WBAスーパー・WBC暫定王者 ゲンナディ・ゴロフキン vs IBF王者 デビッド・レミュー
結果 ゴロフキン 8ラウンドTKO勝利
考察 ~ゴロフキン~
KOパンチャーではなく純正ジャバーとしての側面が色濃く出ていた。
『レミューのことは1%しか恐れていない』という試合前インタビューもあったが、
実際の警戒度は10%ほどだったか。
左グローブの位置そのままに繰り出され突き出されるジャブは、
確実に相手の鼻骨と精神を削った。
レミューの鼻骨にはヒビぐらいは入ったのでは?
ジャバーであること以外にもフェイントの達人としての側面も際立った。
自分と相手を結ぶ線の先にコーナーを置いた時、
相手を半歩退かせる目のフェイントを使っていたように感じられる。
実際にはテレビには絶対映らない角度だし、
リングサイドで見ていても分からない類のフェイントだ。
エキサイティング度はゼロになるだろうが、
一試合、いや一ラウンドだけでも真上からの俯瞰カメラ視点で
この試合を見直してみたい。
ネットでそういう好事家向けのサービスが生まれないかな。
考察 ~レミュー~
ファーストコンタクトから劣勢は明らかだった。
距離の違い以上に、ジャブの初動の大きさの有無が大きかった。
これまでの対戦相手なら、威嚇のジャブから連打のコンビネーションであっさり後退してくれたが、
GGGの半身からのショルダーブロック、ストッピング、ブロッキング、バックステップの組み合わせを
最後まで攻略できなかった。
起点となるジャブの打ち出しに、必ず膝、腰、肩、肘の小さなモーションを伴う。
もちろん、これもセオリー。
距離、角度、タイミング測定のジャブではなく、連打の始点のジャブ。
そこを研究されていた。
ぐいぐい前に出る展開になれば強いが、
それならば前に出させなければよい、というゲームプランを冷静かつ忠実に実行した相手を、
臨機応変に上回れなかったという意味で、完全なる実力負け。
ストップのタイミングはやや不本意だったかもしれないが、
リプレーを見ると最後の瞬間は自分からレフェリーに視線を投げていた。
商品価値は下がっていない。
D・ジェイコブス、J・カークランド、またはGBP離脱組のA・アングロやE・ララなど、
相手はまだまだいくらでも見つかる。