昨日から何か来る、何か来ると言っていたそれはICBMだった、そうだ。
何か来る、と思うんだったら、ヤメロと誰も言わないのはなぜだろうという気もする。おほほ。
今回のICBMは新型で、これによって米全土が射程に入るそうな。たいした進歩ですね、トラクター工場を見学している金さん、と冗談を言いたいぐらいだ。
North Korea: Latest missile launch was new type of ICBM capable of reaching entire US
Published time: 29 Nov, 2017 03:41
https://www.rt.com/news/411253-north-korea-icbm-hwasong-15/
今回の行動は、北朝鮮から見れば、2カ月間相手方であるアメリカの反応を見たが、米韓による強度の演習(ほとんど攻撃の寸止めみたいなやつ)をやめるとも言わないし、見直す気配もない、最後に、北朝鮮に対する新たな制裁を1週間ぐらい前に課した。では、こちらも反応せな、というロジックなんでしょう。
そして、ロシアは前から言ってる通りの提案をぐいぐい広め、南朝鮮はそれいいんだよな、となるのは実際合理的なことなので1歩出てるような恰好になり、同時に、南は中国に対して、THAADをこれ以上追加しないと言っていた。
そこでしかし、北朝鮮はICBM発射。
南朝鮮は、THAADの追加配備についてまたまた曖昧な態度を取り出し、中国との間で再び悶着。
Seoul’s shifting stance on THAAD ‘makes ties difficult’
South Korea's foreign minister Kang Kyung-wha on Monday reiterated that Seoul has just reaffirmed to Beijing its stance on three issues - deploying additional THAAD systems, joining the US-led global missile defense program and developing a security alliance with the US and Japan - what Chinese media widely refers as the "three no's pledge" on the issue.
http://www.globaltimes.cn/content/1077705.shtml
ミサイル発射の反応は、日本の場合はもう、けしからん、けしからん、けしからんしかないのは見るまでもないのでどうでもいいんだが、米の側、ティラーソン国務長官は、声明で、
外交オプションはまだ生き残っているし、オープンだ。米国は、非核化への平和的な道を探り、北朝鮮の好戦的な態度を終わらせることに引き続き尽力する。
"Diplomatic options remain viable and open, for now. The United States remains committed to finding a peaceful path to denuclearization and to ending belligerent actions by North Korea."
http://abcnews.go.com/Politics/care-trump-latest-north-korea-missile-launch/story?id=51439473
といい、トランプは、we'll take care of itと言ったらしい。対応します、としか言ってないということ。ティラーソンの、remainも、まだ残ってる、まだ残ってると2回続けて言っているところがひっかるといえばひっかかる。
と、これはなんでしょう。
そこで思い出したくなるのは、2カ月前のプーチンのある種の暴露。
「2005年、私たちの話はまとまりかけていました。北朝鮮がミサイルと核のプログラムを始末する約束をし、他の参加者がそのプロセスをすすめると規定した合意にも達していました。私たちはまた、北と南の朝鮮の間の良好な関係を復活させる必要があるとも語りました。また、ロシア、北朝鮮、南朝鮮が関与する3カ国のプロジェクトの実施の可能性についても語りました。」
しかし、
「ある時点で、不幸にも、誰かが北朝鮮に、北朝鮮が約束していなかったことをするよう要求しました。そして、状況は徐々に悪化し始め、最終的にここまで低いレベルに達したわけです。」
「誰かが不幸にも北朝鮮に要求したわけです…」by プーチン
また、「不幸にも」という事態が発生しましたね、と、いいたいところなのだが、必ずしもそうじゃない(じゃあ引用するなよ ^^;)。プラットフォームはその通りなのだが、何かが違う。
アメリカは南北朝鮮+中露を妨害しているのだ、とか考えたくなるのだが、多分その枠組みが間違っている。多分。
昨日、「逝きし世の面影」さんが書いてらした、これこれ、
それなら、北朝鮮の核兵器が本当に危ないとアメリカ(トランプ大統領)が考えているなら、アメリカ本土が安全な今のうちに北朝鮮を破壊する(日本を犠牲にする)との『誘惑』は、当然生まれる危険性があることになる。
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/bd0173199cfe89f7d4a4ca010f5ef6d4#comment-list
これが、今回のICBM(とされるもの)で、少なくとも論理的に成り立たなくなったってのが重要ではなかろうか。
この状況だと、こんなことやって北朝鮮を攻めるという話に、少なくとも論理的に難癖がつくわけですね。それをやったらターゲットはアメリカになるのだ、それは困るだろう。では考えな、という機序。これは今年4月の米韓演習の写真。実弾使ってがんがんやってる。
要するに、極東方面に70年かけてできちゃった「コミュニティー」が強くて崩れないって話じゃないの? だから、外から力をかけてなんとかしようとしているってことじゃないのかなぁ。
これも重要。
小出裕章ですが、アメリカなど外国が北朝鮮に対して水爆などを提供したと、暗に指摘しているのですよ。
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/bd0173199cfe89f7d4a4ca010f5ef6d4#comment-list
いいかぁこれやるとソウルで何十万人が死ぬんだぞと言っても、東京がミサイルのターゲットになるんだぞと言われてもまったく動じない人々がいる、この状況を変えなくちゃ、なんじゃないんですかね。
この間、トランプが横田に来た時のスピーチを聞いて、気持ち悪いと腹を立てたんだけど、でも同時に、これはつまり、君たちは十分頑張った、という「慰労」なんじゃないかという感じもした。
といって、極東をまったく平和にしましょう、などという話ではもちろんないんだが、マネージ可能で、かつ、米に有利な体制を作りたいというのがゴールラインでしょう。
ということで、奇妙なことを言うようだが、これによって米 vs 朝の話い合いの方向に行くチャンスは増大した、ということになるのではないかのか、と予想してみる。まぁ、この盤面は150年ごしの盤面なので、話がこじれてて、そう簡単にいかんのやろとは思うが。
■ オマケ
ParsTodayのこのまとめは素晴らしい。
ロシア外務次官の韓国訪問
http://parstoday.com/ja/news/world-i37159
「アメリカの経済問題による防衛費の削減に不満を抱く軍事関係者は、北朝鮮に対する挑発を必要としている。彼らは、緊張をあおることで、北朝鮮が韓国やアメリカ軍の基地を攻撃しようとしているというイメージを作ろうとしている。また、アメリカ政府は、朝鮮半島における立場を強化したいと考えている。なぜなら、そこからであれば、アジアをコントロールするのが容易になるからだ」
極東米軍とは大日本帝国陸軍である、ってこと。
今も彼らは日本の官僚と大手メディアを支配している。
韓国も同様だ。
中国にも圧力かけているようだ。
アメリカの対日戦の勝利が何故朝鮮半島に及ぶのか分からないね。
北朝鮮の権力層は朝鮮人パルチザンの生き残りだ。
ろくな抗日運動もできないのでソビエト領に逃げん込んだ。
スターリンにとっては扱い易い連中だ。
彼らの理屈は関東軍のいう王道楽土の裏返しにしか過ぎない。
関東軍の流れをくむ朝鮮人パルチザンの流れというのが正確だろう。
再び日本とアメリカの形を変えた対決だ。
朝鮮半島は在韓米軍から独立した韓国軍と北朝鮮の
反体制政治勢力が連合するのが自然だね。
そして次に中国東北の政治勢力がそれに連合するかだね。
その方向に行く限りは誰が何やっても大同小異だよ。
北にある収容所は北の政権が長くはないという証拠だ。
それを日本とアメリカが支えてきたということは忘れないことだね。
今、この記事を探していたら、彼のロイターに勤める娘がイスラマバードで怪死していた。ロシア国営通信社東京支社長の娘がロイター勤め。しかも怪死の場所がパキスタン。う~ん、とっても気になる。
>ロシアのラブロフ外相は、米国が北朝鮮に核兵器があると確信しているため攻撃していないとの見方を示した。
https://jp.sputniknews.com/politics/201709244119173/
そうそう。核ミサイル戦略の場合は、プレーヤーが狂人でない限り、互いに向き合った時点で止まるしかない。
具体的にいえば、相手に確実に核兵器と運搬技術があると確信していれば、こちらは攻撃できない、たとえ米でも、とラブロフ氏は言ってくれてるんだから、そこだけ信じてればいい。
日本は冷戦時代に国民に勉強させなかった国だわ、ほんと。
take care of
(5) 《俗語》〈人〉をやっつける, 殺す.
https://ejje.weblio.jp/content/take+care+of