クルーザー級10回戦
強打のロシア人、デニス・レベデフ選手(Denis Lebedev)が元4階級制覇王者の大ベテラン、ロイ・ジョーンズJr選手(Roy Jones Jr)と対戦する注目の10回戦はレベデフ選手の地元ロシアのモスクワで行われ、レベデフ選手が最終ラウンド2分59秒でストップ勝ちしています。
ロイ選手の偉大な実績と名前に対する敬意からか慎重に見えたサウスポーのレベデフ選手の立ち上がり。スピードに乗った右ストレートリードをタイミングよく正確にヒットさせるロイ選手のスタートは悪くありませんでした。
しかし2回からプレスを強めたレベデフ選手の強打がペースを引き寄せていきます。意外に正確にヒットする右ジャブ、ボディやロイ選手のブロックの上から叩きつける左でロイ選手をコーナーに詰める場面を再三演出。4回には左ストレートでロイ選手を効かせる場面も作ります。
ロイ選手もレベデフ選手のパワーに押され気味のラウンドが続く中、ペース配分に気を配りながらシャープな右ストレートリードや試合後半に増やしたレベデフ選手の右ジャブに合わせる左フックを再三クリーンに当て、9回には左フックでレベデフ選手を効かせる場面を見せるなど、戦前の予想に反して大いに見せ場を作ってくれたのですが、最後の最後でロシア人の強打に捕まり痛烈に沈んでしまいました。
試合終了目前の最終10回、ロープに詰まったロイ選手にレベデフ選手の強烈な右フックが襲います。この一打で完全にグロッキーに陥ったところに追撃の右アッパーも連続で食ったロイ選手が痛烈に倒された場面でのストップでした。
レベデフ選手の右でロイ選手が立ったまま半失神状態に陥り、それを認めたレベデフ選手も追撃の手を一瞬止めたのですが、すぐ脇にいる主審のスティーブ・スモーガーさんが割って入らないのでもう一発余計に打ち込んでの最後。最後の一発は明らかに余計で強烈すぎるパンチで、スモーガーさんの処置の遅さが問題だったように思います。
一貫してストップが遅すぎるレフェリーですし、大きな試合で彼が重用されるのが理解できません。
レベデフ選手は22勝(17KO)1敗。ジョーンズ選手は54勝(40KO)8敗。
Denis Lebedev With Brutal KO of Roy Jones in The Tenth(Alexey Sukachev/Boxing Scene)
Lebedev KOs Jones in 10th(Fightnews)
写真
Photos: Denis Lebedev With Crushing KO of Roy Jones Jr.(Boxing Scene)
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正直なところ、これ以上晩節を汚してほしくないという気持ちがあるので、ロイにはこれを機に現役を退いていただきたいです。
いまだに全盛期のスタイルに固執しすぎるあまり、体に余計なダメージを蓄積させてしまい、無駄に寿命を縮めているような気がしてなりません。
ロイファンの自分でさえオールタイムPFPベスト5に入れることに抵抗を感じます
そのカードならボクシングでの需要もまだある気がします。
>Unknownさん
好きな選手が負けるのを見たくないという気持ちは理解できます。
ただ今のロイは晩節を汚してますかね?私は全くそうは思いません。
>名無しさん
衰えないボクサーはいません。衰えたその時の状況でできることをどれだけ精一杯出せるかに価値があるんじゃないでしょうか。
負けたから晩節を汚した、ってのは全然違うと思います。
オールタイムP4Pの評価、ってのもその選手のピークを見て判断するもんなんじゃないでしょうか。よくわかりませんが。
トニーxロイは自分も見たいですね
試合前のトラッシュトーク、入場シーン、試合(早めのストップを)、そして試合後の2人。間違いなく堪能できると思います。
まぁ全盛期を下ったあたりでスパッと辞められれば理想なのかもしれませんが、色々あるんでしょう。
オールタイムPFPのトップに入ると思います。
ただ単に好きだからの贔屓かも知れませんが笑。
しかしながら、好きな選手故に、
私も彼にはもう引退して欲しいです。
異常なほどの反応速度を前提にして戦っていた
選手ですから、それが無くなった今では
彼はもう自分のボクシングができていない、
と思えます。
勿論、それに意味が無いとは思わないのですが
如何せんパンチをもろに食い過ぎで…。
お願いだから、体を壊さないうちに、引退して欲しいですね…。
ハメドが復帰戦を1度やっただけで
リングに上がらなかったのは凄い残念
だと思ってたけど、あれはあれで良い
終わりだったように思えてきた。
昔のマーサーvsモリソンを思い出しました。
やむなき事情ってのもあるんでしょうが、基本的にボクシングを好きじゃなきゃこの歳まで続けてられないと思います。
ある種中毒なのかも。
当人の納得いくまでとことんやって欲しいと私なんかは思います。
>TITOさん
打たれた際の脆さ、ってのは気がかりではあります。
全盛期の評価に晩年での惨敗がなんら影響しない、ってのは上に書いたとおりの私の意見です。
オールタイムでどうか、ってのは私には判断できませんが、ロイはその議論に加わって当然の名前だとも思います。
>Unknownさん
カルザギのように全勝のまま去る、具志堅さんや鬼塚さんのように1敗して去る。
辰吉さんのようにボロボロになるまで戦い続けることにこだわる
キャリアの最後は選手本人が決めることですし、それぞれ尊重されるべきだと思います。
>あさん
あの時はトニー・ペレスさんでしたね。
スモーガーさんはどの試合でもストップが遅いので私は好きじゃありません。
マーカンテJr、スモーガー、そしてローレンス・コールが現在のワーストレフェリーたちだと思います。
(スモーガーはいつも遅くて恐ろしいですが)。ゴルフのシニアツアーのような物があればいいのですが、競技の性質上難しいですし。