大阪港の南部へと注ぐ木津川に背を向け、かつての川口居留地に位置するこの建物は大正10(1921)年頃の建築ですが、建築主など詳しい事はまだ良く分かっていないようです。 大阪府大阪市西区川口1-4-20他 08年01月上旬他
※参考『大阪府の近代化遺産』 2007
『モダン・シティふたたび 1920年代の大阪へ』 1987
5階建てのビルを挟んで南側の棟。 建物は1階が事務所で2階が居住スペース、地下は居住用や物置として使用されてきたと伝わる。
アール・デコといった味付けの玄関装飾。
南棟の一番北側の部分は、良く見ると階高も微妙に異なるし独立しているように思えます。 元は北側の棟に続いていたのでしょうか。
こちらは北棟。 当初は似たような建物が他にも数棟あったようです。
(旧)新大阪新聞社社屋という情報もありますが正確かどうか分かりません。
正面からは分からなかったのですが裏手の2階部分には幅60センチほどのバルコニーが全面に設けられているという。
ちょうどこの建物がある辺りには大阪で初めてのカフェー・キサラギが明治末に開業し、木津川を挟んだ向かいの江之子島には大正末まで大阪府庁が置かれていました。 近代大阪の中心地で流行の発信地でもあった旧川口居留地の面影は今では微かに残るのみとなっています。