ネットで加計学園を検索すると、千葉科学大学を誘致した千葉県銚子市は、見越した経済効果を得られず、借金地獄に陥っているという記事を見つけた。千葉科学大学についても、安倍首相周辺者が講師になったり、安倍首相自ら講演を行ったりしているようだ。千葉科学大学で予定していた業績を上げられずにいる一方で、今度は、今治市に獣医学部を作るといって、今治市から土地の無償提供を受けたり、建設費等で巨額の助成を受けるように話を進めているようだ。
だいたい大学を誘致すれば、若者が増え、街は活気に満ちてくるように思えるのだが、実際には、市の財政に大きな負担を強いられるということが、今治市は、分かっていないのではないだろうかと思う。
大体、学生を幾ら集めても、学生は親からの仕送りで生活しているので、住民税等の収入は得られない。しかし、人口が増えれば増えただけ、そのためのサービス等に金が掛かるようになるわけだ。ここ東京八王子も、都心の大学を誘致し、学園都市を作り上げた。しかし、財政は常に火の車、赤字に転じる危機を常に抱えている。ここ八王子は、都心まで中央線や京王線、小田急線等を使ってすぐに出ることができる比較的便利な立地条件にある。しかし、八王子に校舎を移した大学も、学生は都心の便利さや最新の文化に触れたいという気持ちが強いようで、地方に移転した大学の人気は今一で、大学によっては、都心の方に校舎を戻す方にシフトしてきているようだ。
今治市に大学を作って、果たしてどれほどの入学希望者を集めることができるのだろうか?千葉科学大学では定員を確保するのが難しい状況になっていると、ネットの情報に欠かれている。ただでさえ、少子化の影響で、定員を確保できない大学が増えている中、今治市に大学を作って、定員を確保できるかどうか怪しい限りだ。
今治市は、加計学園の背後にちゃんと安倍首相が控えているという言わば大船に乗った気持ちで、大学誘致に伴う負担増や経済的な効果等をあまり考えずに、ただ若者が増えるという目先のメリット(実は、デメリットでもあるが)に魅せられ、獣医学部新設の話に乗ってしまったのではないだろうか?これから掛かるであろう大学誘致に伴う負担増に苦しむことになるのかと思うと、お気の毒としか言いようがない。