D9の響き

Guitarを肴につらつらと・・

Forty Reasons('91)/Chad Wackerman

2006-05-31 20:32:35 | allan holdsworth
Chad Wackermanは私のお気に入りドラマーの一人です。
1960年生まれで、かつてのお坊ちゃま君も最近では相応の風貌になってしまいました・・あと1月少々で会えるのかな・・。
これは、そんなChadの1stソロアルバムです。

'91年6月にレコーディングされ同年にドイツとUSAでリリースされました。
日本盤は'93年JIMCOから出ており、丁度私がHoldsworth先生に入れ込み始めた頃だったので、リリース直後に運良く巡り合えました。
当時、Wardenclyffe Towerと90分のカセット裏表に入れて聴いてたので、出番が減った今でも耳にこびり付いてます。

かつてChadのインタビュー記事を読んだ折、彼がMacを使って作曲してると公言してた記憶があります。
・・やっぱMacかな・・と当時は思ったりしてましたね・・確かQuadraシリーズでしたか。
まだWindows95が出る前、しかもCPUクロックが160kHz(!)でハエーッてな時代でしたから・・。
10年一昔とはよく言ったものですね。

さて、この作品のメンツは4名のみ。
Chad(D)、Allan Holdsworth(g)、Jim Cox(keys)、Jimmy Johnson(b)らによるバンドアンサンブルです・・しかも各自が楽器を限定してるのがいいですね。
メンツではJim CoxがCarl Verheyenつながりでの参加になるようで、ChadとCarlの共作(#4)もあるなど、当時の交友関係も伺い知ることができます。
ちなみに、Chadの2ndではCarlとHoldsworth先生が半分づつギターをシェアしてます。

曲については、特記なき限りはすべてChadの曲です。

#1.Holiday Insane(狂暴な休日):
タイトルと曲調がいまいちマッチして無いような・・でも聴いてると‘ウガーッ’って気になって来ますね・・。
Jimmy Johnsonに気合が入りまっくってる感じがします・・たまにはワシもやるでェェ・・ってか?
先生のギターも気持ちよさそうなのがいいですね・・いい感じでダブってます。

#2.You Came Along:
SE的に節目に入る不協和音は、当時確かにTVなどでそのままSEとして使われてたのを良く耳にしました。
テーマの旋律は、先生のコードとスケールの関連性の意味をそのまま説明できる、いいサンプルかもしれません。

#3.Forty Reasons:
4人の共作・・各自10こずつネタを入れよ!・・ってなことだったのかな?
ちょっとZonesを思い浮かべるようなフリーインプロ的な展開でありながら、固定されたフォーマットを感じる、まさにスポンティニアスな曲です。

#4.Fearless:
ChadとCarl Verheyenの共作。
この‘ポヨポヨ・・’というSEも、あちこちで耳にした記憶があります・・FMの番組とか・・。

#5.Quiet Life:
美しいテーマと、先生の荒々しいギターとの対比が狙いなのか・・?

#6.Waltzing On Jupiter(木星円舞曲):
先生以外の3人の共作・・ギターレスです。
JIm Coxのエレピが効いてます・・Jimmy Johnsonも良く聞けば・・すごいことやってます。

#7.Tell Me:
構成が分かり易い良い曲だと思います。
ポイントはベースの動きで、一聴すれば実に地味ですが、けっこう面白い動きしてるんですよね。
Jim Coxのキーボードソロもキーボードらしくなくて面白いですね。
先生のソロのフレージングとChadの煽りがばっちりかみ合ってて、まるで譜面に起こしたような展開なのが凄いと思います。

#8.House On Fire:
4人の共作。超短い曲ですがJimmy Johnsonのベースがいつになくすごいです。
4人がすき放題やりまくってます・・良くわかんないけどおもしろいです。

#9.Hidden Place(神秘の地):
これは何かにインスパイアされて出来たテーマフレーズをどんどんいじって行くパターンでしょうか。
先生の‘パオーン’は、こうやって聴くとAdrian Belewに負けないくらい象に近い!・・もしかしてアフリカがテーマなの?

#10.Go(回顧):
Chadと先生の共作でデュエットしてます。
2人だけのインプロ・・これがなんで?って云いたくなるくらい熱い。

#11.Schemes(策略):
4人の共作・・インプロの嵐・・謀略って感じ・・Zonesそのままですね・・。

全曲スポンティニアスな作風でまとめられてますが、散漫な感じが無くバンド的な音になってます。
Holdsworth先生の存在感は確かに際立ってますが、ギターレスな#6でも浮いた感じはなく、他の曲と全く遜色はありません。
多分、リスナーが思う以上にプリプロがしっかりされてたのではないでしょうか・・曲もいいですしね。
特に#7などはHoldsworth先生も気に入っておられ、自身のバンドのセットリストに入れてたこともあるようです。

こんどのライブでもその‘Tell Me’やってほしいな。(祈)


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2 コメント

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待ってました! (FUSION)
2006-06-01 19:17:47
お邪魔します。



待ってました!

elmar35さんに影響され手にした一枚でした。

私も「Tell Me」好きです。それと「Forty Reasons」も私的には結構ポイント高かったりします。

レヴューを読みながら再度聴き込んで見ます。

有難う御座いました。



追伸:「Truth in Shredding」是非入手しようと思っています。
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FUSION様 (elmar35)
2006-06-01 21:08:59
こんばんわ。コメントありがとうございます。

・・そんな、恐縮です。(笑)

今回久々に聞きなおして感じましたが、ポイントはベースですね・・上手い!

先生も弟のようなChadを盛り立てようと頑張ってますしね。



Truth In Shreddingはぜひドラムに注目してほしいです。

貴殿の趣向とは少々違うとは思いますが、ジャズ的な耳で聞いてもらえれば、凄さがちょっとは感じてもらえるかもです。
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