名古屋はB級グルメの宝庫だと言われている。
「ひつまぶしなどB級なものか、A級ではないか!失礼ではないのか!」と机を叩いてしまいそうだが、とにかく、エビフリャ~や味噌カツなど名古屋発お手軽向き、というような食べ物が沢山あるようである。
今回は、なにはともあれ、有名な「ひつまぶし」それも「あつた蓬莱軒」をたずねたが、3時間待ちの行列にうんざりし、別のお店を探した。
旅は時間の使い方が生命である。時間の無駄使いはいけません。
名古屋駅テルミナ地下街のお店に入ってひつまぶしを食べた。
一杯目はそのまま、
二杯目は薬味と一緒に
三倍目は出汁とともに、
四杯目は Any way you want it.
これが正しいひつまぶしの食べ方である。
いきなり一杯目から出汁に浸して食べている素人がいるが、「それは違いますよ」と注意しても、こちらが変わり者となってしまうので、難しいのだ。
うーん、こいつぁうまい。
うどんの腰が強くて、またこれが卵絡みの味噌スープとつかず離れずの良い関係を保っている。この麺が柔らかかったら、このストロングなテイストの鍋の内容物は完食不可能だろう。
この味噌煮込みうどんは、鍋蓋にうどんと汁を少しずつ取り分けて食べる。そして、最後にご飯を汁に浸して、これも蓋に取って上品に食べるのが正しい食べ方だ。したがって、通常の土鍋の蓋に開けられている小さな湯気抜き用の穴があると、汁がこぼれてしまうので、この鍋蓋が穴なしである。
たまに、鍋本体からダイレクトにうどんを啜っている素人がいるが、この腰のつよい麺をダイレクトに汁から啜ったら、どうなるか。
ズバブルっと麺が汁を跳ね上げ、味噌は飛び散り、麺は気管支を刺激し、咳き込み、麺が鼻の穴に入り、それを吸ってまた麺が肺に逆戻りし、咳き込み、再び麺が鼻の穴に。。。。くしゃみと咳の波状攻撃、汁は飛び散り、周りの客はハラハラし、という笑っちゃう展開が待っている。
だからちゃんと食べなさいと注意したいのである。
さて、妻の誕生日でもあったので、たまにはお洒落な食事もしましょうということで、徳川園のガーデンレストランを半月前に予約しておいた。
庭園を臨む大変雰囲気の良いレストランだ。なかなか予約が取れないらしい。半月前に忙しい仕事の合間を縫って予約したので、何をリクエストしたのかとんと忘れていた。
席に着くなり、なんの注文もしてないのにコースがどんどん運ばれてくる。ドキドキしながら食べる。
最後のデザートに「Happy Birthday」と書いたプレートが運ばれてくる。リクエストした本人が忘れているので感動とサプライズは並大抵のものではなかった。
「おめでたい」とはこのことである。