腹へったな、と呟いた。
その日たまたま大統領府に用事があった黄泉と
帰りが一緒になった幽助が。
何か食って帰るか？丁度蔵馬と修羅と待ち合わせ
しているがお前もどうだ？と聞いて来たブルジョワに
ゴチになります！と宣言してやって来たのが。
幽助だったら絶対行こうとは思わない
人間界で言うなら銀座の寿司屋並の敷居の
高そうな店だった。
(だって値段かいてねーし。)
ファミレスか行っても一食数千円くらいの飯屋だと
思っていたのに。いや、子供連れて行く寿司屋って
回転寿司がデフォだろ普通!!ス〇ローとかか〇ぱ寿司とか!
「何食べて良い？」
と聞く息子を真ん中に両親(?)は微笑ましそうに笑う。
(うわ、これオレの一番嫌いなシチュエーションだわ)
高級料理店で大トロやらナンとか牛の肉食ってる子供
見てうちの子良いものしか食べなくて困っちゃうなあ～とか
笑う親。お弁当も大変なのよ～とか苦笑する親。
何食わせようが人の勝手だ、と言われりゃ終わりだが
ガキはガキらしくマックでナゲット食ってろや、と思う
自分は古い考えの男だろうか。
「納豆巻きと卵食べて良い？」
「良いぞ。」
・・・・・・ん？
「あと、お味噌汁とー、かんぴょう巻き!」
お稲荷さんもたべたーい等と今どき回転寿司に来ている
人間界の子供でもあまり言わなそうなことを
しゅらくんおっしゃいませんでしたか？
まぐろ位食っても良いぜ？
ネギトロとかサーモンとか食わねーのか？
「幽助、何か飲む？」
と声を掛けて来た蔵馬にこっそりと耳打ちする。
「あのよ、修羅ってあんま生魚好きじゃねーの？」
そう聞かれた蔵馬は不思議そうに幽助を見た。
「何言ってるんですか？」
「ーへ？」
「生魚は六年生まで食べちゃいけないんでしょう？」
あれもしかして。
「蔵馬お前始めてちゃんと寿司食ったのいつ？」
「小６の誕生日。」
みなみのさんちのローカルルールかよ。
優しそうに見えて蔵馬のお袋さんは意外とアレだ。
「日本酒冷やで。」
そう頼みつつ、卵焼きに喜ぶ修羅みたいな息子なら
自分でも可愛いがれるな、と思う。
お通しだと出されたツブ貝を無言で黄泉の前にずらした
蔵馬が何を食べるかと聞いて来た。
「何あるかわかんねぇ。」
「すみません彼にはおすすめでお願いします。」
「はいよ!奥さんは何にしやすか!」
絶対零度ってこんな空気なんだなあ、とか考えながらも
今まで味わったことのない舌の上で蕩ける雲丹を
頬張る幽助は、笑顔で殺意を醸し出す蔵馬を
さして気にするでもなく食事を続ける父と子に
密かに尊敬の念を高めた。
ーついでに空気を読まずに『奥さん美人だから穴子サービス』
だとかのたまう職人に胸の中で手を合わせた。
～寿司食いたいって
思って、つい。こんなんが。
その日たまたま大統領府に用事があった黄泉と
帰りが一緒になった幽助が。
何か食って帰るか？丁度蔵馬と修羅と待ち合わせ
しているがお前もどうだ？と聞いて来たブルジョワに
ゴチになります！と宣言してやって来たのが。
幽助だったら絶対行こうとは思わない
人間界で言うなら銀座の寿司屋並の敷居の
高そうな店だった。
(だって値段かいてねーし。)
ファミレスか行っても一食数千円くらいの飯屋だと
思っていたのに。いや、子供連れて行く寿司屋って
回転寿司がデフォだろ普通!!ス〇ローとかか〇ぱ寿司とか!
「何食べて良い？」
と聞く息子を真ん中に両親(?)は微笑ましそうに笑う。
(うわ、これオレの一番嫌いなシチュエーションだわ)
高級料理店で大トロやらナンとか牛の肉食ってる子供
見てうちの子良いものしか食べなくて困っちゃうなあ～とか
笑う親。お弁当も大変なのよ～とか苦笑する親。
何食わせようが人の勝手だ、と言われりゃ終わりだが
ガキはガキらしくマックでナゲット食ってろや、と思う
自分は古い考えの男だろうか。
「納豆巻きと卵食べて良い？」
「良いぞ。」
・・・・・・ん？
「あと、お味噌汁とー、かんぴょう巻き!」
お稲荷さんもたべたーい等と今どき回転寿司に来ている
人間界の子供でもあまり言わなそうなことを
しゅらくんおっしゃいませんでしたか？
まぐろ位食っても良いぜ？
ネギトロとかサーモンとか食わねーのか？
「幽助、何か飲む？」
と声を掛けて来た蔵馬にこっそりと耳打ちする。
「あのよ、修羅ってあんま生魚好きじゃねーの？」
そう聞かれた蔵馬は不思議そうに幽助を見た。
「何言ってるんですか？」
「ーへ？」
「生魚は六年生まで食べちゃいけないんでしょう？」
あれもしかして。
「蔵馬お前始めてちゃんと寿司食ったのいつ？」
「小６の誕生日。」
みなみのさんちのローカルルールかよ。
優しそうに見えて蔵馬のお袋さんは意外とアレだ。
「日本酒冷やで。」
そう頼みつつ、卵焼きに喜ぶ修羅みたいな息子なら
自分でも可愛いがれるな、と思う。
お通しだと出されたツブ貝を無言で黄泉の前にずらした
蔵馬が何を食べるかと聞いて来た。
「何あるかわかんねぇ。」
「すみません彼にはおすすめでお願いします。」
「はいよ!奥さんは何にしやすか!」
絶対零度ってこんな空気なんだなあ、とか考えながらも
今まで味わったことのない舌の上で蕩ける雲丹を
頬張る幽助は、笑顔で殺意を醸し出す蔵馬を
さして気にするでもなく食事を続ける父と子に
密かに尊敬の念を高めた。
ーついでに空気を読まずに『奥さん美人だから穴子サービス』
だとかのたまう職人に胸の中で手を合わせた。
～寿司食いたいって
思って、つい。こんなんが。