今年もまた熊野古道を妻と二人で歩いてきました、熊野古道中辺路は数年前に後半(近露…本宮大社)を歩き前半(滝尻…近露)は昨年5月に歩いて一応通し歩きは終わったので次に小辺路を歩こうと昨年9月に予定して宿も予約したのですが直前になって台風19号の襲来で紀伊山地も大きな被害を受け入山禁止になって止む無く中止したのです。
【5/20】
新幹線を名古屋で紀勢本線に乗り換え日本三大ブランド牛の一つ「松坂牛」で有名なJR松坂駅から初めて乗る「近畿日本鉄道」で奈良県大和八木駅に向かいました、今度はここから路線バスで4時間近く掛かって中間点の十津川村川津BSで下車しましたが何しろ村で日本一広大な十津川村(672k㎡)の中を通過して新宮市迄の日本一長い路線バスですから乗っているだけで疲れました。
ここから又宿の車に迎えに来て貰い今晩の宿 農家民宿「政所」にチェックインしたのが(15:40)ですから君津BT(5:40)から丁度10時間掛かリました、宿には高野山から2日掛かりで歩いてきた先客(中年男性)が一人いて明日から私達と同じコースを歩くのですがとてもついては行けません。
【5/21】
天気は予報通リ夜中凄い雷雨でしたが朝には小雨になっていました、午後には晴れる予報ですからそれを期待して宿の女将さんに何時もより1時間以上早く朝食を作って貰い小雨の中出発(6:35)しました。
前日登山口は教えて貰って有りましたから迷うことは有りませんでしたが初めて着たポンチョを着たり脱いだりして手間取り30分近くタイムロスして漸く登山口に取り付きました、大きな神納川に架かる吊り橋を渡ると本格的な登山道が続きました。
雨は止んだと思うと小雨になったり本降りになったり又高度を上げる程に風が強くなったりと予想していたとはいえ難儀しました、その上途中道草食いながらですから時間が掛かります、3時間かかって漸く三浦峠(1,070m)に登り詰めました。
一休みして出発するころには雨も止み薄日も射してきました、ここからは殆ど下りですから今までより楽と思いきや下りも長く続くと膝に来て登りより辛いものです、お昼が回ったころ矢倉観音堂に着いたのでここで昼食休憩にしました、20分程休んで出発すると間もなく同宿の男性に追い着かれました、私達より1時間以上も後から出発してほぼ中間地点で追い越されたのです。
笑い始めた膝をかばいながら県道に下り立つとそこは西中BSで先行した同宿の男性がバスを待っていました、それを見た妻が「私達もバスに乗ろうよ」と言いましたが私は「ここでバスに乗ったら古道を歩いたことにならない」と言ってここから8.5kmの県道を歩いて今晩の宿「ホテル昴」に向かい(15:50)チェックインしました。
【ポイントタイム】
民宿「政所」(6:35)…登山道取付き(7:00)…三浦峠(10:00)(10:23)…矢倉観音堂(12:12)昼食休憩(12:32)…下山口集落(12:53)…県道西中BS(13:25)…河合神社(13:57)トイレ休憩(14:02)…ホテル昴ゴール(15:53)、所要時間9時間18分、歩行時間8時間00分、≒20km、≒37,000歩、累積標高1,375m、でした、出会ったハイカーは同宿男性だけでした。
【5/22】
登山の鉄則「早立ち早着き」ですから宿で昨夜朝食と昼食の弁当を作って貰い5時に部屋で朝食を食べ出かけました、昨日の疲れが少し残っていましたが今日は天気は良く風もないハイキング日和なので張り切って宿を出発(5:40)しました。
宿の近くのトンネルを潜ると直ぐ十津川の支流西川に架かる長くて狭い吊り橋を渡りましたが一人でも大きく揺れてスリル満点でした、最奥の民家の脇から登山道に取り付き急坂を登って行くと間もなく見晴らしの良い休憩ベンチが有ったので一息入れました。
ここから一登りで標高370mの僅か数戸の果無集落に着ましたが朝7時前なので誰も見かけませんでした、テレビで何度か見た集落ですから懐かしさが有りました、おばぁさんが畑の畔道で長い杖を持ちこちらを見てニッコリしているポスターがホテルなどに沢山貼ってありましたのでその畔道でおばぁさんの立ち位置に妻を立たせて写真を撮りました。
ここからいよいよ標高差740mの果無峠に向かいました、途中水田跡や茶屋跡の脇に建つ故事歴来の説明書き看板を読んだり数百メートル位の間隔で立つ三十三観音石仏や花などを撮影しながら登ると立派な果無観音堂に登り着きました。
ここで小休止してこんこんと流れ落ちる冷たい水で喉を潤してから大分近くなった果無峠に向かって急登に取り付きました、九十九折急坂を登って行き暫くすると上方が明るく稜線らしく見えるので急登もこれが最後かと登ってみるとその先に又急登が控えているのです、何度か騙され乍ら最後の胸突き八丁を登り切ると漸く果無峠(1,050m)に辿り着きました。
数年前から果無集落を通ってこの果無峠超えをしたいと思っていましたからその達成感は大きなものでした、峠は強い風が吹き抜け寒いくらいでしたが三脚を立て二人揃って写真を撮ったリ行動食を食べたりしてゆっくり休みました。
峠を越えれば後は下るだけですが今日も又延々と続く下りを思うと膝が心配です、然しこれで今回の急坂下りは終わりですから最後の頑張りで下りました、里が近くなった頃妻も私も大分疲れたので見晴らしの良い所で昼食休憩にしました。
里の集落に降り立つと県道脇に八木尾BSが有りましたが今日もバスに乗らず最後まで歩いて本宮大社を目指しました、一つ先のBSに着くと二人の男性に出逢いましたがその人達も本宮大社を目指して行くと言うので同行しました。
途中おしゃべりしながら歩いていると年配の方の男性が私の言葉使いを聞いて「何処ですか」と聞くから「千葉県です」と答えると「君津でしょう」と言うのです、何と図星で驚きました、それは私のしゃべる房総の「ぺぇぺぇ」言葉で分かったと言うのです、その人は市原市出身との事なので直ぐ分ったようです。
自分では標準語を使っているつもりでもかなりの「ぺぇぺぇ」言葉の様です、同郷のよしみで尽きないおしゃべりをしている内三軒茶屋に着きました、小休止の後二人には先行して貰い私達は相変わらず道草食いながらゆっくり歩きました。
ここ三軒茶屋は中辺路と小辺路の合流地点ですからハイカーも多くなり男女三人組や外人の夫婦二組等のパーティ―に追い越されましたがどちらも中辺路歩きだそうです、このルートは数年前に歩いたので記憶を辿リ乍ら歩いて行くと間もなく本宮大社にゴール(15:45)しました。
三度目の参拝をしてからバスで新宮に行きここから電車に乗り替えJR熊野駅で下車し宿の車に迎えに来てもらって今晩の宿「かんぽの宿熊野」にチェックイン(17:50)しました、本格的な温泉で汗と疲れを流した後ジョッキで乾杯したのは言うまでもありません。
【ポイントタイム】
ホテル昴(5:37)…登山道取付き(5:50)…休み場休憩(6:30)(6:35)…果無集落(6:43)(7:00)…水田跡(8:00)(8:03)…山口茶屋跡(8:13)(8:20)…果無観音(9:02)(9:07)…果無峠(9:55)(10:15)…昼食休憩(11:57)(12:19)…里集落(13:21)(13:23)…県道八木尾BS(13:34)(13:46)…三軒茶屋(14:40)(14:51)…祓殿王子(15:40)…本宮大社ゴール(15:45)、所要時間10時間08分、歩行時間8時間20分、≒17km、≒34,000、累積標高1,406m、でした、この後バスと電車を乗り継ぎ宿に向かいました。
【2日合計】
所要時間19時間26分、歩行時間16時間20分、水平距離≒37km、歩数≒71,000歩、累積標高≒2,800m、
HP URL outdoor (hacca
農家民宿「政所」にて 神納川に架かる吊り橋を渡る 開花前のギンラン
古道沿の吉村家跡の巨杉 木陰に咲く 三浦峠(1,070m)の
ホソイトソウ 看板と東屋の前にて
山肌をピンクに彩る 果無峠(1,050m)にて 「腹を割った」
アズマシャクナゲ ケヤキの大木
果無集落の石畳古道を行く 大揺れする西川に架かる 三度目参拝の本宮大社本殿
吊り橋を渡る
(NO1) 歩いた軌跡(1/25,000)の縮小図 (NO2) 歩いた軌跡(1/25,000)の縮小図
5/21 スタート五百瀬(民宿政所)~ゴールホテル昴 5/22 スタートホテル昴~ゴ