ensemble マーケティングの視点

日常生活と趣味を綴る個人的散文です。タイトルに反し、仕事に関する話は書きません。

Amazon Goは大きな自動販売機として成長できる?

2016-12-07 21:58:28 | マーケティング

Amazonが元気です。元来のネット通販事業も好調ですが、次々新機軸を出し、話題性の意味でも、他のEC事業中心のIT企業の一歩先をいく感じを醸し出しています。

日本ではダッシュボタンの発売とサービスが始まり、本国アメリカではAmazon Goの実験店舗がオープンするそうです。

ダッシュボタンは注文を簡単にするという意味で、リピート品のヘビーユーザーには便利でしょうが、消費者視点で画期的かといえばそこまでではない気もします。kindleもワンプッシュで電子書籍の注文が可能ですが、熟考せずに買ってしまい、時々後悔しています。簡単に注文できれば、その分注文を取り込むことはできるでしょうが、電子書籍と違い、即時荷物が届くわけではありません。すぐ欲しい日用品なら、近くのコンビニがの優位性はまだ脅かすことはできません。

だからというわけではないでしょうが、Amazon Goは実店舗でありコンビニです。アメリカはカード社会の歴史も古く浸透していますから、そんなに消費者に抵抗がないかもしれず、ここではあくまで日本にできたら、という視点で考えてみます。

日本で小売りの現場での自動化やIT化は、思ったほどまだ浸透していないように感じます。いまだ現金社会であるということもひとつですが、これはクレジットではなくプリペイドカードの普及で、ある程度は解消されてきています。カタログ通販はECに取って代わられようとしていますし、亀の歩みであってもIT化は着実に進行しているようにみえますが、この普及を加速させているエンジンは、皮肉なことに実店舗にあります。

その代表格がセブン-イレブンやローソンなどのコンビニでしょう。たとえば、コンサートやスポーツ観戦のチケットは、今ほとんどネットで注文されています。でもそのチケットはコンビニで発券してもらえ、現金で買う場合には精算もしてもらえます。配送よりも発券時期を自分でコントロールできるので、私は結構利用していますし、現に今一番日本でチケットを売っているのは、プレイガイドでもIT企業系チケット販売でもなくローチケだそうです。プリペイドカードを広く普及させたのも、コンビニの力によるところが大きいと思います。

コンビニというのは、接客に関しては大型スーパーマーケット以上にアナログな店です。多くのスーパーが省力化しているレジの袋詰めもしてくれますし、箸やフォークのサービスもセルフではありません。

コンビニは黎明期から成長期こそ、若い人や男性がターゲットの中心でしたが、人口動態の高齢化もあいまり、大型スーパーより親切で身近だという点が受けて、今ではむしろ高齢者に人気が高いのです。

また近くのスーパーにはセルフレジがあります。でも無人ではなく、20台ほどに2人以上は人がつき、マシントラブルや空いたレジへの案内、使い方の相談など顧客対応をしています。

そう考えると、Amazon Goはコンビニの代替にはならないし、大型スーパーはさらに厳しい。日本でもICチップによるレジ通過実験はずいぶん前から行われていますが、実用化に至らない理由は技術的なことだけではないのかもしれません。

だからといって、Amazon Goが日本に進出の余地がないかといえば、大規模な駅のキオスクや自動販売機に代わるものとしてはあり得るのではないでしょうか。私自身、あまり自動販売機は利用しませんが、新幹線など長時間乗車する駅では別です。売店はお土産やお弁当を買う人で混雑しているので、飲み物だけ買うには自販機の方が便利だからです。最近は交通カードで精算でき小銭も不要です。飲料に限らず、電車に乗り遅れないように早く買いたいと考えるのが多いのが駅ですが、人件費の問題かキオスクを設置できる駅やその軒数も限られてきています。

まったくの無人店舗にするには課題はありますが、駅や空港なら親切な接客や豊富な品そろえより、利便性とスピードを重視する出張客には重宝される気がします。Amazonなら現時点でも、そうしたターゲットにささる品ぞろえは豊富ですから、マーチャンダイジングでもキオスクや駅内コンビニとは違うポジショニングを築けるでしょう。

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