フリーターが語る渡り奉公人事情

ターミネイターにならないために--フリーターの本当の姿を知ってください!

労働組合アクテイヴィストによる横暴1

2006-11-28 19:13:12 | 現状
さる地域労組の事務所を場所の確認がてら訪れた。

奇妙なクレーム

そのさい、専従活動家Cは、「昔はみんな終身雇用で幸せに働いていた。ところが80年代半ば、お前ら若い世代が自分探しをした。なので、労働者派遣法が成立し、労働条件がどんどん切り下げられている」
といった意味のことを言った。
そのときの人を見下した目つき、あまりにも一方的なもの言いにはうんざりさせられた。
「根拠がないのではないか。」「自分の観察結果とは食い違うがどちらが妥当なのか、両方とも間違っているのか」と問うたものの、人の質問をはねのける形でグダグダと長い説教が開陳されることになった。
「若い世代のうち何割が自分さがしをして、それがどうやって労働者派遣法につながるか」
と言っても答えはない。人の言葉を完璧に無視している。
おかしい。80年代半ば、労働者派遣法が成立したころ、わたしは十代の半ばだった。選挙権も被選挙権も持っていなかった。学校やマスコミで労働法・労働政策の話を聞くチャンスもなかった。他の若い世代も事情は同じだ。
いいかげんイヤになってくる。組合というのはこうして精神的苦痛を労働者に与えるところだったのか!
やたらと人を見下したような、初対面の相手に接するとは思えない無礼な態度が目について印象がよくない。
相手が若いとか女性ということでナメているのは口ぶりや身振りから明らかだ。

差別の痛みは心の問題
そうすると、今度は
「●●しなきゃいけない」と思いすぎるからあなたは苦しくなるんじゃないかな」などと猫なで声で言ってくる。
正直言うと気色悪い。息苦しい。いつ若者が悪法を求めてデモをしたのか。自分探しとは、窮屈な管理教育や一点・一ポイントの上下によって蜂の巣つっついた騒ぎになる受験教育から自由に自己探求をすることではなかったか。窮屈な家や地域から自由になって相対的視点を確保し、日常を見直し、新たな自我を作り上げる試みではなかったか。それが何が悪いのか。
労働者派遣法は財界や、財界と閨閥等でツーカーの仲の政治家主導の政策じゃなかったんだろうか? 若い世代の動向とは無関係じゃないか。だいたい若者の3割が3年やめるというデータだって、別の角度から見れば7割はやめないということじゃないか。3割と7割のどちらがより大きいのか……。
それでも一方的に責められると自分が悪いような気がしてくる。

反連帯のアクテイヴィスト

成立しない対話に疲れつつ、その日の目的を果たしたので、事務所を後にした。
しばらくたってから、「●●しなきゃと思い込むからよくない」というアクテイヴィストの話は、特定のグループを侮辱しながらそれを相手の心理の責任に帰する加害者側の自己責任論だと気がついた。いくらウツで思考が鈍っていても、ゆっくりと気づくことはできる。

労働環境の悪化を、大卒のホワイトカラーの男性中心モデルだけで評価し、倒産や転職が比較的多い中小企業やはじめからリストラ要員として雇われる女性に労働力売買や低賃金や不安定雇用のすべての責任をなすりつける。
これが、現実の地域労働組合の活動家による“啓蒙”なのである。
フランスの反CPE運動のときのように、上の世代の組合が、大学生・高校生らと連帯するという姿勢はない。彼の話には、その逆の考えが示されている。

バッシングを補完する1:学術団体

ちなみに、こうした地域労働組合に入れ入れと人をあおっているのが研究会・職場の人権の代表・熊沢 誠である。
それはわたしには、売れない文化人が確実に講演会の客をつかむために、ロクでもないことを宣伝しているように見える。「北朝鮮は地上の楽園」と言って人を地獄に送り込んだサヨク文化人と同じ型の悪に思える。

組織よりも個人
何度か定例会・飲み会などを通じて誘われたけれど、こういった組合に「組織」される気はない。個人でフリーランスで活動してゆきたいと考える。
集団とか組織というもの独特の臭気が自分には耐え難い。
とりわけ、この種のデマを流して人を傷つけるアクテイヴィストが上の世代だとか男性だとかいうだけで横暴をふるって当然、目の前の労働争議のために女性・若者はガマンしろという雰囲気がみなぎっている。

バッシングの共犯者2若者と女性

残念だがよくあることだと賢明な読者ならもうお察しだろう。
そこでは女性や若者も、「共犯」になっている。
「オヤジどもを利用すればいいから」「一時は会社の正社員からひどい差別・排除を受けたのに、闘争のために許してやると言うなんて、彼女はなんてすばらしい人なんだ!」
そういったセリフを何度か、それぞれ別の地域労働組合アクティヴィストの口から利かされた。
だけどそんなことをしているうちに、目の前の権利は侵されたままだ。
それが苦しくてかなわなくて組合から去っていった人たちは、これまで何人いるのだろう?
実際、わたしが胃潰瘍になったひとつの原因は、この組合、それにしょっちゅういっしょにやっている別の地域労組を集中的に取材していたときだった。
電車の中で腹が痛くなり、ベンチにうずくまってしまう。ドラッグストアの胃腸薬を飲んでもいつもどおりに効かない。あまりよくないと知りつつ、1.5倍・2倍の量を飲んでもダメ。
ときおり、胃腸に脇差をつっこまれて、ひっかきまわされるような激しい痛みも襲ってきた。
もう組合はイヤだ。わたしは組合なんかよりも自分の胃腸のほうが大事だ。
やれ地域に密着しろだの、インターネットを介した人間関係は本当の人間関係ではないからやめろなどという熊沢流の説教など聞きたくない。どうせ若者を苦しめるイカサマ話の連続だろう。彼は若い「女性」のするどい「感性」をほめたたえているが、女性を感性でたたえるのはステロタイプの偏見である。女性には論理はあってはならないわけではなく、女性だからといって誰もがするどい感性を示すとは限らないからである。これは差別だ。

だからわたしは労働組合には入らない。関連学術団体やそこにいる若者や女性の言うことも、無条件には信用していない。
人は信用できないものを信用しない権利だってあるはずだ。
以前労働組合のアクテイヴィストから「それほどわたしたちのことが信用できないのですか」と泣き落としめいたメールも来たが、いつ「何があってもあなたがたを信用します」という契約書をかわしただろうか。

日本の地域労働組合は、不当に若者・女性を叩くのをよすべきだ。

<付記>12月1日、小見出しを追加しました。










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7 コメント

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Unknown (赤木智弘)
2006-11-29 02:54:09
お体、ご自愛ください。

やっぱりというかなんというか、地域労働組合ってのは所詮なれ合いの場なんでしょうね。
自分たちは権力と戦っているつもりでも、実際は権力の末端として作動しているに過ぎない。
そうした組織の悪徳を何もワタリさん1人が背負い込むことはありません。
取材は大切だとは思いますが、無理は絶対になさらぬようにお願いします。

とはいえ、無理をしないと自分たちの立場が全く良くならないのが、私たちが弱者であるゆえんなのですが……
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Unknown (to-risugari)
2006-11-29 22:00:40
今の組合は労働者の権利の為にあるのでなく、自分達の権利(既得権益)の為に頑張っているだけ。
組合幹部連中って、現代では特権階級だよ。
労働者の為には戦ってくれないよ。
自分らの権利を主張しすぎて人件費高騰、それが若年層の人件費圧縮につながっている事が解っていない。
組合は原点に戻って欲しいなあ・・・
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はじめまして (うずら)
2006-11-30 23:03:40
政府が政策として出している「ホワイトカラーエグゼンプション制度」は働く人間にとって酷になるでしょうね
これは長時間働いても成果を上げなければ、給料は永遠に上がらないということです
この制度は働く人間にとってうつや自殺を引き起こすでしょうね
労働組合はこの制度に対して本当に反対の意志があるのでしょうか!?
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Unknown (ワタリ)
2006-11-30 23:22:42
赤木 智弘さん、to-risugariさん、いらっしゃいませ。
まとめレスで失礼します。

>赤木さん

お久しぶりです。はげましのお言葉をありがとう。なんだか、うれしいです。
体のほうは、内科のお医者さんと相談したりして、今は小康状態を保っています。

労働組合、それに支援団体とも言える市民団体、友好的な学術団体とはつきあいが難しいです。
いろいろ勉強になったり視野が広がったりするよさがある一方、信じられない若者差別・女性差別を投げかけられることもあるからです。
あるいは、個人を粗末にする組織の論理への従属を社会的地位の高い方があおっているからです。
それに、組合員の少なくとも一部が、他の労働者を見下してやっていることも問題です。
組合の中の先輩・後輩と呼び合う慣習も廃止したほうがいいです。でないと上の世代が下の世代に、あるいは先に組合員になった者が後に組合に入った者・または勧誘予定者に対して、“圧制”をひくことになりま
す。あとは年齢・性別・所属年数の低い順に「抑圧委譲」です。
これじゃ新しく入る若い人とか女性は少なくなるでしょう。

>無理をしないと自分たちの立場が全く良くならないの>が、私たちが弱者であるゆえんなのですが……

そうですね。そういうことを分からない医者は「ムリをしないで、今は治療優先で考えないと……」と言う。
専門家としては正論ですが。「蛍の墓」っていう反戦アニメーションのなかに、第二次世界大戦中に孤児になった兄妹のお兄さんにむかって医者が、妹に滋養のあるものを食べさせてやりなさいと言う。それに対して兄は、「滋養のあるものなんてどこにあるんですか!」といったようなセリフを叫ぶシーンがあります。
わたしたちの置かれた状況って、それに近い状態ですよね。

自分はまだ少しの間は親の福祉も使えるのでマシですが、これからどうなるやら。
日本政府も戦前へのノスタルジーなど捨てて、トフラー流に言う「第三の波」の知的・サーヴィス的産業にテコ入れしなくては。
中国みたいに、農村から都市にでてウエイターをやることが中産階級参入になる、みたいにしないと。
一部の特許を取ったりインターネットを使ってシリコンバレーの企業にプログラムを売ったりするだけではなく、ウエイトレスなどを通じても中産階級になれるような待遇は必要なんだと思います。

これからの季節、赤木さんもお体には気をつけて。

>to-risugariさん

もともと労働組合と言うのは、年長の男性中心の組織なんですよ。
ただ、フランスと比べても、日本は年長者が利益を後生大事にしすぎます。

「若者はなぜ3年でやめるのか」という新書をご存知ですか?
「なんで辞めたら責めるの? どうせあと7割も残っているんでしょ。」
と思ってはじめ敬遠していたのですが、ブログ友のcunさんからTELで薦められて立ち読みしたんです。すると、若者叩きの本じゃありませんでした。
いかに年長世代が金や雇用をにぎり、下の世代ほど貧乏・赤字を強いられているか、マクロなデータも用いて説明していました。

日本では階級・階層がないかわりに、ジェンダーと世代がそのかわりをはたしているとは、よく語られれる日本社会観察です。
いいかげんに、若い世代や女性に金・雇用それに尊敬を再配分すべきなんです。

労働組合も、すべてが若者たたきではないでしょう。
また自分で労働組合を作る方法もあります。
日本も場合は、イタリア・フランス等とはちがって、労働組合に属さない個人がストをやる権利が保障されていません。
これを憲法保障させれば、「組合に入らなければ救われない」状況は解除されます。
いますぐ改憲、ということは、戦前ノスタルジー好戦内閣承認になるのでダメ。
マシな組合を探すか、自分で組合を作るかしかなさそうです。
個人でも、労基署を上手に利用して、アルバイトだけれど雇用保険もつけさせた人もいます。
限界はあるけれど、個人でがんばるという方法もありそうです。
ただしその人は法律に明るいなどそうとう勉強熱心な努力家です。権利は闘わなければ手に入らない。組合の中でも外でも。







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Unknown (ワタリ)
2006-11-30 23:33:42
うずらさん、はじめまして。コメントありがとうございます。せっかくの初カキコへのレスだというのに、タイミングが入れ違いになってしまいまい、失礼しました。m(_ _)m


詳しくはそのつどググったりじかに取材に行ったりしないとわかりませんが、地域労働組合はホワイトカラーエグゼンプションにはおおおむね反対しています。
そのための学習会にも参加したことがあります。

ただ、日本のナショナル・センター総評が、国鉄解体とともに弱体化・形骸化されたことがひびいています。労働側の声が圧倒的に弱いのですよ。
そして、今回の教育基本法「改正」によって、保守反動の政治家は、日教組にとどめを刺したつもりでいます。
ナショナル・センターと学校教育の教職員。この2つをつぶせばあとは雑魚、というのが保守反動勢力の思惑であり、分析です。

組合に入る・入らないを問わず、労働・失業側の声を
少しずつでもあげていくほか手はないと思います。
幸い、ブログは個人が調べたことを即報告し、つないでいける便利なメディアです。
労働組合も、争議や相談など大切なことをやっています。そこに年齢差別や女性抑圧を入れさせないことだと思います。
法律的には難しい点なのですが、職種別・あるいは地域別の組合が、ひどい職場を変えるために同情ストを打つなどの行動も必要です。
そのためにも、事実上の労働者団結禁止法としての共謀罪の成立を許してはいけません。
現在、市民運動や労働運動の有志が、国会前でロビー活動その他をやっています。
今自分は東京まで行けませんが、様子を見守りたいと思っています。


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労働組合にもいろいろあります (アンドレ・アカシ)
2006-12-01 03:19:07
通りがかりのものです。訪問した"地域労組"がどのようなものか、わかりませんが、"いい出会いでなかった"という気がします。私はある"地域労組"の一組合員ですが、職場を超えて労働者の要求のためにたたかってくれる頼もしい組織、と感じています。労組といっても会社と一体になって会社の利益のために動くものから徳島県で偽装請負を正社員にさせるためにたたかった労組までいろいろとあるというのは事実だと思います。
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すべての労組が悪ではない (ワタリ)
2006-12-01 21:15:48
アンドレ・アカシさん、いらっしゃいませ。

何もわたしはすべての労働組合がいけないと言っているのではありません。
自分が取材をするなかで、出会った例の一部をこちらで報告しただけです。
しかし、歴史的に見て、労働組合は、個人を無視する傾向があったり、家父長たちのものという色彩は濃いのではないでしょうか?

ポーリー・トインビーは「ハードワーク」のなかで、
イギリスの労働組合が女性を排除してきたこと、それに最低賃金法に反対してきたことを紹介しています。
最低賃金法が成立すると、労働組合組織率が下がるというのが組合側の言い分です。
アルビン&ハイジ・トフラーは、「富の未来」のなかで、義務教育は子どもを失業させ収容させることによって上の世代の雇用を確保し賃金を上げる作戦であったと指摘しています。
わたしは、日本の場合、組合に所属しなければ団体交渉権もスト権もないのがおかしいと考えています。労働組合員でなくても団体交渉やストライキができる権利を新たに確立すべきだと考えています。
「組合の外に救いなし」という外面的・組織優先の考えは、あたかも「教会の外に救いなし」として自由な説教を禁じたキリスト教教会と似ています。

組合の長所・短所をおさえたうえで、上手に組合を利用できればいいと考えています。
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