備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『パルレ~洗濯~』

2012-02-19 18:00:09 | 国内ミュージカル
引っ越し屋の前口上でスタート。ヒロインがソウルに引っ越してくるという紹介をし、引っ越す前は、パリの怪人とお友達だったり、猫だったりという役者本人の経歴を話し、かなりウケを取る。
で、ナヨンが何度目かの引っ越しを完了する処から物語が始まる。一息ついた時に、部屋のセットになるが、部屋の内部が使われるのはここのシーンのみ。そして、母親への電話で、謎の方言を操る。(東北系)
一方、隣のビルの屋上のペントハウスみたいな部屋に同居者三人(一人はフィリピン人)と住むモンゴルから出稼ぎに来ているソロンゴ。弟妹のために、ソウルで働いているが、既にビザも切れ不法就労状態。そこで、洗濯物を干していると、向かいのビルからナヨンが現れ、その姿に一目惚れするソロンゴ。
なんとか、会話をしようとするが、ソロンゴを牽制するナヨン。
一方、ナヨンの隣に住むバツイチの女性や大家さんとの会話から、厳しい生活が窺えるなか、新しい職場で働くナヨン。そこは、社長(何故か博多弁)が一代で築いた本屋で、一部上場までのし上がってきたワンマン会社だった。そして、そんな社長に気に入られようとする社員や勤続15年のベテラン社員がいる。ただ、若干、傾き加減。そんな本屋で、何とか稼ぎ、やって行こうとするナヨン。
それぞれが何とか仕事をしているなか、ソロンゴがスーパーの店長達(ソロンゴが住むビルの大家?)に暴行を受けていた。というのも、ソウルに住む不法就労者が安い賃金で働いているために、ソウル市民に仕事がないとソロンゴに鬱憤を晴らしていた。ソロンゴは警察沙汰になると強制送還されてしまうために、必死に我慢していたが、その様子を見て、反抗するナヨン。しかし、より逆上した店長達に体を張ってナヨンを守るソロンゴ。そして、ソロンゴを異性と見るナヨン。
ある日、ナヨンの勤める本屋が財政的に厳しいことに。ナヨンのベテラン先輩が注進するが、それが社長の逆鱗に触れ、不当解雇される。その理不尽さを言ったために、ナヨンも地方の倉庫に飛ばされ、意気消沈。一方、ソロンゴも数ヶ月分の給与を払われないまま会社をクビに。
そんな不遇な二人はまた出会い、惨めになるが、新しい気分でやって行こうと、気分新たに同居・新生活を決め、幕。


木村。
退団後、初出演。元々、開口が気にならない人なので、違和感なし。歌に関しては高音域になると、独特の発声(ファミリーミュージカルチック)になるが、ま、そこだけ気にしなければ、やはりウタウマなんだと思う。この後が『サイゴン』のエレンだが、それをやるには若い気が。キムよりはジジだけど、それだと歌が一曲しかないし。

野島。
カタコト台詞が妙に合うのは何故?そして、歌うとマリウス的好青年。

大鳥。
大家さんとベテラン先輩の2役なのだが、あまりに違い過ぎる。特に、関西弁なおばあちゃんの大家役が、本人そのものとのギャップが(て、ロミジュリでしか観てないけど)。
この作品で一曲耳に残る曲があるのだが、この役の持ち歌だった。それも、障害を抱えた娘を思う曲で、かなり重い内容なことが判明。

安福。
色々な役で登場。さり気なくキレのあるダンスと安定した歌唱力。元四季のアンサンブルと知った時は納得。

三波。
こちらも色々と登場。一応、社長一代記のようなソロ曲もあるが、気の良い役からイヤな役まで幅広い演技要因か?


劇中、ナヨンの勤める書店で、ジャイケル・マクソンのサイン会があるが、そこで客がステージに上がり、その役者と一緒に写真を撮る演出が。これは韓国と同じ演出なのだろうか?そして、役者は誰?

また、他にチャン・グンソクをもじった役名も。

サイドストーリーで、大家の障害を持った娘が登場。死んだ旦那との間に一人息子が居るが、障害を持った娘とは父親が違う。旦那が浮気者で、その仕返しに浮気し、出来た娘なのだが、その事実をしり、仁川で暮らす息子。ラストでは、その息子が失業し、大家の元に帰ってくるという話があり。障害を持った娘となかなか波乱に満ちた人生を送っている大家。


全体的にみて、大きな事件もなく、淡々とソウルの現実を描いているだけなのだが、この手の日常モノがロングランするから、三谷脚本の『君となら』が翻訳上演されるのだな、と。ま、そもそもどの位が現実で、どこまでがデフォルメされているのかも分からないが。
歌も印象的な曲が沢山ある訳でも無いので、ミュージカルとしてもイマイチだし。歌に関しても、今回のキャストは出演者8人中5人が元四季とアンサンブル曲も安定。
でも、オープニングの『ソウル暮らしは何年ですか?』という歌詞が聞き取り辛いのは何故でしょう?


と、それといって惹かれる要因が無いのに、見終わった後にハズした感が無いのは、脚本がしっかりしている(破綻がない)からか?或いは、翻訳モノとして、観ていてダレない(翻訳が上手い?)、歌と台詞、内容の加減が丁度良い配分?

勿論、足踏み洗濯(洗濯板は日本特有の文化?)とか、干す前に洗濯紐の汚れを手ですぅーと落とす演技とか、都会のソウルの光景とは思えないものも。

ま、自分が知っているソウルが華やかな都会のイメージでしかというのもあるが。

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2 コメント

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ド派手な作家は (花菱)
2012-02-20 07:45:42
ソロンゴ役者さんだと思います。
私は松原くんしか観ていませんが。
隣席の方が参加したので、見せていただきましたが、役者本人のサインでした。
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花菱様 (dacho)
2012-02-20 12:32:51
歌わないし、サングラスで顔を
隠しているので、誰か分からなかったのですけど、
ソロンゴ役者なのですね。

そういえば、アフタートークであのサングラスを付けて、
登場してきたので、もしやとは思いましたが。

てっきり、ジャイケル・マクソンのサインかと
思ったら本人のサインなんですね。
イキナリだったので、座ってましたが、並ぶべきでした(笑)。
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