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朝鮮半島の戦争は決して容認できず=韓国大統領@中国

2017-12-15 20:42:37 | アジア情勢複雑怪奇

韓国の文大統領が中国を訪問し、基本線として中国との関係を重要視する姿勢を貫き、朝鮮半島で朝鮮戦争を再開させるようなことはしない、という点で合意した。

北朝鮮がらみで今日の重要事項はこれだと思うが、7時の大本営NHKでは北朝鮮から来る船がどうしたこうしたとやっていた。ワイドショーかよというところであんまり詳しく見てなかったが。

このあたりは、スプートニクの超短い記事が的を射ている。

朝鮮半島の戦争は決して容認できず=韓国大統領

https://jp.sputniknews.com/politics/201712144381490/

文大統領と中国の習近平国家主席は首脳会談で、朝鮮半島における平和と安定の原則について合意し、軍事的解決を容認しないとの声明を出した。

ウォーストリートジャーナルの記事も、長いが結局ちゃんとここにハイライトがある。

中韓の対応やらなにやらいろいろあるが、

しかし、両国の大統領は、朝鮮半島の非核化に向けて尽力することを再度確認し、また、両国は1950年から1953年の朝鮮戦争の再来を容認しないことに合意したと、青瓦台は声明を出した、と。

But the two leaders reaffirmed their commitment toward a denuclearized Korean peninsula, and they agreed the two nations wouldn’t tolerate a repeat of the 1950-1953 Korean War, according to South Korea’s presidential Blue House.

https://www.wsj.com/articles/china-south-korea-leaders-reset-bilateral-ties-1513267202

 

朝鮮日報も悪くないけど、THAADにつられ過ぎ。確かに中国は大きな懸念を表明しているし、それを許容しないといって韓国を攻め立てたんだが、しかし、基本線は朝鮮半島を使って中国(and/or ロシア)を狙うという西側チームの姿勢を止めさせることなので、THAAD問題は表面にあるようで、実はそこじゃない(後で対応できるともいう。eg. ロシアは周辺中NATOのミサイルで取り囲まれているが別にそれで直ちに戦争がはじまるわけじゃない)。

国賓訪中の文大統領「韓中は運命的パートナー」

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/12/15/2017121500789.html

文在寅(ムン・ジェイン)大統領と中国の習近平国家主席による首脳会談は3回目だ。ソウルとベトナムでの2回の首脳会談を経て、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)問題がこれ以上取り上げられないことを望んだが、習主席は今回もTHAADに反対する姿勢を表明した。しかし、習主席は「両国関係は現在、急速に回復している」と述べ、将来も重視した。

それよりずっと危険な、知らない間に米・朝が戦争するしかなくなる、といういわゆるsleep walkの事態を回避する方がずっと大事。

だからここで合意して、後は、折から国連が北朝鮮に行ったりして動いていることからも議題を国連に持っていくという方向なのかも。つまりイラン方式。イラン方式はなんのかんのとロシアが張り付くことが味噌(ロシアが入ることによってイランを攻撃しようにも極端に難しくなり、逆にイランからすれば攻撃されにくくなる、したがって報復手段としての核を持つ動機が小さくなる)。そこまでどうやって持っていくのか難しいですが、それしかないでしょう、だって、ではある。

そして、日本はどういう顔すりゃいいんだろうってのはあるなぁ。

 

その一方で、プーチンとトランプが、トランプ側のイニシアチブで電話会談をしたというのもニュースですね。

Telephone conversation with US President Donald Trump

http://en.kremlin.ru/events/president/news/56382

Vladimir Putin had a telephone conversation with US President Donald Trump at the initiative of the American side.

二人のリーダーは、二国間の現在の問題と、危機的な状況にある世界の地域、特に北朝鮮の核問題について議論した。

両大統領は連絡を取り合うことで合意した。

とある。あえて直訳調で書くとそんな感じ。

 

■ 情報サークル出身の大統領

で、昨日のこれ。世界中のジャーナリストを前にしたプーチンの発言と今般の動きは関係なくはないんじゃないですかね。前にも示唆してるわけだよね。

「誰かが北朝鮮に要求したわけです」:BDA問題を示唆したプーチン

その意図は、これ以上くだらないことをやってるなら、水面下のゴタゴタをぶちまける覚悟があるぜ、ということでは?

で、今日、ホワイトハウスがとても奇妙な、というかとてもどうでもいい声明を出したことがTASSに載っていた。

いわく、「トランプ大統領は、プーチン大統領の年次のプレス会議でアメリカの力強い経済実績を認めてくださったことに感謝している」、だそう。

Trump thanks Putin for acknowledging US economic achievements
December 15, 4:32 UTC+3

http://tass.com/world/981192

別にプーチンはとりたててそこを強調していたようには見えなかった。他にも多数の論点があった。むしろトランプについては、アメリカの大統領を評価するのは私の仕事ではない、それはあんたたち(アメリカのジャーナリスト)の仕事でしょ、と正論を述べていたことと、トランプ叩きはトランプの正統性を壊すための騒ぎだろうと言っていたことの方が印象深い。

だからこのトランプの声明の意味は、プーチンの会議を見ましたよ、という意味じゃないですかね。

そして、トランプ側からプーちゃんにお電話した、と。

 

プーチン政権は、これまでにも、ISたちというのは要するに傭兵ですと言い出し(2014年)、ISが~とか言ってるけど、その実イラクからシリアにかけての広大な場所で施設を作って石油を勝手に運び出していた西側チームの存在をばらし(2015年)、アメリカ軍がISの支援をしていることをタイミングよく記事にしてもう動かせない事実にした(2016年)、という実績があるわけですから、何を言い出すかわかったものではないというのは、西側的にはとても怖いっしょ。

アメリカの支配はメディアを使った支配なので、後ろの動きを咀嚼して、相手が太刀打ちできいのをわかっていてストーリーを作って追い詰めるというのが手口。ロシアはそれを逆手にとって、大統領が率先してそれをバラシていっている、といった恰好。情報における、脱・ワシントンコンセンサスだわ。

 

■ やっぱりこれは触りたくないのか?

2005年の6カ国協議の成り行きに関して、米側に不信感を持った人は北朝鮮以外では、多分日本に多数いるんじゃないかと思う。中国は政権は重大な関心を持ったに違いないが国民はあのころそんなに真剣じゃないかった気がする。ということだからなのか、この件にプーチンが言及したことを記事にしたのは私が探した限り少ない。というかこの時事のしかみあたらない。

 また、2005年の6カ国協議共同声明で北朝鮮の非核化で合意したものの、「米国は合意に不満だったようだ」と指摘。北朝鮮関連の銀行口座凍結などに訴えた米国の対応を批判した。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017121400753&g=prk

 

2005年問題はぜひ、教えてほしいものだ。北朝鮮は偽ドルを刷ってる~とあれほど騒いだあれはどうなったんだい、ですよ、ほんと。


 


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3 コメント

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『安保理扱いならイランコース』 (ローレライ)
2017-12-16 09:02:15
『安保理扱いならイランコース』で『武力制裁はブロック』とは『西側忖度マスメディアの隠す結論』となる。
返信する
武力行使阻止はみんなの希望 (ブログ主)
2017-12-16 17:56:29
ローレライさん、

西側忖度メディアをかいくぐって行われているのは、おっしゃる通り「武力制裁はブロック」って感じですよね。で、これは米陸軍もぜひそうしてくれ、と思ってると思う(笑)。あんなところで山岳ゲリラ戦とかやりたくねーし、俺ら、だから。これこそ朝鮮戦争のもたらした「教訓」だし、旧日本軍こそよく知ってるはずなのに、人が悪いよなぁとか思う。
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2件コメントを削除しました (ブログ主)
2017-12-17 19:06:41
匿名同士のコメントに熱くなる方がいらっしゃるので、困惑して削除しました。熱くなる方はコメントしないでください。
返信する

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