少し前のニュースだが、東急ハンズが都心部や駅ビルなどを中心に小規模店「ハンズビー」の展開を加速するという。もともと東急ハンズは、渋谷、横浜、池袋などの都市部大型店からスタートしたわけだが、最近では郊外型のショッピングセンターのテナントとして入ることが増えていた。都市部に大きなスペースを確保することが容易ではないこと、雑貨中心の展開ゆえ郊外に住む生活者と近いことの必要性等を感じてのことだと思うが、小型店を軸に都市部に戻るということのようだ。
要因としては、生活者の都心回帰や小型化で成功しているプラザ(旧ソニープラザ)、成城石井Selectなどを見据えてのことだと思う。モノがあふれる中で、自分好みを探しだす楽しさがないとは言えないが、ネット通販が普及し、買物が合理化していることも確か。都市部の大型ショップは、人ごみも激しくことのほか疲れる。私も例えば書籍やDVD、CDなどがほしいと思ったとき、以前は紀伊國屋やTSUTAYAなどで探したが、最近は使い分けている。ほしいものが決まっていて、なおかつ急がない時はアマゾンなどを利用する。雑誌は近所の本屋や駅の売店。大型店に以前ほど行かなくなった。最近コミックを購入することがあり、(多分)初めて紀伊國屋のコミックフロアに行ったが、わかってはいたもののその作品数の豊富さに圧倒され、コミック大国を実感した。コミック好きの人たちにとってはさぞ楽しいだろうと思ったが、立ち読み防止のためにビニールカバーがかかっているので、意外とそうでもないなと考え直した。もちろん立ち読みで完読されてはたまらないので、仕方ないことだが、作品エッセンスの店頭での情報提供など、もう少し工夫がないと、大型店でほしいものを探し出すのは難しく、結局ネットや口コミに頼ってしまう。
東急ハンズに話を戻すと、時間をかけて店に行き、さらに時間をかけて商品を探す大型店も必要だが、もう少し身近にすぐにほしいものが見つけられる小型店にはさらにニーズがあるのだと思う。特に文具やちょっとした工具などは、最近めっきり昔ながらの文房具店や金物店が都市部からなくなり、コンビニにない品揃えの商品はすぐに買えない不便さがある。私は一応法人なので、アスクルのような宅配を利用しているが、本当に今すぐにほしいときにはタクシーで都心まで出かけなければならない時がある。例えば子どもが文房具を買うときなど、都心にアクセスする機会の少なければコンビニの味気ない品揃えで我慢しているのだろうか(郊外ならホームセンターや大型スーパーで買うそうだが)。そう考えれば、東急ハンズの小型店、品揃え次第だが、個人的にはたくさん出店してほしいと思うが…。