渡辺松男研究2の13(2018年7月実施)
【すこし哲学】『泡宇宙の蛙』(1999年)P65~
参加者:K・O、A・K、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部慧子 司会と記録:鹿取未放
93 このごろの配偶者すこしいらいらし配偶者のなかに群衆がいる
(レポート)
配偶者はこの頃少しいらいらしていて、その原因は「配偶者のなかに群衆がいる」からだろうと作者は思ったようだ。一家の主婦として、また世間のこまごました交際などを担って、何か雑念にとらわれ、未整理の状態なのかもしれない。それを下句のように表現して面白い。(慧子)
(当日意見)
★配偶者という個をとても大事に思っていらっしゃる。妻を愛情をもって見ながら
その個の向こうに普遍的なものを見ている。渡辺さんのものを見る目のものすご
さを感じます。「配偶者のなかに群衆がいる」って、ああっと思います。そうよ
ねっと思う。人間の多面性というか、自分では意識しないものが自分の中にいっ
ぱいあって個を作っている。そしてその向こうに普遍がある。渡辺さんの歌、難
しい、難しいっていうけど、この辺りは全然難しくない。(A・K)
★私はもっと単純に考えて、誰だって自分の頭の中にごじゃごじゃごじゃごじゃと
他人がいるじゃないですか。A・Kさんが配偶者の向こうに普遍的なものを見て
るっておっしゃって、鑑賞が豊かなものになったと思います。いらいらしている
のは作者に対してかなって思って。配偶者の中に群衆がいるって見てるのは作者
ですから。「彼女」の中に群衆がいるとは言っていないので、よく考えると深い
のではまっていってしまう。(K・O)
★配偶者にいらいらが向けられているとなると意味が違ってきますね。それだと群
衆も配偶者と一緒になって作者を批判していることになる。世間的にいらいらし
ているのなら慧子さんの解釈でいいのですが。(T・S)
★私は配偶者が自分自身で苛立っているととったんですけどね、いらいらの対象が
他に向けられているとは思えません。いろんな取り方があるってことで次に行き
ます。(鹿取)
【すこし哲学】『泡宇宙の蛙』(1999年)P65~
参加者:K・O、A・K、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部慧子 司会と記録:鹿取未放
93 このごろの配偶者すこしいらいらし配偶者のなかに群衆がいる
(レポート)
配偶者はこの頃少しいらいらしていて、その原因は「配偶者のなかに群衆がいる」からだろうと作者は思ったようだ。一家の主婦として、また世間のこまごました交際などを担って、何か雑念にとらわれ、未整理の状態なのかもしれない。それを下句のように表現して面白い。(慧子)
(当日意見)
★配偶者という個をとても大事に思っていらっしゃる。妻を愛情をもって見ながら
その個の向こうに普遍的なものを見ている。渡辺さんのものを見る目のものすご
さを感じます。「配偶者のなかに群衆がいる」って、ああっと思います。そうよ
ねっと思う。人間の多面性というか、自分では意識しないものが自分の中にいっ
ぱいあって個を作っている。そしてその向こうに普遍がある。渡辺さんの歌、難
しい、難しいっていうけど、この辺りは全然難しくない。(A・K)
★私はもっと単純に考えて、誰だって自分の頭の中にごじゃごじゃごじゃごじゃと
他人がいるじゃないですか。A・Kさんが配偶者の向こうに普遍的なものを見て
るっておっしゃって、鑑賞が豊かなものになったと思います。いらいらしている
のは作者に対してかなって思って。配偶者の中に群衆がいるって見てるのは作者
ですから。「彼女」の中に群衆がいるとは言っていないので、よく考えると深い
のではまっていってしまう。(K・O)
★配偶者にいらいらが向けられているとなると意味が違ってきますね。それだと群
衆も配偶者と一緒になって作者を批判していることになる。世間的にいらいらし
ているのなら慧子さんの解釈でいいのですが。(T・S)
★私は配偶者が自分自身で苛立っているととったんですけどね、いらいらの対象が
他に向けられているとは思えません。いろんな取り方があるってことで次に行き
ます。(鹿取)