パニック発作?!」




そう思うと、残り5問はうそのよう

さっさとすませる事ができました

発汗、コントロール喪失の恐怖、手足の異常感覚、(多分)過呼

診断:パニック発作
いちおう鑑別:低血糖(インスリノーマ)、褐色細胞腫

医者としてパニック発作(障害)の患者さんは数多く診療してきましたが、まさか自分が・・・

Uptodateでも
「生涯のうちにパニック発作を起こすのは3人に1人」
(パニック障害でなくパニック発作だけなら)

とあります

もともと不安や抑うつを蓄積するキャラではありませんので、パニック障害に進展する事は無いと信じていますが

いや~、かなりのストレスを感じていたんでしょうねえ~

合否に影響するほどのダメージは無かったと思いますが、良い経験になりました

USMLE STEP2CKの準備1

2007-11-26 16:26:17 | USMLE
STEP2CKを直前に控えています

STEP1に時間をかけすぎたせいで、こちらは正味2ヶ月位しか準備ができず焦っています

せっかくSTEP1がまずまずだったので、大きく悪い点をとって心象を悪くしないようにしなければいけません


詳しくは試験が終わってから書きたいと思いますが、現在まで使った教材は

問題集
 
KaplanのQ Book
噂通り、簡単です

USMLE WORLDのQ Bank
STEP1ではKaplanのQ Bankを使いましたが、複数の情報で、STEP2はこちらの方が良いとの事でした。

内容は良いのかもしれませんが、正直、使いにくいです。

MACのOS10 LEOPARDを駆使して、使いこなすコツを途中で発見しましたので、後日書きたいとおもいます。


NBME
http://www.nbme.org/
 
STEP1の前にやったので、今回も直前に1つだけやる予定ですが、解説も無く見直しもできないのであまり時間をかけたくないです。

STEP1のときは、このテストから予想した点数と本番の点数が二桁スコアで10点位かけ離れていましたので、あまり信用していません


全体を通した参考書

FIRST AID for STEP2CK
一応購入しましたが一度も読んでいません。
本番前に、産婦人科だけでも通読しようとは思っています

科目ごとの参考書

産婦人科 

BlueprintsのObstetrics & Gynecology
一度通読しました
 
小児科
何も購入せず
問題をやりながらSTEP1のFIRST AIDをみるぐらい
 
内科
イヤーノートを見るくらい

外科
何も購入せず

予防医療

何も購入せず


35歳は悩める年頃

2007-09-21 00:01:54 | USMLE
STEP2CKのPsychiatryでErik EriksonのThe Developmental Stagesが出てきました。

概略だけピックアップしました。(詳しくは上のリンクを)

1. Infancy: Birth to 18 Months
Ego Development Outcome: Trust vs. Mistrust
Basic strength: Drive and Hope

2. Early Childhood: 18 Months to 3 Years
Ego Development Outcome: Autonomy vs. Shame
Basic Strengths: Self-control, Courage, and Will

3. Play Age: 3 to 5 Years
Ego Development Outcome: Initiative vs. Guilt
Basic Strength: Purpose

4. School Age: 6 to 12 Years
Ego Development Outcome: Industry vs. Inferiority
Basic Strengths: Method and Competence

5. Adolescence: 12 to 18 Years
Ego Development Outcome: Identity vs. Role Confusion
Basic Strengths: Devotion and Fidelity

6. Young adulthood: 18 to 35
Ego Development Outcome: Intimacy and Solidarity vs. Isolation
Basic Strengths: Affiliation and Love

7. Middle Adulthood: 35 to 55 or 65
Ego Development Outcome: Generativity vs. Self absorption or Stagnation
Basic Strengths: Production and Care

8. Late Adulthood: 55 or 65 to Death
Ego Development Outcome: Integrity vs. Despair
Basic Strengths: Wisdom


うちの子はちゃんと育っているだろうか?と気にしながらみていると、

Stage1から3までの発達に重要なのはやはり家庭内の関係。

Stage4は学校や近所との関係。stage4は6歳から。それまではやはり親が全てを決めてしまうんだ~

と思いながら読みすすめると35歳からのStage7は「責任」の時期。

key wordは「generativity」

日本語では生産性とでも訳すのでしょうか?

自分が社会、家族にとって意味があるのか。自分の人生の目的、意味を新たに自問自答する時期らしい。

やはり・・・

先週も高校の同級生と飲んでいてたまたま話していたのだが、

「同級生はみんなそんな話題だよ・・・(人生の意味、家庭内での役割、自分の転機についての悩み)」

この状態を乗り切れば、「40にして惑わず」に至れるのだろうか?