シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ロードオブザリング~二つの塔 スペシャルエクステンデッドエディション 後編

2007-02-14 | シネマ ら行
「2」ではもう一つのアラゴルン、レゴラス、ギムリのグループが一番活躍します。(まぁ、「2」だけじゃなくてほとんどそうなんですが)この物語はフロドを主人公としながらも、周りの役どころも決してただの脇役ではない、すべてが重要な役割を担っているというところがとても魅力的。フロドに共感できない人も絶対にどこかに共感できるキャラクターがいるはずだし、そのキャラクターがみんな活躍してくれますから。

「2」では彼らはあらたに騎馬民族ローハンの民たちに出会います。ローハンではウルク=ハイやオークどもが無差別に村人を殺している様子が描かれ、闇の勢力の力が増していることが示されます。荒野でエオメルカールアーバン率いるローハンの騎馬軍に出会った3人は敵と間違われ取り囲まれます。このときのギムリの無礼に対して、エオメルが怒るのですが、そのエオメルになんとレゴラスが逆ギレして矢を向けるのです。いつも冷静なはずのエルフのレゴラスがドワーフのギムリために怒りをあらわにするというシーンで、この二人の友情が芽生え始めているのが分かります。ここを仲裁するのはもちろんアラゴルン。だんだん3人の役割が確立されてきていますね。

メリーとピピンをさらったオークたちをこのローハン軍が皆殺しにし、その際メリーとピピンも殺されてしまったと勘違いした一行。一瞬、悲しみにくれるが、ここで あのブローチを発見彼らの足取りをたどるアラゴルンの勘が良すぎる…エルフのレゴラスがそうするならまだしもいくらさすらってたからってそんなことまで分かるかー?ってほどに彼らの行動を理解します。アラゴルンはただの人間とはひと味もふた味も違うってことなんでしょうねぇ。

そして、この3名はメリーとピピンを探しに森へ入り、なんと死んだはずのガンダルフに出会うのだぁぁぁぁ。「あぁ、やっぱりガンダルフがあんなとこで死んでしまうわけはないよなぁ。しかし、魔法使いやからって生き返るとかアリか?ひょっとしたらワタクシの大好きなボロミアも生き返るんかもしれん!」という希望を抱いたワタクシ。でも、ガンダルフって厳密に言うと死んだってわけじゃないんよね?地獄の底にバルロクと一緒に落ちてそこで戦って勝ったんだよね。それで、白の魔法使いとなって復活してきた。先にガンダルフはメリーとピピンに会っており、3人を安心させる。彼らのことはエントに任せて、闇の勢力に襲われているローハンを助けに行くことに。メリーとピピンをエントに任せればいいことが起こるとかそういうことは分かるのよねぇ、ガンダルフ。。。もちろん、彼の魔法が万能ならこんな物語いらなくなっちゃうからな。ふむ。

ローハンへ着いた彼らは、セオデン王バーナードヒルの城に入る前に武器を渡すように言われます。ガンダルフは魔法の杖を「老人から杖まで奪う気か!」と言って持ち込むのです。このときのアラゴルンのあきれたような、感心してるような表情がキュート。サルマンの手先蛇の舌グリマブラッドドゥーリフに魔法をかけられて息子のセオドレドがオークに殺されても気がつかなくなってしまっているローハンのセオデン王をガンダルフが正気に戻し、闇の勢力との戦いに加わるように話をする。正気を取り戻したセオデン王は初老なのにめちゃくちゃかっこいいです。その甥のエオメルはたよりになる騎馬の隊長。その妹のエオウィンミランダオットーは荒馬に優しく語り掛けるアラゴルンに心惹かれている様子。ここでのアラゴルン、アルウェン姫のことを考えながらもちょっとまんざらでもなさそうなのが気になる…永遠の命を持ちエルフの国へと旅立つアルウェンを忘れるためなのかなぁと思ったりもしたけどさぁ、、、アラゴルン、いかんよ、人間の娘にうつつを抜かしては。ワーグという名の魔狼に襲われて死にかけたときに助けてくれたのはアルウェンやったでしょ。あれは実際に助けたわけではなくて薄れいく意識の中で思い出したのがアルウェンってことなのかな。だとしたら、やっぱりアラゴルンの心にはアルウェンしかいないよね。

セオデン王は戦うことを渋り、村人をヘルム峡谷へ避難させる道を選ぶ。しかし、皮肉にもそこが最大の戦いの場になってしまう。ガンダルフはなぜか援軍を約束し、5日目の朝、東から戻ると言って去っていきます。ここもガンダルフの都合のいい予言が炸裂ですねぇ。。。いや、もう突っ込むまい。

ヘルム峡谷への道のりは少しゆったり。ギムリがドワーフの女性は見た目が男と変わらないからドワーフには男しかいないと思われてるとか話したり、エオウィンの作ったシチューが不味くて、アラゴルンは彼女が見ていない間に捨てようとしたり。

ここでのエオウィンとアラゴルンの会話で驚きの事実が判明します。エオウィンのおじいちゃんとアラゴルンは昔、共に戦った仲だったと。そのころ、セオデン王はまだ小さい子供だったと。つまり、アラゴルンはなんと87歳長寿を誇るドゥネダインの家系だっつーんだよ。いや、いくら長寿でも…このままいくといくつまで生きるんでしょうか?まるで、聖書のようですね。ちと、横道に逸れますが、小さくて可愛いフロドたちだって三十代から五十代の設定だし、レゴラスなんてデーモン小暮閣下かっちゅうくらいのノリだろうしなぁ。色んな常識を超越しとります。ってそりゃそうか。

さきほども少し触れましたが、ヘルム峡谷に向かう途中一向はワーグに乗ったオークに襲われます。ワーグに襲われて崖から落ちたアラゴルンはアルウェンの助けを受けて遅れてヘルム峡谷へ到着。このときの歓迎ぶりがそれぞれの友情を表していて胸が熱くなりますね。そして、セオデン王の間への扉を開けるアラゴルンの姿がすんげぇかっこいいです。予告編でも使われていた映像なので、宣伝部もかっこいいと思ったのかも。

村人たちに老人と子供しかいないのを見てギムリとレゴラスが珍しく弱腰に。「全員が死ぬ」というレゴラスですが、「それなら私も一緒に死ぬ」というアラゴルンの決意を聞いて考えを改める。やはり、彼らの友情はここへきてかなり厚くなっています。またまた、ギムリが長すぎる鎧を引きずって戦い前のひと笑いもあります。

さてさて、このローハン軍と共にオークどもと戦うヘルム峡谷での戦いは「ロードオブザリング」全編の中でもかなり盛り上がるシーン。来てくれないと思っていたエルフの軍隊も来てくれるしなぁ。感動したアラゴルンが思わず、ハルディアに抱きつくところはこちらも感動してしまいます。でも、ハルディアはこの戦いで命を落としてしまうんですよね。殺されない限りは永遠に生きることのできるエルフが命を落とすのはとても悲しいことです。短い登場ながらもハルディアが好きだったワタクシは余計にショックでした。

この戦いの最中にもギムリとレゴラスは殺した敵の数を争ったりして少しの笑いを提供してくれます。ヘルム峡谷でのもっともお気に入りのシーンはアラゴルンとギムリのシーン。少し離れた橋での戦いに飛び込んで参加しようとしたとき、アラゴルンが「でも、(飛ぶには)遠すぎるよ」と言ってギムリの顔を覗き込む。このときのアラゴルンが珍しく茶目っ気のある顔をしている。「1」では絶対に俺を投げるなと言っていたギムリもこの戦いの中にあっては「俺を投げろ」と言う。アラゴルンの作戦勝ち。「ただし、誰にも言うなよ」とギムリ。ヘルム峡谷の戦いはこういうファンタジーものにつきものの戦いのシーンなんだけど、敵と味方が入り乱れているにも関わらず、戦況がとても分かりやすく描かれているところが素晴らしい。ワタクシはいつも戦闘シーンとかになると見る気がちょっとなくなるんだけど、この作品は戦闘シーンが苦手なワタクシも大丈夫でした。

そして、セオデン王は形勢が悪く弱気になりかけたとき、5日目の朝を迎え東の空から昇る太陽にガンダルフの約束を思い出して、また戦う決意をします。そこへ、ガンダルフがエオメルの騎馬軍を連れ、背中からさす朝日とともに、オークを蹴散らすのです。ここでの攻防に勝利した白の勢力はまだこれからやってくる戦いへの決意を新たにして、「2」は幕を閉じます。「2」は真ん中のお話なので、中途半端に始まって中途半端に終わるような印象がどうしてもありますが、それでも、途中の見所はたっぷりのお話です。


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