今月最初の週末に温泉に行った。京都での仕事帰りに夕食に間に合う場所ということで選択肢は限られ、結局琵琶湖湖畔がいちばん近いと、おごと温泉へ。
“おごと”と聞いて、何だか怪しげな想像をする人もいると思う。という私も、ちょっと選ぶのに抵抗があり、旅館の予約をする前に、ネットで調べてみた。おごと温泉はもともと「雄琴温泉」と書き、漢字で書いたほうがなじみがある人が多いだろう。私も1年近く前におごと温泉駅が最寄の場所に用事があって出かけたが、単に駅名がひらがな表記されているだけだと思い、地名が変更になったことは知らなかった。ネット情報によると、昔の雄琴のイメージを払拭する目的で、漢字表記をやめたらしい。あまり変わらない感じもするけれど、温泉旅館も改装をして、女性客誘致に努めたことも効を奏し、年々客層に広がりをみせているという。
まあ、そういうことなら、と初のおごと温泉に観光目的で出かけた。ロケーション的には、比叡山延暦寺に向かうロープウェイの乗降口である坂本にも近く、もっと栄えてもいいはずだが、旅館の窓からもう一つの雄琴を象徴する大きな看板が見え、なんとも中途半端な様相は否めない。宿泊客も夫婦、カップルは少なく、男性同士、女性同士がはっきり分かれている。イメージ刷新も道半ばという感じだ。
男性の聖地(という表現が良いとは思わないが)を忌み嫌うわけではないが、現実的に沈みゆく業態であり、温泉地側としてはどうにかしなければ生き残れないのが実際だろう。せっかく京都に近く、最近伸びてきているらしい古都の観光客にプラス温泉と湖畔の風景を提供できるベストロケーションを活かさない手はない。