京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『キツツキと雨』

2012-02-14 | 邦画

 

□作品オフィシャルサイト 「キツツキと雨
□監督・脚本 沖田修一
□脚本 守屋文雄
□キャスト 役所広司、小栗旬、高良健吾、臼田あさ美、古舘寛治、
       嶋田久作、平田満、伊武雅刀、山崎努

■鑑賞日 2月11日(土)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)

<感想>

 都会の生活からは程遠い森で毎日木を切って生活する暮らす木こり克彦(役所広司)。
 そこにゾンビ映画の撮影隊がやって来る。 しかも監督デビュー作の撮影となる幸一
 (小栗旬)は
ひょんなことから克彦はこの映画の撮影を手伝うハメに。

 最初はお仕着せがましい撮影隊とそりが合わず、またプレッシャーに弱く
 優柔不断な幸一とも合わず、
全く環境やジェネレーション、生き方、価値観の
 違う連中とのふれ合いを通して、
初めてとなる映画の撮影を通して、互いが
 それぞれの立場や、また環境や生活の枠を超えて、
ひとつにまとまっていく
 様を面白可笑しく描いていく。


 この映画は坦々とした日々を描きだしていくが、とにかく役所演じる克彦の
 表情や言動が面白い。
 
 そもそもそんなに表情が豊かではない役所が、小笑いに繋がる独特の“間”を
 作り出している。

 ダイナマンのマスクをかぶるのかかぶらないのかは別な問題として、
 ゾンビメイクはかつてなかったことだと思うが(『パコと魔法の絵本』ではズラを
 かぶってた)、
それを含め、チェーンソーの扱いは自らが楽しかったと語っているし、
 インタビューでそんな
話をしていた役所は嬉しそうな一面を覗かせている。

 ロケハンで川を探しつつ、いい川が見つかったと思ったら、
 背景にハデハデなラブホが(笑)


 一方、小栗旬の方は先日『荒川アンダーザブリッジ THE MOVIE』でインパクト
 あるかっぱを
演じていただけに、それに比べると大きな変化もなく、そういう
 意味では可もなく不可もなく。

 ま、そんな中で嶋田久作や平田満、伊武雅刀、山崎努という脇がしっかりしていたので、
 そこそこ面白い出来になっていたのだと思う。
 特に山努演じる大物俳優・羽場の痔のシーンでは、羽場の痔が限界にきている
 にも関わらず、
幸一監督がそのシーンになかなかOKを出さず、何度も撮り直すは
 シーンはなかなか味わい深かった(笑)


 克彦と幸一の距離が縮まっていくのを象徴しているのは共同浴場のやりとりで、
 最初は克彦が幸一の方に寄って行き、幸一が距離をおいているのに対し、
 慣れてきた頃には、今度は幸一が克彦に近づき、克彦が距離を取るところが
 面白かったなぁ。

 あと、あのあんみつを二人で食べ合うシーンとか、将棋をしながら海苔を食べるシ-ン。
 上手く二人の距離感を映像で観せてくれていた。

 そういえばその海苔のシーンはもう一つあった。
 克彦の息子の名前も漢字は違うが幸一と同じ浩一(高良健吾)。
 やはり蛙の子は蛙って言うか親子と言うか、最後は同じ作業着を着て、
 朝食を親子で食べるシーンでその海苔を指先にくっつけてご飯を巻くところ
 あの海苔はあんなに簡単にくっつくのか(笑)

 沖田監督は、前作『南極料理人』でもこの人間のおかしさ、人間関係の“妙”を
 上手く表現していたと思う。 不思議な感覚の映画でもあったが、
 同じ空の下の人間の、少しの間のそれまで味わったことのない共有できた
 人生の機微だったことだろう。


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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
山崎努さん (こに)
2012-02-14 09:45:02
劇中劇でも大物でしたね。
俺様がお前の映画に出てやるんだ、という展開かと想像したのですが、何度もの撮り直しと痔の苦しみにも耐え、見事に演じきりましたね。
ロケ地が岐阜で方言が身近なのもあって贔屓目に観たかもしれませんが、良い映画だったと思います。
おはようございます。 (みぃみ)
2012-02-14 10:15:04
ご覧になられたとの事でしたので、ジャンプしてみました(^_^)v。

地元では公開予定が無いので、
役所さんのゾンビ姿や思わず味付け海苔を購入したとの話しに、なんとか早めに観たいと計画中…。

役所さんは、ご自分で日曜大工なさるのお好きなようで、マイ斧を10個、持ってらっしゃるそうです(^^)。

大物~ (cyaz)
2012-02-14 12:28:32
こにさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>劇中劇でも大物でしたね。
ですね(笑)

>何度もの撮り直しと痔の苦しみにも耐え、見事に演じきりましたね。
そうでしたねぇ^^
キレルと思ったのですが静かでしたね(笑)
しかも呼び出され酒までゴチになって!

>ロケ地が岐阜で方言が身近なのもあって贔屓目に観たかもしれませんが、良い映画だったと思います。
舞台がそうだったんですね^^
岐阜にはもう10年近く行ってないですねぇ><
憧れ~ (cyaz)
2012-02-14 12:36:19
みぃみさん、コメント、ありがとうございますm(__)m

>地元では公開予定が無いので
あらら、それは残念ですねぇ><

>役所さんのゾンビ姿や思わず味付け海苔を購入したとの話しに、なんとか早めに観たいと計画中…。
小笑い満載なので是非ご覧になって下さいね!

>役所さんは、ご自分で日曜大工なさるのお好きなようで、マイ斧を10個、持ってらっしゃるそうです(^^)。
オーノ~ですね(笑)
だからあのチェーンソーは憧れだったのでしょうか(笑)?!

Unknown (KLY)
2012-02-14 16:32:17
味付けのりのシーンで、味付けのりは結構ぴとってくっつきますよ(笑)私も大好きなんです。普通ののりより味付けのりえらびますもん♪おやつで味付けのりだけ食べますし^^
徐々に高まるロケ隊の一体感は堪らないものがあります。ああやってみんなのベクトルが一致すると良いものができるんですよねぇ。
ベクトル~ (cyaz)
2012-02-14 17:28:58
KLYさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>味付けのりは結構ぴとってくっつきますよ(笑)私も大好きなんです。
なるほど^^
うちのは味付けのりではなかったのかも(笑)
子供の頃にお茶と味付けをおやつ代わりに食べていた記憶はありますね(笑)

>徐々に高まるロケ隊の一体感は堪らないものがあります。ああやってみんなのベクトルが一致すると良いものができるんですよねぇ。
確かに一つのことをみんなで完成させる充実感は何ものにも代えがたい貴重な体験で^^
Unknown (ほし★ママ。)
2012-02-14 21:50:07
私が観た映画館では、ロケ地マップ付のチラシがもらえたんですが
あの温泉の寄って行くシーンは
「スモークも焚けず、湯気も立たなくて
映ってはいけないモノが映ってしまうため
近づいて行くにはあの方法しかなかった」と書かれていました。
 
夫は、早速もらい物の海苔を引っ張り出して、ツマミにしています。
そうそう、そうなんです~ (いんち)
2012-02-14 22:24:36
 王様のブランチで紹介されていて仰る通り
役所広司さんの演技が、面白い!と思っていました。なんでもギャップある人って楽しいですね(笑)私もあえてギャップを作ろうかと思います(??大笑)実は、こんな人だった…と
言う印象が、楽しいですよね(笑)
こんばんは♪ (悠雅)
2012-02-14 23:23:28
この作品に描かれているものって、撮影現場で起こったあれこれなのだろうなと、微笑ましくも興味深く観ました。
きっと、映画館もない田舎で、地元の方のお世話になって、いい友情などが芽生えたりして。
そんな中、若い幸一くんと山の民(?)岸さんの距離の縮まり方が何とも素敵で、
男同志っていいなぁ、なんて羨ましくなりました。
そういえば、この監督の作品って、女性がまともに出てこない気も。。。
次回作はそうではなさそうですが。
のり~ (cyaz)
2012-02-15 08:44:43
ほし★ママ。さん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>私が観た映画館では、ロケ地マップ付のチラシがもらえたんです
へぇ~、それは良かったですね^^

>近づいて行くにはあの方法しかなかった」と書かれていました。
なるほど、そうだったんですか?
実際の撮影も大変だったということですね(笑)?!

>夫は、早速もらい物の海苔を引っ張り出して、ツマミにしています。
結構、感化されるのが早いですね(笑)
でも僕も思い出してやってますよ(汗)

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