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ロシア国防省、エルドアンとIS問題の資料を出す

2015-12-02 23:43:14 | 欧州情勢複雑怪奇

ロシアはトルコのエルドアン大統領一家がISによる不正な石油取引に関与していると主張している。それに対して、エルドアン大統領は、そんなの嘘だ、本当なら辞任してやる、と捨て台詞をはいたのが2日ぐらい前。

それに対して、ロシアの今日の動きは大きくは2つか。一つは、今年2月に採択された、テロリストとの不正な石油取引を防止するための国連決議2199をしっかり実施すべきという主張を国連大使チャーキンさんが行っていた。

この方向は、テロと戦うってのはテロリストの資金源を断つってことだ、って話ですね。

一応、国連決議ができているんだから関係国全部を縛ることになる。これまでは、そんなの知らねーよで通すつもりだった人たちがいるってことで(Tで始まる国?)、個別に証拠あがってねーし、でここまで使われずに来ているんでしょう。しかし、ここにきてこの決議にもう一度光をあてれば、半年前とはずいぶん違った反応になるのではないかと思うけど、ここで「メディア上の真実こそ真実だ」派の西側メディアが大活躍するんでしょうね。

Russia is working with the UN Security Council on a document that would enforce stricter implementation of Resolution 2199, which aims to curb illegal oil trade with and by terrorist groups, Russian ambassador to the UN Vitaly Churkin told RIA Novosti.
https://www.rt.com/news/324207-churkin-un-oil-isis-turkey/

 

もう一つはロシア国防省。会見を行って、様々な地図やら写真やらを駆使して、トルコとISの関係を実証しようと努めていた。ってか、これって盛大に軍事用衛星だのなんだのを駆使して証拠固めをしてそれを暴露しているので、最低でも、もししっかり議論しようという機運ができれば、到底無視できないでしょう。国連に持ち込むんだろうしね。

会見の様子はこれ。

Russian military reveals details of ISIS-Turkey oil smuggling
https://www.youtube.com/watch?v=nMA4B2ZnQ2o

記事はこっち。

Russia presents proof of Turkey’s role in ISIS oil trade
Published time: 2 Dec, 2015 12:26
Edited time: 2 Dec, 2015 14:08

露国防省のブリーフィング エルドアンとISの関係を暴露
http://jp.sputniknews.com/russia/20151202/1262121.html#ixzz3tAsuugeI

こんな地図のだ衛星写真だのがごろごろ出ていた。

しかしロシア国内では、もっとみっちり詳しくかつわかりやすい特番みたいなテレビ番組があって、じゃかすか報道されているようで、みんな非常に詳しくなっていっている模様。その一つをyoutubeにアップしていた人がいてちらっと見たけど、明るく元気に屈託なくやっていた。

あと、ロシアだけがやっているというのも間違いで、アメリカ人の識者、元軍人という人たちもいろんな形でいろんなところで参入してる。

 

ということで、このような出し方のうちに、テロとの戦い→テロに資金を出す奴をあぶりだす戦い、に変化させていく、ってことでロシアの目標はこんなところだろうか。

1.政治的、短期的には、トルコの行為の極悪さを晒す(これによりその支援者にも波及するがまずはトルコでOK)

2.長期的、安全保障的には、シリアを破壊して中東東部からグルジア、チェチェン、中央アジア方面全体をジハードで埋めてやれ、的な西側の野望を砕く

個人的には、1も問題だと思うけど、2は、前から書いている通り、これこそやめろよと思ってる。やりたいなら、首謀者出てきて宣言してからやれ、って感じ。

人をリクルートして戦いしかできないような頭に洗脳していくってのは、要するにうかうかした人をオウム真理教とか統一教会にぶっこんで、仲間にして仕事を世話してみたいにして、脱会できない、脱会したら脅す、みたいな恐怖支配のうちに彼らを何らかの「戦士」に仕立てていく手法を思わせて、超がつくほど気持ちが悪い。要するに、ファシストなんだよな、こういうのってとも思う。

 

■ テロとの戦い@シリア

一方、今日も今日とてまじものの軍事作戦も鋭意継続中であるようだ。シリア北部のトルコに隣接した地帯を、トルコ(&欧州?)は、セーフゾーンにして、ここにシリア人だのなんだのの一般人をためておけばとかなんとかいって、要するにここにノンフライゾーンを設定して、ここを「おれらのもの」にしたかったわけだね。

それをクルドがだいたい防戦していたところに、ロシア軍のエアカバーでシリア軍が南から、最初は点だったがだんだん面になっていっているような感じで押している状況みたいだ。

とはいえ、本当に信じられないぐらいに様々なグループがいて、その人たちがそれぞれにヘイトして、それぞれに資金源にぶら下がっているみたいで、ゲロが出そう。

やっぱり資金源を断つ、少なくとも洗うってのは重要。

そして、何よりも、シリアをシリア人に返せよ! と私はいいたい。英米仏は何を根拠にシリアに兵を出すだの空爆するだのと言ってるんだ、とどうして誰も突っ込まないのか。まぁ、これがすなわち現在という時がどれほどイカレテいるかの証拠ですよね、ほんと。

 

今日は一日イギリスの下院がそのシリアに参戦するかで大騒ぎをしているけど、イギリスが参加する理由は自分の子飼いの勢力を保持するためなんだろうかな、とか白けた気持ちで見てる私がいる。

Independentあたりにあがってた動画を見ていたら、コービン氏はISの石油の問題にも疑惑という扱いではあるけど触れ、トルコという名にも言及していた。

ISのみならず、IS・トルコ問題についての情報が世間に広まっている中でまたまた意味不明な参戦をしたら、キャメロンは第二のブレアになるんだろうか、やっぱり、など思えた。

ちなみに、イギリス世論は2週間前までは空爆賛成派が多かったが、12/1日付けの世論調査では賛成派が急落してるという話。


 

帝国以後 〔アメリカ・システムの崩壊〕
石崎 晴己
藤原書店




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2 コメント

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『シリア自由軍のトルコ離反』 (ローレライ)
2015-12-03 05:23:29
『シリア自由軍のトルコ離反』で『自由シリア軍・情報機関のホサム・アルアワク少将は、「IS(イスラム国)」とトルコの間で結ばれた石油供給に関する契約書の写真がある。』暴露!
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沈む船から脱出 (ブログ主)
2015-12-03 14:32:31
シリア自由軍は、ロシア諜報が丹念に丹念にアプローチして大丈夫そうなとこ(と彼らが判断したところ)を2カ月ぐらい前にモスクワに連れてった、という話が出てました。
つまり、おバカな盗賊集団から離れた人たちのうちのシリア国民は正統にシリアの野党勢力として存在できるようにしましょう、ってことでしょうね。だから彼らももう手を切り始めた、と。
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