25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

九州場所の女、旭大星のことなど

2017年11月20日 | 映画

 現在、大相撲の九州場所の最中である。そして連日何年か前に書いた「九州場所の女」へのアクセスが上位に入ってくる。驚いている。NHKの大相撲放送で、やはりこの女性が目につくのだろう。正面の砂かぶりや力士が力水を次の力士に渡す場面の後ろにいる時もある。着物は毎日替えてくるし、昨日などは太い縁のメガネをかけて洋服であった。この女性が気になってネットを検索する人が多いのだろう。

 本人は意図してそうしているのかはわからない。中須のスナック「田じま」のママさんだというから、たいへんな広告効果であることは間違いない。ぼくだって、博多に行ったら行ってみたいものだ。

 相撲の好きな客が来るのか、相撲部屋の親方や協会の幹部たちもくるのか、想像するだけである。それにしてもあの座る姿勢は横隔膜や腹横筋のような体幹筋は言うに及ばず、表層筋の腹筋や背筋もしっかりしていないとできない。彼女は四時ごろにやってきて二時間ほど観戦しているから、二時間、ちゃんとした姿勢で座っていることができるのだ。そういう人は画面に映る客の中でもたいへん珍しい。珍しいから何かエネルギーのようなものが出て来て、目を惹くのである。

 着物を着て観戦する女性も多いが、着物と髪形が合ってなかったり、化粧と着物が合ってなかったりする。いわばシロウトなのだろう。彼女の場合は一人凛として座って、髪形も着物も、あっと言う洋服も見事に着こなし、髪形も化粧も様になっている。クロウトになっている。それで画面の中から彼女だけが浮き上がってくるのである。

 さて今場所。白鵬が断然強い。逸ノ城も調子がよい。荒鷲も一敗をキープしている。玉鷲もよい。モンゴル勢だ。日本勢は相撲が速くなった隠岐の海と鞠のような貴景勝くらいである。稀勢の里は取り口を変えることくらいできないものかと、器用さがないのにため息がでてしまう。愚直であり、体格だけで相撲を取っているように見える。このままだと負け越しをしてしまう感もある。親方はどんな助言をしているのだろう。

 白鵬が幕内に登場したとき、「こいつは横綱になる」とピンと来たものだった。このピンと来るのがいない。御嶽海は大関くらいにはなるだろう、とか思うくらいで、あとは朝乃山の取り口をもっと見てみたいというところである。

 ところで、旭川で柔道をやっていた18才の青年が大相撲に入り、旭国の部屋に入門した。以前にもブログで書いたことがある。部屋を逃げ出したり、稽古の厳しさに挫折しそうになった。もう八年ほど前のことだと思う。旭大星という四股名になってぼくらの前に姿を現してから、つまり三時からの相撲中継に映り始めてからもう二年近くになる。体も大きくなった。やっとあの青年がここまで来たか、と感慨深げに見て、応援している。来年は結婚するという。奥さんになる女性が栄養バランスを考えた食事を作ってくれるとアナウンサーが言っていた。彼は日曜日の時点で6勝2敗である。十両である。もしも今場所勝ち越せば、十両上位に上がり、優勝でもすれば幕内昇進もあるかも知れず、期待して見ている。だが、今の立ち合いの馬力では幕内には通用しないだろうことは見ているこちらでもわかる。もっと激しいぶつかりが必要だと思う。思わず柔道技が出てしまうこともある。少年時代の癖というのはなかなか抜けきらない。

 頑張れよ、といつもテレビに向かって声に出して応援している。