Yahoo!ニュースでオリジンが『キッチンオリジン』化(イートイン強化)を加速しているという記事が出ていました。
まるで外食と中食の融合の新業態のように書かれていますが、要するにデリカテッセンになっているということですよね。もっとも、デリカテッセン(もともとはドイツ語)はもともと惣菜店という意味で、イートインは含まれていないので記事そのものは間違いではありません。でも最近はイートインができるデリが増えているので、勝手なイメージとしてはデリカテッセン=惣菜+イートインです。
ただ、現実に全国展開しているチェーン店が少ない(ない?)のは確かです。だからなのか、イートインできるコンビニが増えていますね。オリジンもコンビニとの競合が厳しく、より明確に差別化したかったというのが大きかったのかもしれません。本来、コンビニの主力顧客は男性、オリジンは女性をイメージしていたのかもしれませんが、コンビニが健康志向に力を入れ始めている今では、そうとは思えません。
女性の場合、家族がいるいないにかかわらず、全部を持ち帰り総菜で食事をとるより、補助のケースが多いと思うのです。たとえば1人~2人暮らしの女性なら主菜は作って、副菜のサラダは惣菜とか。理由はいくつかあるでしょうが、主菜は魚なら魚、肉なら肉を買えばいいですが、野菜は多品目をとりたい。10品目のサラダなんて、個別にスーパーで買うのは大変だし、それならカット野菜か惣菜で済ますという感じではないでしょうか。そうなると、オリジンよりコンビニの方が痛いところに手が届いているし、何より店舗数で勝てません。
そこでイートイン強化というのは戦略としてはわかります。
外食でもできるだけ栄養バランスを気にしたものを食べたい、特に女性1人で、となると、ふつうのレストランに入るのは抵抗がある人もまだまだ多いし、そもそもそんなニーズに対応している店が少ないです。地方だと地域によってはゼロかもしれません。外回りで働く女性自体の総数が少ないと、ニーズそのものがなく、チェーン展開しにくい理由はそのあたりにあるのかもしれません。
実際、都内でもまだ少ないです。
ちなみに……
玄米+本日のスープ+タンドリーチキン+ポテトサラダ(?)+セロリとごぼう。温主菜+冷菜+副菜に主食、スープが惣菜セレクトのフォーマットです。ランチで1000円は青山だとむしろ安い?
野菜のアランチーニ+サラダ2品(名前忘れる)。行ったのが夜だったので、セットメニューなし。
多店舗展開しています。東急プラザ銀座で注文。上は1,200円のセットですが、パターンはいくつかあるようです。
考えてみれば、ほかに多店舗展開なのは、Muji Cafeもありました。銀座だとGRANO DELICATESSEN BARもありますが、こちらはバールに近いイメージです。
Muji Cafe
これで1,000円のセットは、味や内容以前に見た目が地味すぎる。ショーケースに親切にカロリー表示があるのはいいのですが、思った以上に高カロリーです。温惣菜が200カロリー以上が平均で、冷惣菜で100前後。おおまかに足して、主食抜きで600カロリー強で、この1プレートと量ならエネルギーだけがヘルシーかどうかの基準でないにしても、ちょっと考えてしまいます。店視点に立てば、カロリーの情報公開も良し悪しといったところでしょうか。
もともと屋台文化のあるアジア食。もっと気軽に利用できる感じのデリがあってもいいと思いますが、日本人はあまり味覚的に合わない人も多いので難しいのでしょうか。でも最近パクチー専門店がいくつかできているとか。