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アレキサンダー・アレキセーエフ対ビクトル・ラミレス(2009/01/17)

2009-01-19 01:12:14 | ボクシング
WBO暫定クルーザ級王座決定戦

ドイツで行われた暫定王座決定戦は、WBOで1位にランクされるウズベキスタン生まれのロシア人アレキサンダー・アレキセーエフ選手(Alexander Alexeev)と、アルゼンチンからの9位ビクトル・ラミレス選手(Victor Emilio Ramirez)との間で争われ、ラミレス選手の豪打がアレキセーエフ選手の技巧を打ち砕く9回終了TKOとなる波乱(?)となっています。

アマチュアでの確かな実績と、プロ入り以来見せ続けていたサイズ・技術・パワーを兼ね備えたレベルの高いパフォーマンスに大きな期待を抱いていたアレクセーエフ選手だったのですが、アルゼンチンのタイソンとの異名を持つラミレス選手のパワーに押し潰される敗北を喫してしまいました。

終始アレキセーエフ選手のペースで進んでいた試合。
試合開始直後から身長で7センチのアドバンテージを持つサウスポーのアレキセーエフ選手が放つ左ストレート、右のジャブ、左アッパーのボディブローなどがバチバチ入ってラミレス選手に付け入る隙を与えません。こりゃあ早い決着もあるかな・・とさえ感じさせた立ち上がりだったのですが、この回終了間際にラミレス選手の左フックが1発入りヒヤリとさせます。しかしこの初回の攻防で両者の技術の差は明白。
2回以降もガードを高く掲げながらじわじわ出るラミレス選手に対し、アレキセーエフ選手の正確で長いパンチが試合のペースを支配し続けていきます。ラミレス選手の接近を許した場面でもテクニックとスピードの差で正確なヒットを奪うのはアレキセーエフ選手。
ラミレス選手が逞しい両腕でのブロッキングでアレキセーエフ選手の攻撃を遮断しながらじりじりと距離を詰め、豪腕をガードの上から叩きつける攻めは不気味な怖さ・迫力を漂わせてはいましたが、それでもペース自体はアレキセーエフ選手が支配していた流れでした。
しかし、正確なパンチをいくら決めても全く弱らず、またガードの上からでも効かせるラミレス選手の攻めにアレキセーエフ選手は見た目以上に消耗していました。
中盤以降、疲れの色を見せ始めたアレキセーエフ選手のパンチに威力が感じられなくなり、両者の距離が徐々に縮まります。ロープ・コーナーに追い詰められる場面も度々見せるようになっていったアレキセーエフ選手。
そして9ラウンド、ラミレス選手の強打を断続的に浴び続け少しづつそして確実にダメージを蓄積させ、ラウンド終了間際にはロープを背に滅多打ちに。
ここはラウンド終了ゴングに救われましたが、ふらつく足取りで自コーナーに戻った後にギブアップして試合は終了しています。

単調に出て来て豪腕を振り回すだけのラミレス選手に対し、アレキセーエフ選手は真っ正直に正面から対抗しすぎたように感じました。最後のラウンドになった9回もやや押され気味のペースを変えようとアレキセーエフ選手の方から攻撃を強めていき、結果的に墓穴を掘ってしまった感じ。
離れた距離ではほとんど手を出さず、というか手を出せなかったラミレス選手に対して、もう少し違う戦い方はできなかったのかなぁ・・とか思ってしまったのですが、これはシロートのたわごとですねw

ラミレス選手のタフさ、パワー、それを生み出す分厚い体躯が印象的でした。24歳の新王者の今後に注目です。
ラミレス選手は14勝(12KO)1敗。アレキセーエフ選手は16勝(15KO)1敗。

中間のラウンドありませんが~試合動画(youtube)
Victor Emilio Ramirez vs Alexander Alexeev Rounds 1-3
Victor Emilio Ramirez vs Alexander Alexeev Rounds 7-9


ニュース動画
Alekseev stopped by Ramirez

Ramirez stuns Alekseev!(Fightnews)
Victor Emilio Ramirez Stops Alexander Alekseev, Wins Title(Boxing Scene)
Alekeseev stopped by Ramirez(Universum Box-Promotion)
写真
EVENT PHOTO GALLERIES 17.01.2009 Düsseldorf(Universum Box-Promotion)

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3 コメント

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Unknown (サモアン)
2009-01-19 21:55:47
ホープが無敗のまま駆け上がるというのは、ファンが思う以上に難しいんでしょうね。

アレクセーエフがつまずき、ベルトと矢代が無敗を脅かされたのを見て、そう強く感じました。

ただアレクセーエフも完敗ではなかったので、このままラミレスとライバル関係となってこの階級を盛り上げていってほしいですね。

この二人が王者グループに絡んでくると、ヘイが抜けたこの階級も、またスポットライトが当たると思います。
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Unknown (条助)
2009-01-20 00:25:48
このアレクセーエフ、ボクマガで「カーンより先に世界を獲りそう」とか紹介されてて、戦績も16勝15KO無敗だったので気になってました。
今回初めて試合を見ましたがドッシリと体がブレず、正確で強いパンチを繰り出す技術力の高さはウワサどおりでしたが、ラフな展開になるとやや弱いのかなとも思えました。やっぱ真正直に正面から迎え撃ちすぎたのかなーって気はしますが、それが彼のスタイルなんですかね。
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Unknown (管理人)
2009-01-20 16:42:12
>サモアンさん
ボクシングは相手があるものですからね。キャリアを続けている間に必ず難しい試合、苦しい試合ってものがそれぞれのボクサーに訪れるんだと思います。そこを乗り越えることが出来るか否か、たとえ敗れたとしてもその苦しい経験を後にどう生かしていくのか、てのが重要かと思っています。
サモアンさんご指摘の3名はいずれもまだまだこれからの選手。頑張って欲しいですね。

>条助さん
完成度の高いボクシングで、私もかなり期待していたアレキセーエフ選手だったのですが。やはりそう簡単には行かないもんなんですねぇ。
アレキセーエフ選手は、自らがこれまでやってきた、思い通りのボクシングを出来ているのに、ラミレス選手が全然怯まない効かないってことに戸惑い混乱してしまった印象でした。
つまりは経験の無さ、ってのが敗因と言えるのでしょうかね。
精神的ダメージの大きそうなこの負け方は後を引いたとしても不思議ではないと思います。次の試合、アレキセーエフ選手がどんな姿を見せてくれるのか注目したいです。
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