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大本営発表:プーチンだって怒ってるぞ ^^;

2017-05-16 17:06:07 | アジア情勢複雑怪奇

大本営発表がまた妙なことを言い出している。

プーチン大統領 北朝鮮のミサイル発射を厳しく非難
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170515/k10010982761000.html?utm_int=all_side_ranking-social_003

 

と、なんだかあたかもプーチンが態度を変えたかのような感じで報じる。しかし、全然立場変わってないでしょう。中国もロシアも、北朝鮮の核保持には断固反対、ある種のミサイルを使った挑発問題にも批判的。しかし、それと同時に、北朝鮮を脅し続けているのは米韓(日も隠然と入るんだろうが)だ、そっちも止めろと言い続けている。

今回の話も、

繰り返し言ってきましたが「核クラブ」の拡張には断固反対です。私たちは核実験もミサイル実験もどっちも受け入れられないと考えてます。私たちは朝鮮民主主義人民共和国との対話に戻る必要があります。彼らを脅すのをやめて、問題を平和的に解決する方法を探すということです。

“I reiterated that we stand strongly against the expansion of the ‘nuclear club,’ including by means of those on the Korean Peninsula, by North Korea,” he said.

“We consider neither nuclear nor missile tests acceptable. We need to return to dialogue with the Democratic People’s Republic of Korea, stop intimidating it and find ways to resolve these problems peacefully.

Putin: Malware created by intelligence services can backfire on its creators
Published time: 15 May, 2017 09:51
Edited time: 15 May, 2017 14:57
https://www.rt.com/news/388395-putin-ransomware-creators-intelligence/

http://en.kremlin.ru/events/president/news/54499

と、言ってるわけだすよ。

で、今までの態度とずっと一緒。むしろ、intimidate(恫喝する、脅す)というクリアな言い方が新しいかもしれない。

ところが、うちの大本営ときたら、その中の、プーチンが言った一部を取り出して見出しにして、あたかも何かが変わったかのような印象操作をする。

しかし、さすがに全部嘘にするのも後で困るかもしれないので(クレムリンのサイトに原文載ってるし)、

そのうえで、「北朝鮮との対話に戻ることが必要だ。北朝鮮に対する脅しをやめ、問題の平和的な解決方法を見いだすべきだ」と述べ、北朝鮮の核開発問題の解決策を話し合うアメリカや中国、日本などによる6か国協議を再開すべきだと訴えました。

とか最後の方に書いている。ちなみにプーチンは6か国協議とは言ってません。

だけど、大本営が日本人をどう騙そうと、そんなことは本筋には特に関係ないので、どうでもいいと言えばいいんですが、実は関係がある。

つまり、現実にかかっている問題とは、北朝鮮を米、日本、韓国が承認するか否かが実は問題だとしたら(そうなんだが)、日本人の認識がそこに届かないような操作をし続けるってどうなのよ、だから。

このへんで書いた通り。

朝鮮・トルコ、渤海湾・黒海と「不可欠」

要するに、北を国家として認めず、韓国を朝鮮半島唯一の国家としたままの体制を長年ひっぱってるからこういうことになってる。だから、米、韓、日の側でそれぞれ話を揃えていくってか、国民にも実はこれこれしかじかの問題で、としないとならない。

で、米は、いずれにしても米国民にとって朝鮮半島って文化的、地理的に重要とかいう場所でもないので、なんか適当になればいい。韓国が同盟国としてそこらの戦争につきあってくれてる体制が維持できるとまぁいいかな、みたいな。現在までは中国を脅すためにつかってきたわけだけど、永遠のものでもないでしょう。韓国は太陽政策に行く。つまり、残るは日本なわけです。

その日本はといえば、拉致問題をきっかけとして過剰に、異常な言論封鎖体制が作られた。

その前には、北東アジアの経済圏がどうしたこうしたとか言ってたぐらいだから、北との関係を修復して行こうとしていた人たちが結構いたということでしょう。

で、現在はといえば、問題がどこにあるのかもわからず、ひたすら、北は悪い国、北は酷い国を言い続けた結果として、日本人の思考回路は北朝鮮と国交を樹立するとか考えられなくなっている、と。

じゃあ他に何のオプションがあるかというと北朝鮮をアメリカさんが爆破してくんないかな、でしょうね。自衛隊も出すからさ、みたいな。しかしそれは解決方法なんでしょうか? それはイラク方式なわけですが、イラクはまとまりましたか? そう考えてくると解決はどうあれ最後は話し合わないと終わらんのですよ。

というわけで、北朝鮮問題というのは、現状でいえば日本の問題になってると言ってもいいぐらい。

だけど日本は機能不全でございます、と。なんせ、現在の首相こそがその拉致問題で名を挙げた人ですから。

どうするんでしょうね、これ。

 

■ 拉致問題ムードの思い出

私は、この問題に関してはできるだけ話したくもないというところがある。どうしてかというと、拉致問題がにわかに日本中の話題をさらった時の体験が結構な圧迫となっているから。トラウマみたいな感じで私の中に残っている。

当時私は日本に住んでいなくて、日本のムードがどうなっているのか最初わからなかった。事実関係を追っているのとはまた違う日本のムードがあったわけですよ。

それに気が付いたのは、小泉訪朝からしばらくしてたまたま帰国した時。多くの日本人は目をつりあげて北朝鮮をなじっていた。そりゃ同胞が拉致されたとなればその反応は理解できるし、私だってそこは同じように泣いたり怒ったりもした。

が、しかし、あまりにもあまりにも不可解なことを言っていると思った。

拉致問題が不可解だというのなら、国交を確立して多くの人が行き来できるようになった方がよりわかるだろう、みたいなことを言った時の、友人、知人、親族の殆どの反応などは、もうヒステリーを起こしているような感じでした。

で、あんたはなんでそんな酷いことを言えるんだ、みたいなことも言われました。少女を拉致されたお母さんの無念がわからないのか、みたいな。いや、だったら猶更オープンにした方がいいでしょう、みたいなことを言っても無駄。それどころか、外国に住んでいるとわからないんだわ、とか、外人になったのか、みたいな感じで白い眼でみられた。今となってはもうバカみたいな話なんですが、みなさんそうでした。

そもそも、拉致されたから付き合うべきではないって理屈がおかしいだろう、国境を閉鎖すれば解決するというものでもないだろうとかとか私は多少は押し返したわけですが、だんだん怖くなって、面倒になって、やめました。

あと、社会党が悪いのだという流れもありましたね。そもそも戦後一貫して与党なのは自民党なんだから、社会党というより自民党に申し開きをさせるべきだろうと言ったら、お前は社会党を支持するのかとか言われたりもした。え、そういう話じゃないでしょ??? だったわけですが、お前はシンパなのか的な反応が怖かった。

 

当時は自分の恐怖体験を咀嚼するのにいっぱいいっぱいでしたが、今となって思うに、あれは戦時中に、日本人が襲われたといっては軍事行動につなげていった過去を利用した心理作戦なんじゃないですかね。

で、住民心理を枕にした軍事行動の過去と同じく、拉致問題も、大きなピクチャーで何かを解決しようとしているわけではない、ってな話に終わるんでしょうか?

 


 

 


コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

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レイシズム (simpleズ)
2017-05-17 06:11:18
おんなじ、ははは。日本人はレイシストだからアジアから追い出されてこっちに来るからそれは好都合とぬかした米国の国務長官がいましたが。
隣の国と仲良くしているところは寡聞にして訊いたことがありませんが、そもそも対外問題を解決するには外交努力や通商・人の往来しかないのは当たり前だのクラッカーなのに日本ってホントレイシズムでお腹がパンパンです。
いつもこちらを読まして貰って「そうそう、同調」清涼感を感じている島国男です。石川啄木さんが、「東海の小島の磯・・」と歌って、中国の『秋風秋雨人を愁殺す(秋瑾女史)』にシンパしていたのは、ご存知ですか?
トッドさんと通じるところががあるんでしょうがWorld War Iのドイツがロシアの国境に復活という歴史視点に刮目した次第です、あなた様に敬意です。
治安維持法の時代に突入するのか、先後の若い世代にある民主意識が歴史オンチのままに引きずり込まれ得るのか?が、見物ですかね。
『娘の仇』にされた北朝鮮。 (ローレライ)
2017-05-17 06:33:31
『拉致問題発覚』以来、北朝鮮は『娘の仇』の国で『許されざる国』扱いが『日本ガラパゴス空間の掟』とされている。
レイシズムではないのでは? (ブログ主)
2017-05-17 17:12:29
simpleズさん、

レイシズムというのとは違うんじゃないでしょうかね。原発の時には福島の人たちを敵視したり、難癖つけるのが流行ってましたし、今もあるみたいですね。

多分、その時々で自分を「正」の側において外れた側を叩きたくなるという、妙な心理機制がずっとある、または、それを止める動作が有効でない、みたいな感じかなと思ってます。レイシズムはその一表現。

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